カテゴリ:ラーメン > とんこつ

4

●メシ通の連載「ラーメン系譜学」の新記事が公開されやした。

夜遊びのシメはいつもここ「かおたんラーメン」が見てきたバブルと不況の35年【TOKYOラーメン系譜学】

…かおたんはこれまで時折お世話になっているのだが、今回始めて塩を食べたら、スープをグッと引き上げ、揚げネギとも合うのでハマってしまった。取材に応じて下さった落合さんにそのことを告げたら、「初めて塩食べるとそう思うんだよね」と素っ気ない返事だった。長年通うと醤油に帰るのだろうか。
このところのコロナ騒ぎで、利用するには酷な人口密度の店内だが、飲みにもサイコーな籠もれる店なので、落ち着いたら是非一度は体感いただきたい。

●で、現代ビジネスに一蘭の記事も掲載されている。
ラーメン一蘭が「超強気の値段」でも行列を絶やさないワケ
マネー現代TOP画像

…今回も【ヤフーニュース】になっているが、コメント欄は記事とは関係ない内容ばかりで、まぁそういう方向になるかなぁという感じ。
というわけで、一蘭についてチョット触れておきたい。

文中にも書いたが、一蘭は20年ぶりくらい。正直、ザ・工場スープという感じで、全く博多ラーメンとしての魅力を感じなくてガッカリだった。
たまたまなのか、昨今の広がりでこういう味にシフトしているのか・・・たまたまだとしたら、味を安定させるために工場スープにした意味がないし、どちらにしても、本来の創業者のイズムから離れた感は否めない。
しかし、西新宿の100%とんこつ不使用は本当に驚いた! そこんところを詳しく述べて起きた。

中野で久々の一蘭にガックシ来ていたので、正直100%とんこつ不使用にも全く期待していなかった。
でも、現在の一蘭を語る上で食べておかないわけには行かない。重い腰を上げて、所用のついでに少々遠回りをして、自転車で西新宿へ向かった。
ヨドバシ裏手にあっていつも利用する自転車コインパーキングに止め、東京モード学園のビル脇を抜け、麺通団とか飲食店がゴチャゴチャ密集するエリアに至る。
小滝橋通り沿い
尾竹橋通りに出たところに、一蘭西新宿はあった。

外観
一蘭 西新宿店【食べログ】 ★★★★☆ 4.5
所在地:東京都新宿区西新宿7-10‐18
公式サイト:一蘭 西新宿店

入ると、一蘭グッズを売る、中野でも見た観光地のお土産屋みたいな一画の脇に券売機がある。
おみやげコーナー
(中野のお土産コーナー。たぶん今はどの店もこんな感じなのだろう)
事前に調べていて、とんこつ不使用ラーメンは通常の一蘭ラーメンよりさらに高いことは知っていた。しかし、いざ目の前にすると、ラーメン一杯1200円弱には慄いてしまう。
メニュー
(券売機:クリックで拡大)
仕事と割り切りポチッと一番左上のボタンを押す。その隣に全部のせ的なメニューもあったが、1700円程とあって流石に手が出ない。

ここはカウンターへのアプローチが短く、入ってスグ席に着ける。
空席状況
見慣れた空席案内板があり、夕方前、さらにはコロナ騒ぎの中とあって、1組先客がいるのみ。
味集中カウンター
彼らとは逆サイドの席に座る(写真撮った時には先客は既に退店していた)。
席
そして注文シートを記入する。
注文シート
具の肉の部分が違うくらいで通常の一蘭とだいたい一緒。
オーダー表
(こっちが通常のシート)
こっちにも秘伝のタレがある。あれ入れちゃうと味がタレ味に支配されちゃうので(中野で試しに入れてみたが、やっぱり20年ほど前と同じ結果になった)、今回はパス。
ピンポン押して、店員に食券とシートを渡す。
水汲むやつ
手元で汲んだ水を飲みながら待つことしばし。

