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本日、現代ビジネスの新記事がUPされた。
スガキヤ現代ビジネス
(↑の画像はスガキヤラーメン@高田馬場のラーメンです)
今回も【Yahoo!ニュース】になったのだが、川口ジャスコの寿がきやのパートが短くならざるを得なかったので、ここで書いておきたい。

近著、『埼玉「裏町メシ屋」街道旅』【詳細】の第二章で触れているが、我が家からそこそこ離れたところに突如として出現したのが、イオンモールの前身となるジャスコと70の専門店グリーンシティだった。
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で、2018年の8月に一旦閉店し、2021年に再オープンするということで、これまでの歴史を振り返るメモリアル展に行ってきた。
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多分この時が初めてのショッピングセンター体験だったと思う。
現代ビジネスの記事にも書いたが、ひとつ屋根の下にたくさんの店が入ってる光景がもう信じられないというか、ピカピカの白い床が異様に眩しく感じで、最初は慣れずに文字通り目が回っていたのだと思う。どこか地に足がついてないというか。
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建物のほぼ中央部分が吹き抜けになっていて、メインとなるエスカレーターが設置されている。サンシャインの新人アイドルの新曲披露とかやる、ああいう感じ。大抵のショッピングセンターがこの作りになっていると思う。
ジャスコでもライダーショーとかやっていて、中学になっても模型部のヲタ仲間と見に行っていた。
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(このエスカレーター脇がステージだったかと)
あ、京本政樹が来てたのを思い出した。探せばどっかに写真残ってるかも。

メモリアル展の会場は3Fで、ゲーセンがあるフロア。確か寿がきやも3Fだったかな。
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(このユニクロのところがゲーセンだったような…)
小学生がチャリで行くには20分近くかかるのにここまでよく来ていたのは、このゲーセンが充実していたから。コナミの沙羅曼蛇が専用筐体でできるのは、チャリで行ける範囲ではここだけだった気がする。
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(現在のゲームコーナー。これくらいの広さはあった)
ゲーメストというゲーム雑誌をこのゲーセンで買うと、2プレイが無料になるタダ券をくれるのだ。喜び勇んでダライアスでお願いすると、1プレイ100円する大型筐体には使えないと言われてしまった。アウトランやアフターバーナーといったセガの体感ゲームもNG。1プレイ50円のもののみとのことで、仕方なく1943かなんかやったんだったか。
クレーンゲームも充実してて、当時はお菓子を落とすものが主流だった。ショベルカーみたいなのを操作して、お菓子をすくい上げるのが得意で、ベビースターを一発でゲットしたら、賞味期限切れで湿気ってて激マズだったなんてこともあったなぁ。

そんなことを思い出しながら、3Fの隅の方で開催されていたメモリアル展に着いた。
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パネルで年代順に新聞広告や当時のチラシが展示されていた。
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サイボー土地様子
(埼玉紡績の工場跡地に建った)
開業当時外観
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(1Fのヒーローショーの様子もあった!)
あぁこんな感じだったなぁとか思い出しながら進んでいくと、当時テナントに入っていたお店が一通り紹介されているチラシのようなものが目に入った。
テナント一覧
(「だからマクドナルド」ってコピーあったねぇ! つか、雪印フードコーナーが気になりすぎる!!)
これは、寿がきやが載っているかも!?と注意深く見ていくと・・・あった、あったよ寿がきやスーちゃん!
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さらにメニューの載ったものも発見。
フードテナント一覧
あ、スガキヤのところが丁度光っちゃってる!
が、寄りの写真があった!
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ラーメンセットが520円とある(五目ごはんとサラダのセットっぽい)。今でもラーメン単品で300円ほどだから、35年くらいあんまり値段変わってないんじゃないかな。
寿がきやはもうとっくに撤退しているが、他に残ってるテナントはないものかと見てくいくと、その寿がきやの上にあるピーターパン、これまだあるやつだよね!?

慌てて現在のフロアマップを見に行くと・・・あるある! 1Fのフードコートに入ってるフライドポテトとかフラッペを売ってるスナック売店だ。イトーヨーカドーでいうポッポとかああいうやつ、フードコートには絶対必要だよね。
意気揚々と1Fに下り、フードコートへ潜入。
フードコート
すると、あったあった、ここだ!!

