拙ミニコミ同人誌のバックナンバーを1冊から注文できる、オンデマンド印刷サービスを開始しました。
まずは近刊で在庫切れとなっている、
・ブレンドしか頼まないヤツは一生飲みたいコーヒーに出会えない!?1
・ラーメンショップ路線バスの旅

を対応可能にしました。

1冊からなので単価が上がり、送料足すと結構しますので、↑詳細をご確認下さい。
以前アンケートを取ったらリクエストの多かったラーショ本の再版に際し、最近行ったラーショをUPしてみますか。

最近、坂戸〜東松山あたりに行く機会が少し増えている。というのも、緊急事態宣言やら何やらで遠出もできない中、近場で電車一本で行けて、しかも人がいないところ(といっては失礼か^^;)ってことで、今年に入ったくらいからたまーに散策がてら出かけているのだ。
折角なので、この辺でちょっと昼ピークずらして寄れる飲食店で食べたい。そうした条件で調べていたら、ラーメンショップが界隈に結構散在していることが分かった。特に坂戸周辺は数軒見受けられ、これは開拓し甲斐があるぞと、まず最初にロックオンしたのが坂戸店。

東京からすると、東上線の川越の先、快速が止まる沿線の中核駅だ。
駅ナカにぎょうざの満洲があり、また近くにはどこにあるのか分からない丸長があるが(今はフツーに入れる店構えのようだけど)、今回は北口から水路の走る住宅街を抜け、1kmほど歩くことに。
坂戸バイパスから街路樹の並木道が続く車通りに入り、暫くすると右手に、エンヂに白抜きの例の看板が見えてきた。

ラーショ坂戸遠景
ラーメンショップ 坂戸店【食べログ】 ★★★★☆ 4.2

おおっこれは、道路沿いにポツンとある感じでアツイ!
外観2
「ラーメン」ってそこまで主張しなくてもいいのにっていう押し付けがましさがあって、そこがラーショ!!って風情で最高だな。

店内は大きなL字カウンターのみ。中年って感じの2人の男性が切り盛りしている。やや年配の方が店主の方で、もう1人はヘルプのようだ。
ラーショはカウンターの衝立がなく、厨房が丸見えなところが多いので、ここでも調理の様子がつぶさに伺える。昨今、麺茹では深いテボが多い中、ラーショは平ざるのところが結構現存していて、こなれた感じの湯切りが見れるのが楽しみでもある。
店内
卓上の、絵の長くて先の細い耳かきみたいなスプーンがぶっ刺してある業務用ニンニクもタマランね。

冷水機から水と、オシボリも取ってきてスタンバっていると、やってきましたネギラーメン並¥750!
ネギラーメン
水色の底の浅い丼に、細切りネギチャーシュー、ワカメ。少し背脂が浮いてる、これぞザ・ラーショな見事なフェイス!
スープは薄茶色で、かなり薄いという話だが、見た目には濁っていて期待できそう。
ネギラーメンUP
早速プースーからズズッと頂くと、あ、確かに薄いわ。乳化はしてるからコーヒー牛乳みたいな色味をしているのだろうけど、油っ気はほぼなく、スルスルと飲めてしまう。でもなんだろう、ただ出汁が出てなくて薄いという感じじゃないんだよね。温度もアツアツじゃないのが個人的には嬉しい。
スープUP
お次は麺行ってみますか。あさひやの麺らしい。好みの指定してないのでデフォの茹で加減だが、まぁ柔らかめ。低加水ではないが、やや多加水という感じ。でもヤワヤワじゃなく、適度にスープ吸ってチュルチュルすすれる。オジサンになるとラーショはこれくらいの塩梅がいい。
ネギラーメンはチャーシューが1枚ベロンと乗らず、ラーショネギに混ざる感じで細切りにした冷やし中華に乗ってるチャーシューみたいのが入ってる。こういうネギラーメンを出すラーショって多いね。若いウチは損した気持ちでいたが、ラーショネギを堪能することを考えると、こういう形状のほうがネギを邪魔せず食べられて、量的にもバランス的にも丁度いい。
ノリはすぐバラけるタイプで、ワカメもスープにバラける標準的なラーショワカメ。ただメンマが入ってるのは珍しいか。

と、一通り味わったところで改めてスープを頂くと、薄さの正体がジワジワと明確になってきた。
これ、スープの濃度が薄いという以上に、タレが少なめなんだ。
周りを見ると、仕事をリタイアしたくらいの年齢の方がフラッと食べに来ている。それに作りても決して若いという感じではないし、場所も郊外の住宅街だし、あまり味の濃いものが好まれなくなっているのではないか。
昔はどうだったか知らないが、時代とともにこの濃さに落ち着くのは自然の理かもしれない。ネットの口コミを投稿するのは比較的若い人だから、そういう人には薄く物足りなく感じるだろう。でも、そういうもんだと思って改めてスープを飲むと、これはこれで非常に味わい深く感じられてくる。

全くキツさなく、完食。
自分もこれくらいの濃度でもシミジミ旨く感じられる年齢になってきたのかなぁと、感慨深げに店を後にした。
たぶん言えば濃い目にしてくれるだろうし、これで濃いめも食べてみたい気もする。アルコールもあるので、午後の西日をバックに皿盛りのネギチャーシューをつまむのもいいなぁ、なんて考えながら再び駅へトボトボと戻るのだった。
この哀愁というか、いい意味での侘しさが現代のラーショの味わいだよね。やっぱラーショ最高。というわけで、ごちそうさまでした。

←クリック戴けると狂喜します