やってきました、ラーメン−100%とんこつ不使用−¥1180!
席と器
おおっ、箱が四角い! こんな食べ物ペヤング以来だ。すだれを前に置くと、なんだか玉手箱感あるな。
器
開けると、中には茶濁したラーメンが。
ラーメン
形が奇抜なだけで、見た目は豚骨ラーメンそのもの。つか、中野で食べたやつはヤケに白いスープだった。
ラーメン
(ちなみに中野のラーメン)
が、こっちのほうが茶っぽくて、本来の九州豚骨ラーメンっぽい。
ラーメンUP

で、早速いただくと、粘度のあるスープの喉越しが、ヌルっとやってきた。あれ? やっぱり中野より濃く感じる。もしくは、表面の透明油がトロっとしているのかもしれない。
スープUP
飲み進めると、確かに透明油の影響もあるが、スープ自体の濃度がしっかりあるんじゃないかと思えてきた。目の前にあるうんちく書きを読んでも、このスープに豚骨が使われていないことが書かれていても、代わりにナニが使われているのかは一切書いてない。
うんちく
(クリックで拡大)
不思議だ、豚骨使ってないのに、現在のフツーの一蘭より豚骨を感じるとは!?
さらに不思議なのは、独特なスンと鼻の奥から頭蓋骨に響くような臭い。これは以前から当ブログに書いていることで、特定の豚骨ラーメン店(博多濃麻呂・虎・ばりこて等)で感じるもので【過去記事参照:貴太郎@新宿】、中野の一蘭でも感じたのだが、ここでも感じるのだ。豚骨に由来するものではないのか。
肉UP
具はチャーシューではなく牛肉のしぐれ煮みたいなやつで、まんま牛丼のアタマ。かなり吉野家っぽい。これはこれでイイ感じ。
麺UP
細麺は通常の一蘭と変わらない印象だが、手繰ろうとスープに箸を入れると、やけに麺に箸の先端が麺に当たる。なんでだろうと思いながら飲みづらい四角い器の、角っコでスープを直で飲んでいると、ようやく理由がわかった。器の底が浅いのだ。下に溜まった麺に当たっているのではなく、丼の底を突いていたのだ。
この器で底が浅いとなると量が少なく思えるが、スープの濃度も手伝って、完食する頃には替え玉せずとも意外と満足感が得られた。
底

ラーメンを運んでくれた従業員も声に出していたが(そうそう、丼置いた後、店員がほぼ直角にお辞儀するのは辞めてほしい。申し訳なくていたたまれなくなる)、帰る時は自動で「幸せ〜」と声が流れるようになっている。初めて天神で一蘭を食べた時も、入口のセンサーが反応して「いらっしゃいませ〜」「ありがとうございました〜」が交互に流れるようになっていたが、自分が帰る時に自動ドアが上手く閉まらなくなって、帰るっつ−のに「いらっしゃいませ〜」を何度も連呼していたのを思い出した。
にしても、「いらっしゃいませ〜」を「幸せ〜」と言い換えるのはどうなんだろう? なんだか、ついでにトンチンカンの、「尻見せ〜」に聞こえてきた。
ともあれ、とんこつ不使用でこのスープは驚愕っすよ。別に自分は豚を摂取できない理由はないから、豚骨食べればいいだけだが、それでもこういうチャレンジは評価したい。
つか、これが不使用でできるなら、もっと通常の店舗のほうは頑張れるはず。まだ不使用店は少ないから、管理が行き届いているのか。だとしたら、通常店のあのスープはもっと豚骨スープらしくできるポテンシャルを持っていることになる。
現状、一蘭に行くなら、数百円の差なので不使用店に行く!絶対。今後、通常店で試す機会があるか分からないが、もし中野のアレが本来の姿でなければ、改善してほしいなと。
一度、話題づくりに試してみるには少々お高めだが悪くないかと。というわけで、ウマかったっす。ごちそうさまでした〜

←クリック戴けると狂喜します

5

●講談社のゲイダイWEB版「マネー現代」に、企業が手掛ける家系ラーメンについて書きました
全国で大増殖、「町田商店」が家系ラーメンで“独り勝ち”の理由
池袋商店
この記事は【ヤフーニュース】など幾つかのネットニュースにも同時公開されたのだけど、特にヤフーニュースのコメントには、まぁ想定内というか、家系原理主義がワンサカ湧いてきた。
イチイチ反論する気はないし、言いたくなる気持ちもわからなくもないが、ここで自分なりの家系に対する考えというか想いを述べておきたい。