ピーターパン外観
ピーターパン イオンモール川口店【食べログ】 ★★★★★★★★★★ フォーエバー・フードコートスナック売店 所在地:埼玉県川口市安行領根岸3180 イオンモール川口 1F

放課後と思しき女子高生が鯛焼きとかが陳列されてるホットスナックの前に並んでるよ。
ホットスナックコーナー
こういう光景って何年経っても変わらんのねぇ。サザエさんでもフネさんとお軽さんが女学生時代に甘味処に入ってくっちゃべってるみたいに、ずっと続いてるもんなんだろうね。
メニューはフライドポテトや焼きそば、モダン焼き(麺入りのお好み焼き的なもの)など軽食と、かき氷といった甘味系が揃う。ソフトクリームはチョコとバニラのミックスがあるのがこういうところらしいよね。
さて何を頼もうかと目をキョロキョロさせていると、ドリンクに+130円でフロートに出来るようではないか。これまたこういうところらしいメニュー! これでいこう。

というわけで、注文してフードコートの開いてるテキトーな席に着いて、いただきます!
メロンソーダフロート
ベースはメロンソーダM150円にしたが、このケバケバしいケミカルな色味(お菓子にしても子供好きだよね、こういう色)がやっぱりフロートを乗っけるのには似合う。
最初はそれぞれセパレートに味わう。ソフトクリームは意外とサッパリして、甘さ控えめ。甘いの苦手な身には丁度いい塩梅。
メロンソーダフロートUP
メロンソーダはメロンの味も香りもしないのだけど(メロンパンと一緒か。もしくはベースは一緒というかき氷のシロップ)なんだか美味しく感じられるのは子供の頃の記憶を引きずっているからか。
ソフトクリームが溶けてきた辺りでまぜまぜ。最後はグチャグチャになったのをストローでチューチュー啜る。氷も溶けて冷たさで口の中の感覚がマヒしてくるのだけど、これがトリップ感あるんだよね。ホント、味わうというより刺激を楽しむといったほうが近いかも。

そんなこんなを含めて、フードコートの売店らしいアイテムを堪能できた。
再オープンしても、こういうものは残しておいてほしい。今もって、これだけの子供や学生、それから買い物休憩中のオバチャンといった幅広い年齢の人々に求められているのだから。
あぁ、スガキヤもこんな感じで関東のどこかに残っててくれたらなぁ。マジで再出店頼んますよ、スガキヤさん!!

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コミケ受かりました!けど・・・
5/4(祝月)南3 メ-17a ガキ帝国@東京ビッグサイト【コミケットWEB】C98カラーweb
詳細は→【サークルブログ】まで。
…当落発表時は、とりあえず開催する方向で動いているという話でしたが、ここに来て、延期か中止かも!?という色合いが強くなってるみたいです。そもそもビッグサイトが貸してくれるのかという問題がありそうですが、状況を見て判断がくだされるそうなので、待つしかないですね。
新刊は宣告通り、コーヒー本の2を出す予定です。コミケが開催されれば無論出すのですが、中止の場合はGWの資料性か、夏のなにかのイベントで出すかもしれませんし、冬新刊にするか未定です。
というわけで、近年稀に見る程に好評だったコーヒー本1で書ききれなかったネタと、コーヒーに絡んだ話に触れおきます。

ベックスコーヒーでは、この価格帯のコーヒーショップにしては珍しく、ブレンドに深煎りが選べると書いた。
で、実際どんなコーヒーが出てくるかまでは書くスペースがなかったのだが、飲んだのはだいぶ前のことで余りよく覚えていなかった。文脈上、味について触れる箇所ではなかったのでそのままにしていたが、どんなコーヒーだったか飲んでおこうと、今年に入って巣鴨店に行ってきた。

外観
ベックスコーヒーショップ 巣鴨店【食べログ】 ★保留
所在地:東京都豊島区巣鴨1-16-1
公式サイト:BECK'S COFFEE SHOP 巣鴨店

JRの巣鴨駅から南側に出て、小さい橋を渡ったスグのところにある店舗。ベックスというと駅構内にあるイメージが強いので、駅舎から独立しているととても珍しく映る。
店内は天井が高く明るい。席はゆったり目で、椅子のソファーも大きく、席が広めのベローチェに似たタイプ。
まずカウンターで注文し、少々時間が経って珈琲が出来上がると、それをもって開いてる席を探す。意外と奥に長く、思ったよりゆっくりできそうな作り。完全に区切られた喫煙スペースがあり、その手前でノーパソいじってるリーマンの隣に腰掛ける。

