GWの狭間ということで、いつもとは趣向の異なる記事をUPしたい。まぁ書評っちゃそうなのだが、ずっと温存していて、タイミングを逸していたネタっす。
ある日のこと、弊ブログの長らくの読者でもある方から、『HB』【公式】なるミニコミ誌に拙著が取り上げられていると教えられ、早速買ってきた(といっても発行は昨年9月なのだが…)。
取り上げられているという『HB』第7号はB級グルメ特集とあり、テッチリそこなのかと思いきや、レギュラー連載の雑誌ランキングということらしい。執筆陣の一人、東川端三丁目【ブログ:東川端参丁目の備忘録】なる人物はどうも出版とかソッチの業界人らしく、その筋では有名な雑誌通らしい。
記事は、09年春〜10年冬にかけて発行された雑誌の中から、極私的なランク付けがされ、ワースト3とベスト9のそれぞれに寸評が載せられている。これはミニコミ誌等の一般流通に乗らない雑誌のランキングではなく、自分以外はそれこそ、週刊ダイヤモンドやアンアンといった、皆さんご存知の雑誌がズラリと並んどるわけだ。
この流れから行くと、お約束のワースト入りなのかと思いきや、彷書月刊を抑え堂々の第2位!(ちなみに1位は廃刊となったNAVI)
年2回のペースで発行している本誌ではなく、オマケのお遊び的に作っているイベント限定コピー本の方がフィーチャーされているので、ちょっとガックシだが(年2回のお祭り以外では極一部のミニコミ専門店で限定発売しかしていないから紹介頂いても手に入らないやん!)、この09年末の限定本『バネ式』は殊の外評判が良く、清野とおるの『東京都北区赤羽』より前から赤羽の裏な部分を取り上げていると評価してくれているのが有難い。戦後闇市から発達した赤羽一番街から、軍都としての歴史を持つ赤羽の旧日本軍の引込線を追走しながら、戦後ニューファミリーの団地を横断するっつー、町の歴史的断層を現在眼に見えている事象から並べ対比する方法は指摘のとおりだが、それは私の本シリーズ全てに通底してることですから、まぁ気にしてくれる方は、他のも手にとってねと【バックナンバー一覧】。
自分のことが触れられてるのはそこだけだが、折角なんで『HB』第7号、全部読んでみたんですわ。
で、恩を仇で返すようで悪いんだけど、このB級グルメ特集があまりにもあまりにも…なんで、ここでちょっと毒を吐きたい。B級グルメブログをやってる身としては、いくら拙著を評価してくれたとはいえ、黙ってるわけにはいかない!
ある日のこと、弊ブログの長らくの読者でもある方から、『HB』【公式】なるミニコミ誌に拙著が取り上げられていると教えられ、早速買ってきた(といっても発行は昨年9月なのだが…)。

記事は、09年春〜10年冬にかけて発行された雑誌の中から、極私的なランク付けがされ、ワースト3とベスト9のそれぞれに寸評が載せられている。これはミニコミ誌等の一般流通に乗らない雑誌のランキングではなく、自分以外はそれこそ、週刊ダイヤモンドやアンアンといった、皆さんご存知の雑誌がズラリと並んどるわけだ。
この流れから行くと、お約束のワースト入りなのかと思いきや、彷書月刊を抑え堂々の第2位!(ちなみに1位は廃刊となったNAVI)
年2回のペースで発行している本誌ではなく、オマケのお遊び的に作っているイベント限定コピー本の方がフィーチャーされているので、ちょっとガックシだが(年2回のお祭り以外では極一部のミニコミ専門店で限定発売しかしていないから紹介頂いても手に入らないやん!)、この09年末の限定本『バネ式』は殊の外評判が良く、清野とおるの『東京都北区赤羽』より前から赤羽の裏な部分を取り上げていると評価してくれているのが有難い。戦後闇市から発達した赤羽一番街から、軍都としての歴史を持つ赤羽の旧日本軍の引込線を追走しながら、戦後ニューファミリーの団地を横断するっつー、町の歴史的断層を現在眼に見えている事象から並べ対比する方法は指摘のとおりだが、それは私の本シリーズ全てに通底してることですから、まぁ気にしてくれる方は、他のも手にとってねと【バックナンバー一覧】。
自分のことが触れられてるのはそこだけだが、折角なんで『HB』第7号、全部読んでみたんですわ。
で、恩を仇で返すようで悪いんだけど、このB級グルメ特集があまりにもあまりにも…なんで、ここでちょっと毒を吐きたい。B級グルメブログをやってる身としては、いくら拙著を評価してくれたとはいえ、黙ってるわけにはいかない!
