先日の川口市でトーク&スライドのイベント、無事(?)終了しました。
それと、夏新刊の限定本直通販も終了しました。ありがとうございました!
噂の東京マガジンやタモリ倶楽部などでも取り上げられ、風俗街から変貌した中華街として認知されつつある西川口(間のB級グルメタウン構想はゴッソリ忘れ去られているが^^;)。
以前から西川口駅周辺には大陸系の中華店や食材店は見かけていたし、隣駅の蕨近く(蕨といっても駅周辺の半分は川口市なんだけど)にある芝園団地は入居者の大半が大陸系などの非日本人とは聞いていたので、大陸系中華店が増えて中華街化していると耳にしてもまぁそうなるだろうなと想像は出来た。
実際は思った以上の侵食ぶりだったわけだが、それは単に嘗ての風俗店のテナントが中華屋に変わっただけには留まらず、コチラの予想を遥かに上回る展開を見せていた。それが、吉時餃子だ!
ミニコミ新刊を納品に新宿二丁目の模索舎に訪れた際、店員のE氏から最近こんなのあるけど読んだ?的にススメられた本に、『毛友録』があった。
パッと見て、大陸系の中華店を巡った食レポ本と分かったが、この切り口はそろそろ出てくるだろうなと思っていて、しかも内容的にも中国に造詣のある人間が書いているので資料的にも読み物としても充実しているので、速攻で購入した。実はこういう本、作ってみればと勧められたことがあるのだが、自分には知識もないので出来ない領域と諦めていた。それが形になって目の前にあることが正直嬉しかった。やってくれたなと。
池袋のチャイナタウン化は言われるようになって久しいが、移り変わりもある場所なので、そういう点を丁寧にレポートされているし、アメ横ビルや東上野は言うに及ばず、大阪まで抑えてあるが、中でも目を引いたのは西川口であり、吉時餃子だった。
なんでそこまで吉時餃子に衝撃を受けたのか・・・それは、子供時分に散々屋上のゲームコーナーに出向き、

(現在は封鎖されている屋上へと上がる階段)
1Fのフライドチキンのファストフード的売店チキニーズやポッポといったフードコート、さらには向かいのローカル餃子チェーンミスターギョウザに至るまで、食と遊びという子供の欲求を満たしてくれたあの、イトーヨーカ堂(現ザ・プライス)の中で営業しているというのだ。

吉時餃子 ザ・プライス西川口店【食べログ】
★★★★★ 5.0
所在地:埼玉県川口市西川口2-3-5
正面の左手入口から入ってスグ、食料品売場の向かいに本当にポッポみたいな感じで、当たり前のように営業していた。よく、ソフトクリームやたこ焼きといった写真つきのメニューが掲げられている頭上部分には、蒸餃子や焼餃子のメニューのパネルになっている。

これだけなら別にフツーの日式中華店でもありそうだが、カウンターに置かれた惣菜には、チャーハン¥200など見慣れたものもあるが、大餡韮菜??とか読めない値札がチラホラ。

店の奥の方に向かうと、滝の風景画のような大陸系らしい壁紙が貼られたテーブル席が配された空間が。

そっちのほうの頭上メニューには回鍋肉とか麻婆豆腐など馴染み深い品々が日本語で掲示されている。多分、目につく部分で日本人にアピールしようとしているのだろう。しかしこれまたカウンターに貼られたメニューには、麺と具を数種類あるものから選んで組み合わせるセットがあり、これがところどころ日本語でも書かれているのだけど、そもそも何の料理なのかがわからない。
ともあれ気になるものを食べてみようと、厨房のほうを覗くと、中国人らしき男性店員が出てきた。頭上にあったエビと野菜が入った三鮮蒸し餃子とかいうのをまず頼み、次いでカウンターにあったデカくて丸い葱油餅を指差し、1つと人差し指で告げた。先のミニコミ誌でも日本語が通じるとあったので、ここまではスムーズにいったが、ここからが大変。
折角こういう店に来たのでチャレンジングなメニューを攻めねばと、2本で500円と他の異様に安いメニューに比べ少々値が張ったが、レジ近くに掲げられて「鴨脖」と書かれたソーセージのような細長い肉の写真を指さした。