深煎りコーヒーS¥250+税。
深入りコーヒー
Sでも底がスボまってないマグカップに入ってて、180mlはありそう。
Mだけ太字で色も違うので、M頼めよという圧に屈しそうになるが、Sにして正解だった。
メニュー
スタバもそうだが、こういうところはMの量が半端なく多いのだ。ただ反面、サンマルクカフェはそもそも量が少ないのだけど、Mをデフォにしてて、ショッピングモールなど店舗によってはSを置いてないところもある。はなまるでかけがない店舗みたいな感じ。あんま好きな商売方法ではないが、しょうがないのかなとも思う。
ともあれ深煎り。出てきた瞬間、やっちまったな!とクールポコよろしく思ってしまったが、出たよ、粉粉マッシーンの泡泡珈琲。
上から
サンマルクもそうなんだけど、この価格帯のチェーンでコレやられるとイタイ。どうしてもエスプレッソのマシーンとは別に出してるドトールやベローチェ、マックもそうだけど、そういうのと比べてしまう。
コンビニ珈琲でもそうで、セブンのは違うけど、ローソンやファミマとかだと泡泡なんだよな。一度地雷を踏むと、コンビニコーヒー飲む時はセブンを探してしまう。
記憶が曖昧どころか全く覚えてないレベルだったが頼んだものは仕方ない。飲んでみると、これが粉粉マッシーンにしては、渋さや苦みより、酸味系の爽やかな果実香のような香味を感じる。深煎りでなかなかこの手の味を感じられることはレアだし、ましてや粉粉マッシーンで感じられるとは驚きだ。
レインフォレスト・アライアンスの認証を受けた(熱帯雨林の環境保全に取り組んでる農園の)コーヒー豆を使っているところは、スペシャルティ(最高品質豆)率が高いので、こうした味になる確率も高いが、深煎り珈琲はレインフォレスト・アライアンス認証じゃない豆なのに、こういう味がするというのが不思議だ(認証受けてないだけで同レベルの豆を入れてるということだろうか)。

でもやっぱ、食感が粉っぽいのは頂けない。せっかくの味をザラつきが邪魔をしている。
つかこれ、深煎り?
普通のブレンドと飲み比べる必要があるだろうが、深煎りと聞いてイメージされる濃さや甘みは感じない。通常のブレンドと比較して深めということかもしれないが、そうとは知らず深煎りを求めて注文する人はこれじゃ納得しないよなぁ。
ということは、もう1度行って、通常のブレンドを頼まないといけないわけだが、分かってて泡泡珈琲飲むのは嫌ぜよ。


気づいたら長々書いてしまったが、珈琲ついでに触れておきたいことがもう1つあったのだ。
正月明けてスグ辺りか、たまたまスーパーのアイス売場を通りかかった時のこと。
普段アイスなど食べないのだが、その時ふとあるカップアイスに目が止まった。その名はレディーボーデン!

レディーボーデン【公式サイト】 ★★★★★★★★★★ ウマすぎ!

レディーボーデンといえば、子供時分の超贅沢ブランド。今見るとそんな大きくないが、子供にとってはバケツくらいの大きさに映ったわけで、それを♪れでぃ〜ぼぉ〜でん♪と歌いながら、スプーンで直で掬って食べるのが夢だった。

結局、一人暮らししてもその夢を叶えることはなかったのだが(その頃にはレディーボーデンはあまり見かけなくなっていた。もう1つの贅沢アイス、ビエネッタ【公式サイト|ミドルエッジ】の一人食いはしたかもしれない)、今でもレディーボーデンはハーゲンダッツより高級で贅沢なアイスとして脳内に刻み込まれている。

▲ビエネッタのCMもヤラレタ!

この数年、レディーボーデンがスーパーなどで見かけるようになったのは知っていたが、アレがないので手を出さないでいた。アレとは、そう、コーヒー味。
昔はコーヒー味のアイスというのが結構あり、宝石箱など大人っぽく高級っぽく見える商品は大人への憧れとして、子供向けの菓子などでよく採用されるデザインだった。
コーヒー=苦いという大人味が子供の背伸びしたい欲望を満たすのか、コーヒーカップを象った容器に入ったコーヒーアイス(雪印ブレンドコーヒーというらしい【参照サイト】。この辺はアイスマン福留さんの本に載っている)。
日本アイスクロニクル (タツミムック)
アイスマン福留
辰巳出版
2019-08-05

これが子供の頃兄弟揃って大好きで、ライオネスコーヒーキャンディーとともに、買ってもらえる菓子の最上級品だった。
コーヒーカップのアイスとレディーボーデンのコーヒー味は味が似ていて、ほろ苦さとミルクのコク・甘みが絡み合った味わいは今でも忘れられない。
40年近い年月を経て、それが目の前に現れたら、どう思うだろうか?
買うっきゃ騎士(ないと)でしょ!!

