夏新刊、只今全委託先に納品完了しました!
uraita1hyoshiオフセット新刊『裏板橋メシ屋道中記・東地区篇』【詳細ページ】は、ミニコミ専門店やジュンク・書泉といった大型書店の他、遅れていた同人ショップ系の納品も済み、26日移行、店頭や各ネットショップに並びますのでもう少々お待ち下さい【委託先在庫一覧】。

それと、前回チラリと告知しましたが、メシ通の連載「ラーメン系譜学」でラーメンショップの新記事が公開された。

刈部山本メシ通連載『ラーメン系譜学』;真っ赤な看板が目印の「ラーメンショップ」こそ、昭和から続く不死身のロードサイドチェーンだ


というわけで、昨年夏に発行した路線バスを乗り継いで埼玉のラーショを巡った超バカ企画『ラーメンショップ路線バスの旅』【詳細】より、メシ通記事にも写真が1点登場するブログ未UPネタをば。

ライフバスは東上線のふじみ野・鶴瀬・みずほ台の3駅の間を巡る、コミュニティバスのような走り方をしているローカル路線バスだ。
バス車両はかなりガタガタな乗り心地だしICカードは使えないが、公式サイトから運行状況も見れる半端なハイテクぶりも魅力。
運行本数は推して知るべしな状況で、東上線のみずほ台駅〜鶴瀬駅間を往復する路線は1時間1本、10時と15時は1本もない。
この路線、ただ駅間を往復するだけではなくて、市にもなってない村役場や埼玉県所沢市の工場地帯といった陸の孤島を巡る地域住民の貴重な足となっている。
過去に取り上げた、みずほ台駅近くの謎のラーメンショップ101番【過去記事】や、行きつけの超絶ヌルヌル温泉が楽しめる埼玉スポーツセンター【公式サイト】も沿線にあり、さらには工場地帯のハズレにあるチャーシュー力【別支店過去記事】やローカル武蔵野うどんも楽しめるというる路線なのだ。
しかしこれまでスポーツセンター以西は運行ダイヤの関係上なかなか足を踏み入れる勇気がなかったが、路線バスを巡るとあっては、是非とも踏み込んでみたかったのだ。

埼スポ脇から、バスは林の中を進む。林を抜けると、鉄塔だけが目立つ抜けた空の奥にラブホやタンクが見えるくらいの、どこか殺伐とした風景が広がる。ローソンの食品工場などを巡りバスはぐるっと鶴瀬駅へ向かう道に入り、三芳中学校停で下車する。
道路沿い
バス停を降りると、年季の入った看板建築らしき建物の脇にラーショ看板が見えてきた。
正面
ラーメンショップ三芳店【食べログ】
★★★★★★★★★★ これぞラーショの魅力!
所在地:埼玉県入間郡三芳町大字北永井361-10

バス通りにはあるものの、幹線道路からは入った場所にあり、地元民でもなければ車では気づかない気もする。
正面に回り込んでみると、駐車場は広く取られているのがわかる。ポツンと佇む感じはどこかプレハブチックだが、リニューアルしたのか建物も看板も真新しく、遠くからでも目立つようにはなっている。ラーショはやっぱPの文字が目を引かないとね。

店内も壁紙が真新しそうな明るさで、通りに面して横長の作りながら、テーブル席メインで、ファミリー向けだろうか。長ーく伸びたカウンターはラーショにしては厨房との仕切りが高い。その上にメニューがズラリと並んでいる。
店内
なかなかバリエーション豊富。さて、折角なのでここならではっぽいメニューにトライするとしますか。
厨房には若そうなお兄さん一人で、作ってる様子が伺えないが、音と時間からするに、結構丁寧に作ってくれてそう。

で、やってきました、岩のりラーメン¥780+メンマ丼¥270!
ラーショといえばネギ丼も名物だが、メンマって珍しいでしょ。
岩のりラーメン+メンマ丼
脂多めで。これまでの経験上、ラーショはデフォでの背脂が多くとも殆ど無くても、多めコールしても大したことなかったので、ここでも何の気なしに頼んでみたのだが。
岩のりラーメン
…な、何なんだこの背脂は!? 丼の中背脂だらけじゃないっすか!!!
以前『背脂番付』【詳細】という本を出したが、そこでの横綱級だよ。いや一秀【過去記事】のピーク時の特製をも凌いで、都内某燕三条系の背脂テラ盛りより多いかも。背脂番付の時知ってれば載せてたよ。
背脂UP
で、肝心の味だが、これがイイ意味でサッパリ分からない。何がイイ意味かっていうと、スープが判別出来ず、脂と麺を摂取してる感じなんだけど、ほのかにニンニク臭があり、訳わかんない直感的な旨さに満ち満ちている。見えないがスープも出汁が出て悪くなさそう。透明油層に固形の大きめの背脂粒がアステロイドベルト状態で、そこに岩のりとワカメと輪切りの青ネギが混ざって、正しくカオスの上に成立している一杯。
麺は中細でもちっとしつつもへばらない。もう脂を掬い上げる装置と化してる。
メンマ丼
メンマ丼は案の定、ネギチャーシュー丼のメンマ版。ほぐしチャーシュー入り。ご飯も量は少ないが(今回に限っては助かった!)、単体で食べるメンマが超コリコリで味付けも水っけも控えめで、基本メンマ苦手ながらこれはクセになる。

後半完全にグロッキー状態になりつつも完食。結局、岩海苔は背脂に混ざり込んでよく分らなったが、塩味が背脂の甘みとバランス取ってくれた気がする。
いや〜、ここまで食べるのがシンドイのは久々かも。これはこれの味だったが、今度はノーコールでこちらのスープを堪能したい。まだまだラーメンショップ、何があるか分からない。ナメんなよ!というメッセージを頂いた気がした。
いやはや、こんな恐るべき一杯が待ち構えていたとは。ラーショ旅も先入観や前評価に惑わされず、どんどん開拓を続けていかないとね。
というわけで、これはこれでウマシ! 唯一無二。ごちそうさまでした!!!

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