すると店員、ちょっと驚いた様子で、自分の首を指で撫で始めた。恐らく、首肉だけど大丈夫か?と言いたいらしい。実は首肉を食べるのがファストフード的に流行っているというのを聞いたことがあるので、その類じゃないかなぁと薄々感じていた。何の首肉かしらんけど。何にしてもこちらとしては無問題。食べてみたいんで、OKOKと手で合図すると、1本?とさらに聞いてくる。初めてなので1本で頼めるならと1本でお願いする。
さて最後に飲み物。頭上のメニューにプレミアムディフローストなる謎のドリンクが書かれていたので、それを注文にすると、オマエは何を言っているんだ?とばかりのリアクション。上に書いてあるとジェスチャーするも通じないので、差し出されたソフトドリンクの一覧から烏龍茶を注文。
会計を済まし、適当に空いてるテーブル席に着くと、もうひとり厨房に女性が現れて、二人で調理に入った。暫く掛かりそうなので、周囲の様子を伺いながら待つことに。
15時近くという中途半端な時間ながら、ポツポツと客がやってくる。テイクアウトの惣菜を買って帰る女性もいれば、子連れの複数人客もいる。これだけみればフツーのフードコート的光景なのだが、どうも話し声を聞くと日本語ではなさそう。よくよく見てみると、確信は持てないが、スーパーの買い物客自体が殆ど日本人ではなさそうだ。確かにプライスはイトーヨーカ堂のディスカウントバージョンのような店なので、大量買いには向いてるから、仕入れ客や家族の多い向こうの方々には好都合な店かもしれない。にしても、中華店以外にもこういうところにまで多く集まっているとは。本当に中国人街の様相を呈しているのだなと、まざまざと見せつけられた気がした。
そんなんを見ていると、突如遠くの方から何やら声が聞こえる。どうも自分を呼んでいるらしい。料理が出来たようだ。
受け渡し口に向かうと、大きなトレーに載せられたものを見て、目を見張った。

さっきカウンター上で見た葱油餅¥139+税、目の前で見るとさらにデカい。それに首肉、切られて出てきた。ビニール手袋付きで。これでどーすんの??

まず葱油餅。葱って書いてあるから、パイ生地みたいなのにネギが沢山挟まって揚がっているのかと思いきや、ネギほんのチョット。

月餅みたいな生地なのかと思ったが、中は土産物でよくある白あんの和菓子みたいなのを硬めにした感じ。菓子的に甘くはないけど、ちょっと甘い方向の味。もっと中身の味は「おやき」っぽいの想像していたが、味があるのかないのか、食べててよく分からない。でもまぁ不味くはない。こういう食べ物だと思えば少々油っこいがフツーに食べられる。
で、問題の首肉「鴨脖」。

よく食べ方も分からないので、とりあえず箸でつまんで食べてみる。すると骨の所が殆どで、スジのような身の部分は殆どない。時折骨の破片が砕けるが、軟骨のようにポリポリ食べられるわけでもなく、少し身をカジッただけで、殆どがゴミとなってしまった。

いや、コレ絶対もっと食べられる食べ方があるはずだ。と、目についたのがビニール手袋。まさかとは思ったが、片手に手袋をはめて鴨脖をつまみ、食べてみるとこれがさっきより全然身が食べられる! ウソ!? 理屈がさっぱり解らないが、とにかく肉を食べられるのだからこうやって食べるしかない。味はおつまみサラミ的な、濃いめの醤油っぽいしょっぱさのあるタレが効いており、おやつというより完全にツマミ。ビールに合うと思う。
後で調べたら鴨の首肉らしい。湖北料理の武漢料理で「ヤー・ボー」と読むそうだ。
後から遅れて蒸し餃子も到着。

水餃子とどう違うのかよく分からないが、皮が厚めでムチッとして粘る。肉汁はスパークするほどではないがしっかりあって、エビの甘みと、青野菜の香りと適度な苦味が肉の甘味とが相まって、これは日本人でも抵抗なく食べられる。