記事に書いた通り、最初は横浜近郊でローカルに広まったご当地ラーメンともいえるもので、当時は環七の豚骨とか背脂の全盛期だったので、横浜の方には独自の豚骨醤油ラーメンあるらしいよ、という感じで噂を耳にしていた。
石神本が出て、ネットでとらさん(東京のラーメン屋さん)が盛り上がり始めた90年代後半、家系の情報が入ってくるようになると、本牧家・近藤家・六角家・桃家など横浜方面にも食べに行ったし、東京にできたとなると結構なニュースになって駆けつけたものだ。
当時、東京で頻繁に行ける範囲では高田馬場の千代作【高田馬場新聞】くらいしかなくて、行くといつも武富士のポケットティッシュが大量に用意されていたのを妙に覚えている。
他は東陽町の大黒家【食べログ】くらいかな。
城南エリアに行けば横浜に近いので、キャベツラーメンのこうや@矢口渡【食べログ】とか、本格的なのが食べられたけど、とにかく近場にないから、家系に飢えていた。

埼玉には春日部のげんこつや、北上尾に井門家というのがあって、特に井門家は独自性が強くてあんまり王道の家系という感じではないので、王道が食べたい身には神奈川に行くしかないのかと思っていたところ、岩槻の石川家とかが支店を出したりして、2000年に入る頃には東京やその近郊にそれっぽい家系が増えていった。
このブログに頻繁に登場するせい家や武蔵家が出てきたのが90年代最後のほうで、2000年に入って徐々に増えていったのだが、今のようなセントラルキッチンのFC丸出しの判で押したような店は殆ど見受けられなかった。よこはま家とかいうのがちょっとソレっぽかったかな。町田家ってのが新宿にできた時に食べたけど、そんな変な味って感じはなかった。
2010年頃からだろうか、駅名+家を冠した、いわゆる壱系(壱角家【公式サイト】を展開する株式会社ガーデンなどによる工場スープのFCの総称)が増えていった辺りで、街に家系がやたら増えたなという印象を与えた。
このブログでも過去に触れているが、和民が系列店舗を増やした頃って駅前がデカイ筆文字の屋号を掲げるエセ和風のFCで飲食店が席巻された時期があって、それと呼応するように、爆発的に広まった東京チカラめしがアレよという間に衰退し、その店舗の多くが壱系になる事態が起きた。

壱系の筆文字看板やラーメンのイラストなど、当時の外食FCのトレンドだったし、そういう家系が出来てもなんら可笑しくはなかったが、気づくとどの駅前に行ってもある事に気づいて、これはなにかあるなと思った。
店頭のイラストや写真のラーメンを見ると、やたらスープが白くてうずらの玉子が乗ってる点が共通していた。白っぽいスープからしてセントラルキッチンじゃないかとは勘づいたが、試しに食べてみると、表面の油(家系だと鶏油(チーユ)だが、黄色くないのでラードのところもあったんじゃないかな)でコクを持たせているものの、肝心のスープはクリーミーでまろやかではあるが、どこかスカスカで軽い感じがあって、それっぽいけど物足りなさを覚えた。
そして、こうした店は店頭で豚骨ラーメンと謳っていることに違和感が物凄くあった。
ふた昔前は豚骨スープというと、本格的な店以外は通常のスープに豚骨スープの素を溶かしたり、業務用の豚骨スープを使ったりしていて、全然100%豚骨スープとは味が異なる、異様なほど白いなんちゃって豚骨が殆どだった。
それに比べれば、だいぶコクがあるが、それでも豚骨と謳うには強引な印象は拭えなかった。調べてみると、壱系のスープは鶏ガラを使っておらず、豚骨100%という。でもそれって家系なの?という新たな疑問が生まれる。だったら、山岡家【favy】は家系と言っても可笑しくない(山岡家は鶏ガラを使っていないことを家系ではない根拠としているから)。