編集発行人の橋本倫史なる人物が、HBレギュラー執筆陣である同人各々に指令を与え、レポートを書かせるという形式で特集の殆どは成り立っている。ある人には、茨城のオートスナック(自販機コーナー)でそばうどんやトーストを食わせ(ここはずっと行きたいと思ってたところで、高速バスで行くというルートも自分と同じ発想でこの点は興味深かった)、またある人には高田馬場の熊ぼっこで朝までねばらせるとか。
一見、面白そうな企画に見えるのだが、内実はかなり電波少年式のムチャブリ企画で、オートスナックではほぼ拉致状態で高速バスに載せ、数時間自販機コーナーに軟禁状態で無理やりカップ麺等をひたすら食わせる。
レポートの殆どがこうした内容で、ほぼ、誰ひとりとして、食事を楽しんでいない。電波少年は曲がりなりにも芸人、タレントがやらされるので賛否あるもののまだバラエティになっていると思うのだが、仲間内の悪ふざけを見せられた上、安い本とはいえ(100P超で500円)、金を取るのだ。それも、少なからず命を殺生している食事をダシにしてだ。これは気分悪い以外の何者でもない。怒りを通り越して、悲しくすらある。
どうも30歳以下と若い人たちが中心メンバーのようだが、垣間見られる部分から推測するに、東大卒とか、皆、高学歴の連中のようだ。そこから大手出版社の編集に務めている仲間が集まっているような感じなのだが、そういう人らがこういう低能極まりない戯言をして喜んでいるというのがもうサモしくて仕方ない。
ここには、食べ物に対する、ひいては生き物に対する慈しみの気持ちは皆無だ。自分がB級グルメブログをやる上で、一番神経を使っている部分で、敬愛している多くのB級グルメブロガーも皆そうだろう。敢えて大上段に掲げずとも、そうした愛が、行間から滲み出ている。
別に、そんな大げさなことではなく、食べ物に向かう上で当たり前のことだ。それがもうどこからも感じられない。有名人ゲストとしてサニーデイ・サービスの曽我部恵一の寄稿に加え、ZAZEN BOYSの向井秀徳と笹塚でラーメン屋食べながらのインタビューも掲載されているのだが、「うまい」とか「ごちそうさま」とかいう類の言葉は一切無く、地方を回るからラーメンはそこそこ食ってるといい、麺屋武蔵を例に上げ(伏字にはなってるが)、行列店というか「こだわっている」と目されがちな有名店を蔑むことで自分はわかってるとでも言いたげな、コンパでハッタリ薀蓄モドキで女子の気を引こうとする大学生レベルの発言だ。有名ラーメン店だって、全部が全部かしらんけど、有名になるまでは少なくとも、人知れず尋常ならざる努力をしてきたわけでさ、それこそ寝ないで、たかがラーメンと蔑まれ、毎日脂まみれになって肉体労働してきた人間に対してさ、なんでそういうこといえるかね? しかもコイツ、麺屋武蔵食ったことないっていうしね!
あ、フォローするわけじゃないけど、自分の本取り上げてくれた東川端っつー人もこの特集に参加してて、とんかつにまつわるエッセーのようなものなんだけど、唯一ある程度ちゃんと普段から数食ってて、金町の喝なんて渋いところも抑えてて知識があるのが垣間見れ、不快感なく読めた。B級グルメ特集にふさわしく、西新宿の豚珍館が名店としているのにも好感が持てた。
で、編集発行人である橋本なる人物も人を引きずり回すだけでなく、自ら北海道の屋台村を巡っているのだが、動機が不純で、B級グルメブームなどに便乗して、どーせヤッツケ的なことしてどうしょうもないことになってんだろ?というモンド趣味的な、上から目線で旅をしている。しかし現実は観光客を当て込まなくては生きていけない地方都市の厳しい現実を突き付けられ、それなりに思うところを覚える結果にはなるのだが、そこまで始めから頭が回らないというのは単にオメデタイ人なのか、文章の構成上、最初は無知を装っているのかは知らない。ただ一貫しているのは、店や食べ物に対するリスペクトがないという点。
特集冒頭の趣旨説明的なものにもあるのだが、確かに昨今のB級グルメブームをいぶかしがるのはわかる。自分もそうだから。大きな会場で大会が開かれ、大会目的ででっち上げたような即席ご当地グルメを、全くゆかりもない場所で、ご当地で供されているのとは違うスタイル(白い発泡スチロールみたいな容器に入れて)で、全部食べられないのに順位が決められ、1位の場所だけ賑やかしのように人が集中する。それも本当に昔からやっている店もあるが、即席ででっち上げた店や儲かるからと業態替えした素人同然の店が軒を連ねる。まだ町にお金が落ちればいいようなもので、客が高速のS.Aや道の駅で済ませ、町まで降りてこないで、結局町が衰弱しかねない。この茶番はなんなんだと。
