今度の土曜8/13、コミケC100へ持ち込む新刊が完成した。というわけで、ポテト焼きそばとは何ぞや!?という方に、過去にUPした記事を再投稿してみやす。
内容は、ポテト入り焼きそば(ほぼ)オンリー本で、5年以上越しの企画がいよいよ花開いた。
ということなので、個人的な感慨はハンパないのだが、これまでなかった本だと思うので、よかったら手に取ってもらいたい。
現在、【直通販】受付中
冒頭で、5年以上前から企画していたことを書いてるので、本当にやろうとしてたんだという証拠の意味も兼ねて、どぞ。
-----------------------
今年は本当なら、夏にかけて群馬県の太田市を中心に、ポテト入り焼きそばの店を巡って、本にまとめる予定でいた。
しかし自店の移転やら何やらと重なり早々に企画変更せざるを得なくなったわけだが、昨年からチョットずつ準備には入っていた。その時巡った店は本が出来るまでお蔵入りにしておくつもりだったが、いつ出せるか分からないし、それまでに記憶が怪しくなってしまうので(正直いまでも少々怪しい^^;)、ここらで小出しにしていくことに。
これまで『大ぼったら』『だがしめし』と、粉モノ系駄菓子メシを巡ってきたが、分けても北関東、行田のフライ、深谷や伊勢崎のもんじゃに行った際、焼きそばを出している駄菓子屋を多く見かけて、とても気になった。
自分が生まれ育った川口では、ぼったらこと駄菓子もんじゃはあっても、焼きそばは中華屋や土曜の昼に家で食べるもんで、駄菓子という頭がないで育った。しかし過去取り上げた中では川越には太麺焼きそばという駄菓子文化があるし、かの富士宮焼きそばも元々は駄菓子屋で供されていると最近知った。
となると俄然興味が湧いてくるもので、調べていくと群馬には焼きそば文化が根付いており、同時にイモフライも同エリア(群馬県南東部〜栃木南部にかけてが主で埼玉北部にも及んでいる)で食べられていて(正月に佐野厄除け大師に行った時、佐野ラーメンの前に食べた【過去記事】)、特に群馬県太田市の太田焼きそばは、富士宮と並んで日本3大焼きそばの一つとなっているらしい。これらには焼きそばとイモフライが合体したようなメニューも多く存在する。これは行くしかないでしょ!
熊谷からバスで太田入り。病院裏のバス停で降りると、目の前は田んぼしか見えない。少し歩くと、大きめの民家とともに公営住宅っぽい平屋が見えてくる。元農家とか多そうで、それと近隣の工場に勤める人向けに建てたっぽい集合住宅(近くにはスバルの工場があり、こうした郊外の工場が多い)といったところか。
嘗ての水路だろうか、道はややウネウネと蛇行し、車通りを越えた先、灯油とか売ってるタバコ屋売店が目に飛び込んだ来た。


とちぎ屋【食べログ】
★★★☆ 3.3
所在地:群馬県太田市飯塚町860-5
紹介サイト:上州太田焼きそばのれん会
どうもここで焼きそばを売ってるらしい。確かに看板には「焼きそば.ポテト」と書かれている。
近づいてみると、餃子のテイクアウト窓口のようなアルミのサッシ窓がある。ここから嘗ては買えたのだろうが、今は機能してる様子が窺えない。
ただ、窓から見える内部では焼きそばを焼く鉄板等の設備が見える。取り敢えず入ってみんべと入口をガラガラっと開ける。中は完全なナンデモヤの雰囲気。コンビニが出来る前はこういうところで取り敢えずの日用品は買えて、お菓子やジュース以外に、チリトリとかタワシとか売っていたものだが。コチラ今は棚は残ってるものの、売り物は殆どなく、灯油の販売はしている様子。
先の持ち帰りコーナーの方を見やると、手書きで焼きそばにポテトフライと書かれたメニューが貼られていた。すると、厨房らしきところの奥からオバちゃん登場(先にリンクしたのれん会のページに出てる方)。ポテトフライはもう終わりだよと告げられる。焼きそばを求めたい旨を伝えると、小・中・大?と聞かれ、サイズを申告すると、徐ろにクーラボックスのような大きな箱の蓋を開け、中から取り出したパック入りの包みを手渡された。売店には食べられるテーブルはなさそうだし、ここは完全にテイクアウトのみなのだなと理解し、お代を払って兎に角店を出ることに。
てっきり中で食えるもんだと思いこんでいたのでアテが外れてしまった。そういえば、さっき横切った車通り沿いが遊歩道みたいになってたなと思い出し踵を返す。
車通りに戻ると、確かに歩道は大きく取られ、花壇のようになった緑の空間にベンチが設えてある。ココで食おっと。
焼きそば小¥250!