壱系のルーツを辿ると、壱六家【公式サイト】になるようだが、確かに豚骨100%をはじめから謳う家系で、うずらの玉子が乗ることで、家系の中でも異色でありながら、確固たる人気を誇っていたのは記憶している。詳しい経緯は知らないが、ここから「壱」が付く屋号の店が派生し、その中からセントラルキッチンを設けFC展開する企業が出てきたということらしい。
その果てに誕生し、昨今急成長しているのが町田商店で、駅名+商店という屋号で特に都市部で展開していることから商店系と呼ばれるそうだが、ここは鶏ガラも加えていて、食べた感想としては、目隠しして食べたら工場スープと分からないくらいのコクを感じたのは事実。

工場スープもだいぶ進化しているなというのが正直な感想で、家系の個人店とは味わいがそもそも別(壱系や商店系はあくまでベースにクリーミーさがある)なので、これは好みで行きたい方に行けばいいじゃん、としか言えない。
旨さのベクトルが異なるのだから、そりゃ王道の家系とは味が違って当然。だからってコッチが正統だとマウント取り合っても何らの生産性もない。だって、全国的に展開しているのは壱系や商店系なのであって、多くの人にとって口にする家系は圧倒的に工場スープの方だ。それを食べて美味しいと思うことに罪はなし、そう思った人が全員横浜に来れるわけがない。なにかの機会に横浜に来ても、崎陽軒のシウマイや横浜中華街で中華は食べても吉村家にはほぼ行かないでしょ。
それをやりだすのがラヲタ、もしくはその予備軍で、ラーメン業界を支える食べ手のシェアのどれだけいるのよ?
企業として展開していこうという時に、繁華街やロードサイドで家系のこともよく知らない人が、コクがあって美味しいラーメンだったねと思う、そういうライトユーザーをターゲットにするのは当然のこと。ヤフーのコメントで一生懸命に王道の家系を養護しても、単なる嫌がらせになってしまう。
本来の家系に近いラーメン店にしても、ラヲタだけで成り立ってるわけじゃないし、ふらっと訪れる家族連れとかって、近所やいつも通るルートにあったりするから行ってるわけで、それが横浜じゃなかったら、壱系のラーメン屋がそういうロケーションにあるから、そこに言って美味しいねって言うよ。
吠えてる輩が、横浜から遠い人に、横浜まで来る交通費や家系の店で食うラーメン代払うんだったら、いくらでも言ってくれて構わないと思うけど、そういう事出来ないのに、自分が慣れ親しんできたものを養護しているつもりが、実は文化を滅ぼすことに加担しているかもしれない。
これはB-1グランプリとかにも言えるんだけど、レシピ化してのれん会作って地元の味を守ってるつもりでも、規定から外れて組合に入らないのが意外と元祖の店だったりするという本末転倒はよくある。

本家の吉村氏がインタビューで応えていたのを見かけたことあるが【はまれぽ】、亜流は傍系は黙認状態で、家系は定義しない、みたいな感じじゃなかったかな。
本人がそう言ってんだから、どこが本物じゃないとかってことじゃなくて、もうここまで広がった以上、ある程度家系っぽい感じのラーメンで、店側が家系っていうなら家系でいいじゃん。
その上で、色々食べ比べたい人は食べてみて、オレは王道の家系が好きとか、壱系の店しか行ったことないけど、ああいうの家系っていうなら美味しいと思う、でいいんじゃないかと。
吠える人って、オレは本物を知っているとマウンティングすることでしかアイデンティティを保てない心が貧しい人なんだなとしか思えない。

個人的には都心部で日曜とか、家系っぽいの食べたくて選択肢がない状況でもない限り、工場スープの店ではまず食べないと思うが、結果的に個人規模で店でスープ取ってるところの味が好きだから、FCでもそういう店に気づけば足が向いている。

強いて好きな家系を上げれば・・・
・近藤家@北山田
・寿々喜家@上星川
・らすた@日吉
・山藤家@落合南長崎【過去記事】
・武蔵家@白山【過去記事】
・せい家@上板橋【過去記事】
かなと。下の2つは家系というよりドロドロ豚骨ラーメンだけど。