よく知ってる味というか。また大きさも大きすぎず小ぶりでもないちょうど良さで、6個315円程度で軽くツマめる割に満足感もある。
本当は肉パンとかも行きたかったが、全部食うと意外にボリューミーで(葱油餅のウエイトが大きいのだが)、かなりお腹いっぱい。
最後に奥の返却口にトレーを返し、厨房にいるお二人に「美味しかった」と親指を立てたところ、スゲーにこやかな笑みで「ありがとうございました」と返してくれた。
なんだか、中国語も分からずに旅行者が現地食の強いメシ屋にアタックしたようなレポになったが、西川口もそんなヴァーチャルトリップが魅力な街になったんだと思うと、感慨深い。
いやはや、これは超楽しい食事。いいっすよ、ウマシ! ごちそうさまでした〜
←クリック戴けると狂喜します
イベントの詳細は刈部山本活動ブログまで→【8/30(木)スライドトークショー@川口】
有料にもかかわらず、70人もの方が来て下さり、感謝の言葉もありません。想像以上に自分世代以上の方が多く、しょーもないネタのオンパレードなので大丈夫か心配になりましたが、笑いも取れて概ね好評だったようで、ひと安心といったところです。本当にありがとうございましたm(_ _)m
それと、夏新刊の限定本直通販も終了しました。ありがとうございました!
というわけで、トークショーで喋ろうと思い事前にリサーチかけたのにタイムアップで紹介できなかった西川口の中華ネタをUPしときやす。…オフセット新刊『裏板橋メシ屋道中記・東地区篇』【詳細ページ】は引き続き通販受け付けいてます。
委託先にも納品中です。ミニコミ専門店やジュンク・書泉といった大型書店には納品済みです。予定より同人ショップ系の納品が遅れていますが(ZINには納入済みです)、今月上旬には完了させますので、少々お待ち下さい。順次【委託先在庫一覧】を更新していますので、参照下さい。
噂の東京マガジンやタモリ倶楽部などでも取り上げられ、風俗街から変貌した中華街として認知されつつある西川口(間のB級グルメタウン構想はゴッソリ忘れ去られているが^^;)。
以前から西川口駅周辺には大陸系の中華店や食材店は見かけていたし、隣駅の蕨近く(蕨といっても駅周辺の半分は川口市なんだけど)にある芝園団地は入居者の大半が大陸系などの非日本人とは聞いていたので、大陸系中華店が増えて中華街化していると耳にしてもまぁそうなるだろうなと想像は出来た。
実際は思った以上の侵食ぶりだったわけだが、それは単に嘗ての風俗店のテナントが中華屋に変わっただけには留まらず、コチラの予想を遥かに上回る展開を見せていた。それが、吉時餃子だ!
ミニコミ新刊を納品に新宿二丁目の模索舎に訪れた際、店員のE氏から最近こんなのあるけど読んだ?的にススメられた本に、『毛友録』があった。
パッと見て、大陸系の中華店を巡った食レポ本と分かったが、この切り口はそろそろ出てくるだろうなと思っていて、しかも内容的にも中国に造詣のある人間が書いているので資料的にも読み物としても充実しているので、速攻で購入した。実はこういう本、作ってみればと勧められたことがあるのだが、自分には知識もないので出来ない領域と諦めていた。それが形になって目の前にあることが正直嬉しかった。やってくれたなと。
池袋のチャイナタウン化は言われるようになって久しいが、移り変わりもある場所なので、そういう点を丁寧にレポートされているし、アメ横ビルや東上野は言うに及ばず、大阪まで抑えてあるが、中でも目を引いたのは西川口であり、吉時餃子だった。
なんでそこまで吉時餃子に衝撃を受けたのか・・・それは、子供時分に散々屋上のゲームコーナーに出向き、

(現在は封鎖されている屋上へと上がる階段)
1Fのフライドチキンのファストフード的売店チキニーズやポッポといったフードコート、さらには向かいのローカル餃子チェーンミスターギョウザに至るまで、食と遊びという子供の欲求を満たしてくれたあの、イトーヨーカ堂(現ザ・プライス)の中で営業しているというのだ。

吉時餃子 ザ・プライス西川口店【食べログ】
★★★★★ 5.0
所在地:埼玉県川口市西川口2-3-5
正面の左手入口から入ってスグ、食料品売場の向かいに本当にポッポみたいな感じで、当たり前のように営業していた。よく、ソフトクリームやたこ焼きといった写真つきのメニューが掲げられている頭上部分には、蒸餃子や焼餃子のメニューのパネルになっている。

これだけなら別にフツーの日式中華店でもありそうだが、カウンターに置かれた惣菜には、チャーハン¥200など見慣れたものもあるが、大餡韮菜??とか読めない値札がチラホラ。

店の奥の方に向かうと、滝の風景画のような大陸系らしい壁紙が貼られたテーブル席が配された空間が。

そっちのほうの頭上メニューには回鍋肉とか麻婆豆腐など馴染み深い品々が日本語で掲示されている。多分、目につく部分で日本人にアピールしようとしているのだろう。しかしこれまたカウンターに貼られたメニューには、麺と具を数種類あるものから選んで組み合わせるセットがあり、これがところどころ日本語でも書かれているのだけど、そもそも何の料理なのかがわからない。
ともあれ気になるものを食べてみようと、厨房のほうを覗くと、中国人らしき男性店員が出てきた。頭上にあったエビと野菜が入った三鮮蒸し餃子とかいうのをまず頼み、次いでカウンターにあったデカくて丸い葱油餅を指差し、1つと人差し指で告げた。先のミニコミ誌でも日本語が通じるとあったので、ここまではスムーズにいったが、ここからが大変。
折角こういう店に来たのでチャレンジングなメニューを攻めねばと、2本で500円と他の異様に安いメニューに比べ少々値が張ったが、レジ近くに掲げられて「鴨脖」と書かれたソーセージのような細長い肉の写真を指さした。

