ブログネタ
良き 居酒屋・呑み屋 に参加中!
前回金町に触れたので【せきぐちラーメン末広店】、金町ついでにココは触れない訳にはいかないでしょ。

毎年年末に家人と細やかに忘年会を催しているのだが、その約1年くらいの間に行った店の中で、ここで1年を〆たい!と思った店に行くようにしている。12年末に振り返った時、1も2もなく思い起こされたのがコチラだった。
拙ミニコミ同人誌11年冬号『団地団地レボリューション!』【詳細】(あ、そうそう、amazonでも取扱い開始してます【amazon】)の中の金町巡りで、酒場が開き始める夕方には少し早い時間、唯一暖簾を出しており、たまたま入ったのだが、シンプルな佇まいと、さらに想像の上を行く店内の潔いまでに無駄のない品々に味、調度、それら全てから醸し出される雰囲気に、すっかり虜になってしまった。
詳細は本誌に譲るとして、ここでは昨年末の再訪時に食したものを中心に記録しておこう。

所は駅近く。再開発にポッツリ取り残された場所。以前UPした名喫茶テンダリー【過去記事】の裏手といえばいいかな。路地の並びには有名であり違う意味での超名店大力酒造がある。
外観@ゑびす
あまり大っぴらに公表したくないので、場所は各自調べて下さい(つーか地図リンクしてあるけどね^^;)。

入口@ゑびすゑびす【食べログ】
★★★★★★★★★★ 何も足さない何も引かない
所在地:東京都葛飾区金町6-8-7【スポットノート】
15:00〜21:30 日祝休

藍に白く染め抜かれた屋号のみの暖簾がもうシンプル過ぎてカッコイイ。入ると10席ない位のコの字カウンターが、オレンジの仄明かりに包まれて浮かび上がる。
この日は先客がおらず、家族経営と思しき従業員全員が客席でテレビを見ていた。この店はシンプルと言えどもテレビもなにもない、本当に酒を呑むだけの全てが削ぎ落とされたシンプルさとは違い、テレビも2〜3人客の談笑も聞こえてくるのだが、そうしたユルさのなかにどこか過度な言動を許さない、ピンと張った心地良い空気が張り詰めているような気がするのだ。基本一人客が多いのもあるが、後から来た二人連れも喋っていても騒がず、皆キレイに飲んでいる。
内観@ゑびす
旦那さんはツマミ類の注文が入ると厨房に消え、カウンター内にはオバアちゃんが残る。客に合わせてサッとスポーツ新聞を出したり、ちょっと離れた位置に陣取ったりと、細やかな心配りを見せてくれる。

ウィスキーハイボール@ゑびすまずはそのバアちゃんが作ってくれるウィスキー・ハイボール¥300で乾杯。
しっかりサントリー角が香る一杯なのは当然とはいえ、この唇に触れる感じが艶かしい程の薄造りのグラスにオバアちゃんがその都度クラッシュしてくれる純氷(たぶん絶対そうだと思う…って日本語としておかしいが)で飲むとスッキリとして炭酸もシャープに感じ、もうグンバツにウマイ! ハイボール酒場などでは、ハイボールタワーでサントリーが推奨する黄金比で簡単に作れるマシンがあったりするけど、こういうのには敵わないっすよ。
ノーマル酎ハイ¥250はエキスの入らない純然たる焼酎のソーダ割りで、オプションでレモン汁や梅干しを自分で足して飲む。これも悪くないが、ウィスキー割の妙にハマると自然とそればかりのヘビロテに入ってしまう。

これに合わせるのが、コチラの最強のアテ、肉豆腐¥400!
肉豆腐@ゑびす
どうよこの濃く煮詰めた色味!見ただけで間違いないでしょ。
甘く、しかもビターに醤油が香る一品。これに肉の脂身が溶けこんで舌触り滑らかなタレに出来上がっている。また飴色の玉ネギがシンナリと煮こまれていつつも若干のシャキシャキ感と苦味を残していているから、このタレに合わないわけがない。
この店の肴は全てそうなのだが、頼んでもスグに出てこない。必ずといっていいほど、なにか一仕事加えられている。この肉豆腐も作りっぱなしでただよそうのではなく、恐らく下ごしらえしたものをその都度煮込んで作ってるのではないだろうか。だからこの肉の柔らかさ、玉ネギの適度なシンナリ具合が保たれている気がする。

生白魚¥300もちょっと時間かかる。
生白魚@ゑびす
透き通ったキレイな白魚で、プチッとした食感が心地いい。
ししとう¥300もやや甘辛いタレとの相性バツグン。
ししとう@ゑびす
比内地鶏ハツ串焼き¥380
ハツ@ゑびす
シッカリ焼かれていつつも中はホクホクで、しっとり感はあっても水っぽさは皆無!
どれも派手さはなく、フツーと言われればフツーかもしれないが、確かな手仕事の丁寧さをどれにも感じるのは自分だけだろうか。
こういう風に書くと、どれほどの物かと逐一探ってはあーだこーだと点を付けて宣う野暮天がいるのがウザったい。そういう輩は本当に来なくていいです。こういうのが身にしみてシミジミ来る人、そういう人だけ来て下さい。

ともあれ〆は前回ハマった、大好物のチキンカツ¥400を頼まずにいられない。
チキンカツ@ゑびす
衣が超クリスピーーーーーーーーーーーーーッ!!
これまたしっとりでいてホクホクのさっぱり肉厚チキンに、サクサク衣が実に軽ぅ〜〜〜く揚がっている。自家製ポテサラもついてこの値段って、本当にいいのだろうか。

申し訳なくなるほど丁寧に見送られ、恐縮しながら外に出ると、ピンと張った冬の空気が、頭がボーっとして夢でも見ていたような心地だったことを思い出させてくれる。アルコールのせいもあるだろうが、それだけではないはずだ。
これだけ飲んで食べて一人1500円チョットとは。気づけば隣の大力酒造もオープンしている。こちらも既訪だが、ゑびすとは真逆の魅力があるステキ空間。いずれレポートをUPしたい。
他に数軒の酒場に訪れているが、どこもそれぞれに個性的で実に素晴らしかった。嘗て三菱のガスと製紙の工場で賑わった街。その頃の労働者に愛された数々の酒場も、再開発で少なくなってきている。しかしまだ相当の数が現存しているので、あるうちに出来る限り訪問して行きたい。
というわけで、今回もシビレた。参った。美味しゅうございました。ご馳走様でした。

ゑびす ( 京成金町 / 居酒屋 )
★★★★★5.0
supported by ロケタッチグルメ

ブロぐるめ! 食べ歩きポータル ←1日1回クリックしてくれたらHAPPY直前!