で、最近食べた中で、やっぱ店で炊いたスープって美味しいなって思えたのが、東武東上線の東武練馬に出来た丸武家。あぁ、やっと食レポに入れた〜

東武練馬駅は断崖絶壁に建っていて、台地と台地の狭間で、両サイド崖に挟まれた不動通りって道があるのだけど、丸武家は崖上の駅から不動通りに下る階段の入口にある店。

外観
家系ラーメン 丸武家【食べログ】 ★★★★★ 4.8 
所在地:東京都板橋区徳丸2-3-14
公式サイト:marutakeitabasi.owst.jp

以前は激アツめん蔵というラーメン屋が長らく頑張っていたんだけど(詳細は【シャバゾウblog】を)、結局入ることなしに閉店してしまった。
跡地がどうなるだろうと見ていたら、ある日家系ラーメンが出来ていてビックリした。昨今駅周辺はFCとか、どっか企業がバックについてそうな店ばっかりになっていたので、工場スープの店かなと期待せずにいた。
しかし不動通りから階段を上がるとすぐさま、豚骨の芳しい香りがプ〜ンとしてくるではないか。匂いに釣られて階段を登りきると、震源地はやはり丸武家だった。

これは期待できるぞと、ある夜突撃することに。
入り口
間口はかなり狭いが、店内はそれより少しは広いかな、という感じ。
変速L字カウンターで、9席くらい。厨房は2人体制っぽい。
券売機で食券を買って、空いてる席につく。卓上には家系ラーメンの解説が書いてある。
掲示
トッピングを聞かれるが、初めてなので全部普通でお願いする。
ライスは1杯目無料だが、この日は飲みの後だったので自重。

しばらくしてラーメン¥690がやってきた。
ラーメン
写真よりも実物は王道の家系っぽい(成増の武蔵家から出た店らしい)。
ダシが良く出ている。鶏ガラも入っているだろうが、豚骨がなめらかでありながら、ザラッとした食感もあり、ややしょっぱめの醤油ダレの味わいを無骨なパンチのあるスープと合わさって、口中にグワッと押し寄せてくる。唇もカピカピになってくる、そうそう、この感じ。
麺はプルンとして、あまり特徴はないが、スープには合っている。スープを吸って馴染むという方向性じゃなくて、やや弾く感じながら、スープがノリすぎず、いい塩梅。
具のチャーシューは赤身がプリプリで噛むとしっかり旨味があって、分厚くはないが肉食ってる感が強く、適度な脂身もいい。ホウレン草は多めで、水っぽくなく有り難い(以前冷凍モノ使ってるところが解凍しきてなくてカチカチだったという痛い目にあってるからな)。
そして最後の方にショウガとニンニクを投入。やっぱカラダが温まるし、最強に合う。

店で炊いてるスープって何がいいかというと、この芳醇な匂い。本格長浜豚骨みたいに炊きまくっているほど臭くはなく、適度に芳しい感じで、満足度のあるスープってのが嬉しい。ちゃんと動物の命を頂戴しているって有り難みも感じられるし、丁寧に、そして残さず食べようという気持ちになる。
当然全汁完食。身も心も満たされて、家路につくのだった。

やっぱ店で炊いてるスープが好みだけど、色んな人が色んなシーンでそれぞれの事情で外食してるわけだから、それぞれにあったところで、やれる範囲で楽しく食事をしたい。
というわけで、これはこれの家系ラーメンとして、美味しゅうございました。ごちそうさまです。

←クリック戴けると狂喜します

favy「ロードサイドの昭和グルメ遺産をゆく」連載の第8弾がUPされやした。
牛久から全国へ!ロードサイドは『ラーメン山岡家』のテリトリーである
山岡家外観
山岡家ラーメン

…郊外ドライバー御用達。都心にないけど全国区。知らないとモグリなラーメン一大チェーン。

5

板橋西裏表紙●夏コミ無事終了、ありがとうございました!
『裏板橋メシ屋道中記・西地区篇』
80頁ALLカラー ¥900+税 【詳細ページ】

超ドローカル!!完全に大衆飲食店だけを巡った究極の地域密着ガイドブック『裏板橋メシ屋道中記』、1年前の東地区篇の続編がいよいよ完成!
夏コミ新刊セットの直通販、受付終了しました
コミケには昨年末発行の18年冬号『ラ・九州旅』【詳細ページ】も持ち込みますってことで、ブログ未UPド豚骨をば。