すると店員、ちょっと驚いた様子で、自分の首を指で撫で始めた。恐らく、首肉だけど大丈夫か?と言いたいらしい。実は首肉を食べるのがファストフード的に流行っているというのを聞いたことがあるので、その類じゃないかなぁと薄々感じていた。何の首肉かしらんけど。何にしてもこちらとしては無問題。食べてみたいんで、OKOKと手で合図すると、1本?とさらに聞いてくる。初めてなので1本で頼めるならと1本でお願いする。
さて最後に飲み物。頭上のメニューにプレミアムディフローストなる謎のドリンクが書かれていたので、それを注文にすると、オマエは何を言っているんだ?とばかりのリアクション。上に書いてあるとジェスチャーするも通じないので、差し出されたソフトドリンクの一覧から烏龍茶を注文。
会計を済まし、適当に空いてるテーブル席に着くと、もうひとり厨房に女性が現れて、二人で調理に入った。暫く掛かりそうなので、周囲の様子を伺いながら待つことに。
15時近くという中途半端な時間ながら、ポツポツと客がやってくる。テイクアウトの惣菜を買って帰る女性もいれば、子連れの複数人客もいる。これだけみればフツーのフードコート的光景なのだが、どうも話し声を聞くと日本語ではなさそう。よくよく見てみると、確信は持てないが、スーパーの買い物客自体が殆ど日本人ではなさそうだ。確かにプライスはイトーヨーカ堂のディスカウントバージョンのような店なので、大量買いには向いてるから、仕入れ客や家族の多い向こうの方々には好都合な店かもしれない。にしても、中華店以外にもこういうところにまで多く集まっているとは。本当に中国人街の様相を呈しているのだなと、まざまざと見せつけられた気がした。
そんなんを見ていると、突如遠くの方から何やら声が聞こえる。どうも自分を呼んでいるらしい。料理が出来たようだ。
受け渡し口に向かうと、大きなトレーに載せられたものを見て、目を見張った。

さっきカウンター上で見た葱油餅¥139+税、目の前で見るとさらにデカい。それに首肉、切られて出てきた。ビニール手袋付きで。これでどーすんの??

まず葱油餅。葱って書いてあるから、パイ生地みたいなのにネギが沢山挟まって揚がっているのかと思いきや、ネギほんのチョット。

月餅みたいな生地なのかと思ったが、中は土産物でよくある白あんの和菓子みたいなのを硬めにした感じ。菓子的に甘くはないけど、ちょっと甘い方向の味。もっと中身の味は「おやき」っぽいの想像していたが、味があるのかないのか、食べててよく分からない。でもまぁ不味くはない。こういう食べ物だと思えば少々油っこいがフツーに食べられる。
で、問題の首肉「鴨脖」。

よく食べ方も分からないので、とりあえず箸でつまんで食べてみる。すると骨の所が殆どで、スジのような身の部分は殆どない。時折骨の破片が砕けるが、軟骨のようにポリポリ食べられるわけでもなく、少し身をカジッただけで、殆どがゴミとなってしまった。

いや、コレ絶対もっと食べられる食べ方があるはずだ。と、目についたのがビニール手袋。まさかとは思ったが、片手に手袋をはめて鴨脖をつまみ、食べてみるとこれがさっきより全然身が食べられる! ウソ!? 理屈がさっぱり解らないが、とにかく肉を食べられるのだからこうやって食べるしかない。味はおつまみサラミ的な、濃いめの醤油っぽいしょっぱさのあるタレが効いており、おやつというより完全にツマミ。ビールに合うと思う。
後で調べたら鴨の首肉らしい。湖北料理の武漢料理で「ヤー・ボー」と読むそうだ。
後から遅れて蒸し餃子も到着。

水餃子とどう違うのかよく分からないが、皮が厚めでムチッとして粘る。肉汁はスパークするほどではないがしっかりあって、エビの甘みと、青野菜の香りと適度な苦味が肉の甘味とが相まって、これは日本人でも抵抗なく食べられる。

よく知ってる味というか。また大きさも大きすぎず小ぶりでもないちょうど良さで、6個315円程度で軽くツマめる割に満足感もある。
本当は肉パンとかも行きたかったが、全部食うと意外にボリューミーで(葱油餅のウエイトが大きいのだが)、かなりお腹いっぱい。
最後に奥の返却口にトレーを返し、厨房にいるお二人に「美味しかった」と親指を立てたところ、スゲーにこやかな笑みで「ありがとうございました」と返してくれた。
なんだか、中国語も分からずに旅行者が現地食の強いメシ屋にアタックしたようなレポになったが、西川口もそんなヴァーチャルトリップが魅力な街になったんだと思うと、感慨深い。
いやはや、これは超楽しい食事。いいっすよ、ウマシ! ごちそうさまでした〜

コメント
コメント一覧 (2)
50年も悩ませてしまい恐縮ですw
西川口といえばNKですから! まさにゲスの極みです(^_^;)