昔、肉屋の惣菜が入ってた油紙のような薄い更紙的包みを解くと、輪ゴムの掛けられた透明パックが現れた。そこに焼きそばがミチミチに入っている。色が黒っぽく、ソースが濃そう。
パチっと手に当たらないように開けると、青のりの掛かった典型的なソース焼きそばがお見え。

焼きそばの間から、大きめのジャガも窺える。

早速頂くと、うん、見た目通り典型的なソース焼きそば。方向性としてはテキ屋の味。のれん会のHPにあるように、セイロで蒸した中細麺はやや柔らかめで、慣れ親しんだ食感。手作りというやや濃いめながらクセのないソースが実によく馴染んでいる。関東の一般的な中濃ソースに近い味と濃さ。若干オイリーかな。
ポテトはやや大きくスライスされたのが数切れ、焼きそばに埋もれているのとパックされ暫く置かれていたこともあって、蒸されたような状態にシナッている。これが逆に味を吸って、表面はやきそばにも馴染んでソース味になって美味しい。食感はホクっというより若干シャリめだったかと。多分コレは揚がってんじゃなくて切ったのを炒めたモノだと思うんで、フライは別に食べてみたかったが、まぁイモが食えたんで良しとしましょ。にしても、この辺はフツーにイモが偏在するイモ文化だなと、こういうところからも再認識させられる。
イモも手伝って、小でも思ったより満足感ある。焼きそば自体にこれという特徴や、この店ならではの個性は感じられなかったが、チョットした小間物や灯油入れに来るついでに、おやつ代わりに買って食べるには丁度いい量・値段・味ということなのだろう。だから、飲食店的な体を保つ必要がなく、家でノンビリ食べるから、イートインは根付いていないのかもしれないなと思った。
にしても、道路脇で食うのはチョット勇気がいる。こういう郊外に来たことある人ならわかると思うが、車文化圏だからそもそも歩いている人がいない。すれ違うのは学校帰りのチャリの高校生くらい。歩いてるだけでも浮いてしまうのに、道端で焼きそば食ってたらかなりの変人だ。落ち着かないし、通報される前に帰るべと、とっとと食って足早にその場を去るのだった。
遠征には厳しい環境だが、その分、地域密着の店で食べられた気がする。うん、フツーに美味しかった。ごちそうさまです。
さて、折角来たんでもう数軒巡りますか。

(初出:2016/09/26「とちぎ屋@太田〜ナンデモヤ的売店で焼きそばを買う」)
コメント
コメント一覧 (4)
ただ、佐野ラーメンはどうも引きが弱く、未訪です。
前身はあの「美春」の支店でしたが、こちらも未訪でした。
西山麺が苦手で(笑)
現地以外の佐野ラーメン店でいもフライがあるってのは、なかなかにガチですねー!!
佐野ラーメンは、ダシをかなりちゃんと取ってる店もあるので、そういうところだと物足りなさはないんですけどね。。。
前身は「美春」の支店だったんですか!?
西山麺、とんと食べてないので、久々に恋しくなりました(^^ゞ
という凄いランチセットがあるみたいなので、チャレンジしてみます。
ぜひ。レポ楽しみにしてます!