でも、茶番で終わるかもしれないとわかりつつも、それにかけるしかないほど、地方は疲弊している。だからこの手のB級グルメ特集のテレビの追っかけレポートを見ると、切なくて悲しくて見ていられない。
これまで当ブログでご当地B級グルメの大会にまつわる記事をたぶん一度も書いてこなかったと思うのだが、こうした気持ちから、大会には行かないのでレポは書けないのと、意見を書いても文句しかでてこないし、書いたところでこうした大会に頼らざるをえない人々に対して失礼だと、邪魔してどーすんだという思いから、触れてこなかった。
そうした現実を肌で感じた上で、この橋本なる人物が本著を発行した意図が自分にはわからない。雑誌形式で続けてきて、原稿が集まったから発行しただけなのだろうが、ではそれは何のためにミニコミを作り続けるのか。これまでも、ある程度名の通ったライターの寄稿を集めるだけででっち上げたミニコミを見るにつけ、一般の流通に乗らない書籍として、わざわざ労力とお金をかけて、なんでこんなことをするのか、全く理解できないでいた。自分のハク付け程度しか思い浮かばない。
ついでにミニコミを作る立場としていえば、これだけ技術的にも十分そうな人材がありながら、昔のインクジェットプリンターから普通紙に出力したような文字で、なんで潰れてるっつーか、滲んでるっつーかしてんのかなぁと。奥付の印刷所を見ると、ポプルスというちゃんとキレイな本作れるところだから、印刷所の問題ではなさそう。ハーフトーンは綺麗に出てるし、文字がくっきり出てるところも一部ある。理由はわからないが、安いからってお金取るんだからもうちょっとちゃんと作ったほうがいいんじゃないかと。やれないんじゃなくて、やれるけどやってない気がするんだよなぁ。
そういった面でもどうかと思っちゃうし、兎にも角にも、少なくとも自分には、読んでて気分が悪いだけの1冊だった。散々ボロカス言ってきたが、あの屋台村の経験がある以上、別視点でのB級グルメ特集が生まれることを期待して、この冗長なる駄文を終えるとしよう。
この号に限って、拙著を紹介いただいた記事に倣うなら、今年読んだ本でブッチギリのワースト1だ。
一見、面白そうな企画に見えるのだが、内実はかなり電波少年式のムチャブリ企画で、オートスナックではほぼ拉致状態で高速バスに載せ、数時間自販機コーナーに軟禁状態で無理やりカップ麺等をひたすら食わせる。
レポートの殆どがこうした内容で、ほぼ、誰ひとりとして、食事を楽しんでいない。電波少年は曲がりなりにも芸人、タレントがやらされるので賛否あるもののまだバラエティになっていると思うのだが、仲間内の悪ふざけを見せられた上、安い本とはいえ(100P超で500円)、金を取るのだ。それも、少なからず命を殺生している食事をダシにしてだ。これは気分悪い以外の何者でもない。怒りを通り越して、悲しくすらある。
どうも30歳以下と若い人たちが中心メンバーのようだが、垣間見られる部分から推測するに、東大卒とか、皆、高学歴の連中のようだ。そこから大手出版社の編集に務めている仲間が集まっているような感じなのだが、そういう人らがこういう低能極まりない戯言をして喜んでいるというのがもうサモしくて仕方ない。
ここには、食べ物に対する、ひいては生き物に対する慈しみの気持ちは皆無だ。自分がB級グルメブログをやる上で、一番神経を使っている部分で、敬愛している多くのB級グルメブロガーも皆そうだろう。敢えて大上段に掲げずとも、そうした愛が、行間から滲み出ている。
別に、そんな大げさなことではなく、食べ物に向かう上で当たり前のことだ。それがもうどこからも感じられない。有名人ゲストとしてサニーデイ・サービスの曽我部恵一の寄稿に加え、ZAZEN BOYSの向井秀徳と笹塚でラーメン屋食べながらのインタビューも掲載されているのだが、「うまい」とか「ごちそうさま」とかいう類の言葉は一切無く、地方を回るからラーメンはそこそこ食ってるといい、麺屋武蔵を例に上げ(伏字にはなってるが)、行列店というか「こだわっている」と目されがちな有名店を蔑むことで自分はわかってるとでも言いたげな、コンパでハッタリ薀蓄モドキで女子の気を引こうとする大学生レベルの発言だ。有名ラーメン店だって、全部が全部かしらんけど、有名になるまでは少なくとも、人知れず尋常ならざる努力をしてきたわけでさ、それこそ寝ないで、たかがラーメンと蔑まれ、毎日脂まみれになって肉体労働してきた人間に対してさ、なんでそういうこといえるかね? しかもコイツ、麺屋武蔵食ったことないっていうしね!