大牟田には炭鉱の廃墟があり、九州に行ったら絶対に行きたいとずっと訪れるのが夢だった。
というわけで、JRと西鉄の大牟田駅に降りて、レンタサイクルに跨ってスタート。まずは腹ごしらえと人から聞いた超濃厚豚骨ラーメンの店へ向かった。
外観
隣駅の新栄町近く、大きな交差点の角にあるのだが、しかしそこはどう見ても町中華。屋号もそんな感じだし。

入口
光華園【食べログ】 ★★★★★★★★★★ 豚骨遺産 
所在地:福岡県大牟田市東新町1-5-15

でもまぁ人の言うことを信じんべ、と暖簾をくぐると、いきなり芳醇な獣臭が備考を突いた。キタキタ、これぞモノホンの豚骨の証。九州でも屈指の匂いらしく、今ではここまで臭う店も少なくなり、常連などは愛情を込めて「便所ラーメン」と呼ぶらしい。ってもっと呼び方あるだろうに。
家族経営のような雰囲気で相当な老舗のようだが、手を入れているようで店内は白い壁が眩しくキレイに使われている様子が伺える。
店内
席はテーブルがメインで、テキトーに空いてるところに座る。
カウンタ上部に赤地に白文字の可愛らしい手書きメニューがあるが、ラーメン・ギョウザ・焼ブタ・にぎりめし・牛乳と、中華屋ではなくラーメン屋であることは知れるが、関東では見ないメニュー構成がとても新鮮に映る。ちなみに、関東でもヤキメシというワードはチャーハンを表すことはなんとなく知られているが、西日本、特に九州ではご飯物はなんでもメシという。なのでラーメン屋でもライスではなく「めし」と表記されている。なんにしても、フツーに地元の年配客とか来てるのにこの豚骨臭というのは異様な光景でしかない。

頼むと割り合い早くやってきた、ラーメン¥500。
ラーメン
まずスープに目を奪われた。もう真っ茶っ茶。赤茶色というより灰色がかっている。一瞬生コンにしか見えない。ラーメンUP
これぞボクのいう灰汁(はいじる)。何日も豚骨を煮出したものだけは行き着く、骨が砕け髄が出てそれらが渾然一体となった時に現れる色合いなのだ【参照:「御天」過去記事】。ここまで煮出すには相当の骨の量と光熱費が必要となるので、今では九州でも滅多にお目にかかれなくなってしまった。が、ここのは紛れもなく濃厚ド豚骨。
スープUP
ゲル状といっていいスープを掬って飲むと、滑らかとか粘度があるというのを超えて髄や骨片でザラッザラ。飲むというより食べる感じ。関東では豚骨でも作る時にラードを加える店が多いが、こちらでは寸胴(羽釜が多いようだが)に予め背脂やラードなど入れて煮るところはあっても、液体ラードを丼に加えるところはないみたい。豚骨の下処理も丁寧なようで、余計な脂っこさはない。骨から出るマロ脂だけで十分な飲みごたえ。
麺はやや平べったい細めで、このタイプは九州でよく出会う。もっと細くて断面の丸い長浜屋台のオールドスタイルの麺が好みだが、これはこれで味わい深い。なんにしても、このスープをもってこの値段、十分すぎる。
髄
最後に丼の底に大量の髄が大砂嵐状態で溜まっているのを確認し、店を後にした。

いやはや九州でコレが食えて大大大満足! バリウマシ!!!! ごちそうさまです!!

←クリック戴けると狂喜します

メシ通の新記事が公開されやした。
ラーメン系譜学もりやロゴ
関東のとんこつ狂いをとりこにした伝説のラーメン店「もりや」が千葉・松戸で再々スタートを切っていた

これまで当ブログで最多投稿数になると思う、金太郎からもりやへと至るド豚骨長浜ラーメン。その創造主たる守谷氏にこれまでの想いと変遷へと至る実情を徹底的に聞いてきたので是非読んでほしい。
関連記事:【14.08月移転後いっき】【11.8月いっき】【11.3月いっき】【10.3月今の守谷氏の八柱の店】【09.11月いっき】【09.9月いっきになる直前のもりや】【07.5月守谷氏がいた頃のもりや】【07.3月もりや初訪問】【06.11月田中商店】

↑このページのトップヘ