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東京のラーメン屋さん に参加中!
当ブログの左メニュー下部、参考図書を本棚風にしてから暫く経つが、近頃1段増やして文春文庫のB級グルメシリーズを追加してみた。ジャケ写がないのが残念だが、この中の『B級グルメの半日散歩』【amazon】の表紙を飾ったデカ盛ラーメンが、コチラ味の横綱の湯麺大盛だった。
20年近く前の本なのでこれを手がかりに食べ歩くというのも難しくなったが、現在の町並みから嘗ての痕跡を辿るのも街歩きの醍醐味だろう。今は墨東のリリアンことスカイツリーがニョキニョキを成長している途中なので、町との興味深い対比が拝める。
実は先日も『…半日散歩』に掲載されていたモロ昭和な喫茶を捜し歩いたのだが、つい先ごろマンションの建設が始まったばかりで、タッチの差で味わうことが出来なかった。スカイツリー効果で結構離れた東向島(旧玉ノ井)〜八広あたりまで開発の手が伸び、こうした閉店が相次いでいる。現存しているうちに少しでも訪問しておきたいのだが。。。

さてコチラのお店、まだまだ営業されていることは、クチコミサイトなどで見知っていた。普通盛はそれほどデカ盛でないとのことだが、暑くなる前にやっつけておこうと都バスで東向島広小路停に降り立った。
6号水戸街道に沿って南下すること暫し。赤字に白抜きの看板が見えてきた。

外観@味の横綱味の横綱【食べログ】
★★★★☆ 4.5
所在地:東京都墨田区東向島2-22-2

L字カウンター8席ほどとこじんまりとした店で、改装を繰り返しているのか、クタビレた風は殆ど見受けられず、知らなければ老舗だと気づかない。ただ入って右手の壁面の一部、常連の方だろうか、スナップ写真がテトリス状態でビッシリと埋め尽くされている。退色したものも多く、その歳月の長さが窺い知れる。
店はご主人と奥さんと思しき方の二人体制。ご主人がメインで調理し、女将さんはそのヘルプとフロア担当といった按配だろうか。
メニューは卓上に冊子状のクリアファイルがあるものの、壁面に定食メニューを含めた一通りの品書きが並ぶが、それとは別に厨房側に筆文字で「湯麺」とも書かれている。やはりタンメンがウリなのだろう。迷わずオーダー。すると麺は細麺にするか太麺にするか問われる。太麺と即答すると、見覚えのある袋から取り出した。おおっ、ここも浅草開化楼なんだ!
カウンターからは調理の様子が手に取るように見渡せる。モヤシメインの野菜を大きな中華鍋で炒め、そこにスープを投入。ここからはあまり鍋を振るわないので、茹でてるかのようだ。昨今タンメンが見直されているが、自分自身タンメンを食べる機会は少なく、それも調理している様子を見たことなかったので、札幌味噌ラーメンのような手順だとすら、恥かしながら知らなかった。
んで、茹で上がった麺を投入した丼に煮立った野菜を乗せ、スープというか煮汁を注いで出来上がり・・・って、をゐ! その野菜の盛りは!? これじゃ・・・

湯麺(普通盛)¥580!
タンメン@味の横綱
・・・二郎じゃないんだから!!
明らかに野菜はマウンテン状に叩いてましたわ。これ、フツー盛ですか!? 麺が全然見えてこないし、この量じゃ天地返しも出来ないんで、素直に野菜から食べましょ。
モヤシを食べて、これが驚いた。噛むとプツンと心地よい歯切れのよさがありながら、しんなりとソフトに茹で上がっている。炒めたというギラギラした感じはなくて、恐らくその辺のアブラギッシュはスープのコクに移行しているのだろう。モヤシの甘みが実によくいきている。二郎系を多く食すようになってモヤシ摂取量は格段に増えているが、その多くはただ茹でただけって感じで、それはそれで十分なのだけど、ここんちのは中華屋のしてのプロのシゴトが施されてて、一つの料理として味わえる。別にモヤシをバカにしてたわけじゃないけど、違うもんだなぁ。
見た目の量に反して食べやすいのでドンドン野菜が減っていく。そして麺とご対面〜(ってダジャレじゃないッス)
タンメンUP@味の横綱
おおっ、太! 茹でる前の状態ではあんま太く見えなかったが、茹でられた上、野菜の下に潜んでいたからか、しっかりとスープと野菜のエキスを含んで膨れ上がっていた。
食感としてはムニュっとして伸びた感じではあるが、味が染み込んだところに粉の風味も残ってて、口中に独特の味わいが広がる。きちんと味を受け止めつつも麺自体の味が死んでないっつーのがスバラシイね、コリャ。開化楼というとつけ麺の特注の太麺とかチー麺のイメージをどうしても持ってしまうのだけど、そもそもは町の麺屋でフツーに町の中華屋に卸してたんだから、別段珍しいもんじゃないはずだ。だけど、フツーの麺のはずなのに、麺がスッゴくイイんだよなぁ。
スープは結構しょっぱめで、単体ではチトきついくらい。量も少なくて、麺と野菜を食わせるサブ的ポジションなのだろう。だとするとこのショッパさはアリ!

何も考えることなく、あれよという間に完食。
写真を撮ってるをご主人から話しかけてくださって、文春文庫で初めてコチラを知ったというと、急にご主人はだんまりを決め、代わりに奥さんが取材当時のことをフォローしてくれた。
生まれも墨田区というご主人は江戸っ子気質で物言いが少々ブッキラボウに聞こえるが、昔からの町の中華屋らしい客との間合いを持ってて、余りある部分は物腰の非常に柔らかい女将さんがフォローしている。この、実に良く出来たバランスは、長年この地で培われたものだろうし、それが味にも表れている気がした。

そんなこんなで非常にホックリとした気持ちになって店を後に出来た。
チャーハン他、餃子や各種定食メニューも気になるところだが、またこの太麺湯麺を頼んでしまいそうだ。こりゃ、吸引力あるわ〜
ちゅーわけで、身も心も大満足でございやんした。美味!ごちそうさまです〜

味の横綱 ( 曳舟 / 中華料理一般 )
★★★★★5.0
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