あ、フォローするわけじゃないけど、自分の本取り上げてくれた東川端っつー人もこの特集に参加してて、とんかつにまつわるエッセーのようなものなんだけど、唯一ある程度ちゃんと普段から数食ってて、金町の喝なんて渋いところも抑えてて知識があるのが垣間見れ、不快感なく読めた。B級グルメ特集にふさわしく、西新宿の豚珍館が名店としているのにも好感が持てた。
で、編集発行人である橋本なる人物も人を引きずり回すだけでなく、自ら北海道の屋台村を巡っているのだが、動機が不純で、B級グルメブームなどに便乗して、どーせヤッツケ的なことしてどうしょうもないことになってんだろ?というモンド趣味的な、上から目線で旅をしている。しかし現実は観光客を当て込まなくては生きていけない地方都市の厳しい現実を突き付けられ、それなりに思うところを覚える結果にはなるのだが、そこまで始めから頭が回らないというのは単にオメデタイ人なのか、文章の構成上、最初は無知を装っているのかは知らない。ただ一貫しているのは、店や食べ物に対するリスペクトがないという点。
特集冒頭の趣旨説明的なものにもあるのだが、確かに昨今のB級グルメブームをいぶかしがるのはわかる。自分もそうだから。大きな会場で大会が開かれ、大会目的ででっち上げたような即席ご当地グルメを、全くゆかりもない場所で、ご当地で供されているのとは違うスタイル(白い発泡スチロールみたいな容器に入れて)で、全部食べられないのに順位が決められ、1位の場所だけ賑やかしのように人が集中する。それも本当に昔からやっている店もあるが、即席ででっち上げた店や儲かるからと業態替えした素人同然の店が軒を連ねる。まだ町にお金が落ちればいいようなもので、客が高速のS.Aや道の駅で済ませ、町まで降りてこないで、結局町が衰弱しかねない。この茶番はなんなんだと。
でも、茶番で終わるかもしれないとわかりつつも、それにかけるしかないほど、地方は疲弊している。だからこの手のB級グルメ特集のテレビの追っかけレポートを見ると、切なくて悲しくて見ていられない。
これまで当ブログでご当地B級グルメの大会にまつわる記事をたぶん一度も書いてこなかったと思うのだが、こうした気持ちから、大会には行かないのでレポは書けないのと、意見を書いても文句しかでてこないし、書いたところでこうした大会に頼らざるをえない人々に対して失礼だと、邪魔してどーすんだという思いから、触れてこなかった。
そうした現実を肌で感じた上で、この橋本なる人物が本著を発行した意図が自分にはわからない。雑誌形式で続けてきて、原稿が集まったから発行しただけなのだろうが、ではそれは何のためにミニコミを作り続けるのか。これまでも、ある程度名の通ったライターの寄稿を集めるだけででっち上げたミニコミを見るにつけ、一般の流通に乗らない書籍として、わざわざ労力とお金をかけて、なんでこんなことをするのか、全く理解できないでいた。自分のハク付け程度しか思い浮かばない。
ついでにミニコミを作る立場としていえば、これだけ技術的にも十分そうな人材がありながら、昔のインクジェットプリンターから普通紙に出力したような文字で、なんで潰れてるっつーか、滲んでるっつーかしてんのかなぁと。奥付の印刷所を見ると、ポプルスというちゃんとキレイな本作れるところだから、印刷所の問題ではなさそう。ハーフトーンは綺麗に出てるし、文字がくっきり出てるところも一部ある。理由はわからないが、安いからってお金取るんだからもうちょっとちゃんと作ったほうがいいんじゃないかと。やれないんじゃなくて、やれるけどやってない気がするんだよなぁ。
そういった面でもどうかと思っちゃうし、兎にも角にも、少なくとも自分には、読んでて気分が悪いだけの1冊だった。散々ボロカス言ってきたが、あの屋台村の経験がある以上、別視点でのB級グルメ特集が生まれることを期待して、この冗長なる駄文を終えるとしよう。
この号に限って、拙著を紹介いただいた記事に倣うなら、今年読んだ本でブッチギリのワースト1だ。
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