上から
ハーゲンダッツみたいなミニカップで、まさしく、あの頃のバケツをそのまま小さくした感じ。わかってるじゃん!
レディーボーデン
蓋を開けると・・・あぁ、この色!
アイス中身
で、さっそくいただくと、乳の粘りがあったあと、若干のシャリが来て、舌の上で溶けていくと、さらなる粘りが来て、甘みとコクと香ばしさが感じられてくる。あぁ、これよ、これ。はっきりと味を覚えている。ベックスとは大違いだ。自分の記憶力が気持ち悪くさえ思えてくる。
データ
カップに書かれたデータを見ると、昔はラクトアイスと書かれていた気がするが、中身や配合が違うのか、表記の基準が変わったのか。ともあれ乳脂肪分が13%と結構あるのに、100円ちょっとというのは嬉しい。
ちなみにハーゲンダッツは15%。ハーゲンダッツ高いのは動物性の乳脂肪分が多いからで、スーパーで生クリームを買うと、乳脂肪分が高いほど値段も高くなるのと一緒。でもレディーボーデンは13%なのにこの値段とは、さすが!
ダイエットとかいう人がハーゲンダッツを買うのを見るとどうかと思う。日頃の食事制限する前にハーゲンダッツ辞めたほうが効率いいと思うよ。味わいがリッチとか濃厚っていうのは、脂が多いからだから。ペヤングが背脂MAXって言ってるのとあんま変わんない。

話が逸れたが、また最近になって、このレディーボーデンのコーヒー味というか、ミニカップ自体を見かけなくなった気がする(公式サイトを見ると【ラインナップ】レギュラー販売されてるみたい)。なんにしてもどこぞのブランドイメージに騙されず、こういうもんをもっと置いてほしいと思うのだけどなぁ。

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こちらで告知するのをスッカリ忘れてましたが(大失敬!)、川口市でトーク&スライドのイベントをさせてもらうことになりました。

イベントの詳細は刈部山本活動ブログまで→【8/30(木)スライドトークショー@川口】
8/30(木)と日にちが迫ってきました。募集もかなり多く一時定員オーバーしたのですが、、大きな会場に変更してもらい、募集定員が増えました。まだ大丈夫です。川口のことをよく知らない方にこそ、昭和〜平成にかけての郊外文化のリアル体験を聞いてほしいので、是非いらして下さい!
直接、川口のサイトからも申込いただけます→【下の方に応募ボタンがあります】

それと、夏新刊の直通販も限定本セットも今月いっぱいまでです!
uraita1hyoshiオフセット新刊は『裏板橋メシ屋道中記・東地区篇』【詳細ページ】。昨今多い板橋のムックやガイドブック。それらに載らない、載せられない?どローカル飲食店を巡る「裏板橋本」。
限定本は、昨年秋の再販『神保町ドキドキパニック』、拙文庫のAmazon購入特典PDFの冊子版。

というわけで、イベントに先駆けて、FM川口で告知的な電話出演を短時間ですがさせて頂いたのですが、その中で川口のオススメということで、埼玉高速鉄道の鳩ヶ谷駅と新井宿駅の間にある旧岩槻街道沿いを挙げさせてもらった。
新井宿
旧道沿いが商店街になっていて、大正から昭和にかけての超ゴージャスな看板建築や蔵、レンガ建築が軒を連ねている。その中にかなり歴史ありそうな和菓子屋を今から5年以上前になるが見つけたので、その時のレポをUPしておきたい。

今川焼きの看板を掲げた甘味処のようなお店で、気になって前を通ると、なんとアイス最中の貼紙が。こういう気取りのない店の昔馴染みのアイス最中に滅法弱い。

田畑菓子舗外観
田畑菓子舗 ※現在休業中の様子
★★★★★ 5.0
所在地:川口市鳩ヶ谷本町1−3−12【Google】
午後1時〜午後4時くらい
火曜定休

一も二もなく入店すると、簡単なイートイン用の椅子がタイル貼りの三和土にいくつか並べられているだけで、基本テイクアウト店の様子。
店の大半は製造所兼住居で、いい意味で商売っ気がないというか、内と外の境界が曖昧という昔からの家族経営の雰囲気を色濃く残している。先客はご近所と思しきオッサンで、ひとりペロペロとソフトクリームを舐めては店のオジサンとの雑談に花を咲かせている。

その片隅に腰を下ろし、アイス最中¥100を頂く。
アイスモナカ
味はもちろんバニラ。100円という価格からの想像を超えた大きさで、もなかにも特大と記されている。菊の紋のように象られた形状もイイ。
アイスモナカUP
勢い良くガブリと行かせてもらうと、ガワは案外しっとり系で、歯にくっつきそう。コーン的な香ばしさに乏しく、昔ながらの少々味気ないようなガワで寧ろ自分にはこの方がしっくりくる。この手のガワは店によっては八角のような、線香クサいような臭いがするものもあるが、こちらはクセはない。中のバニラは文字通りのバニラ風味。この手のはシャリシャリと油脂分の低いシャーベットのようなミルクアイスが多いのだが、こちらのはシツコクはないものの、多少粘りのあるバイラアイス。黄色みがかってコクもある。これはこれで十分オイシイ。

大好物に満足したところで、オッサンとのトークに割り込む形で、さり気に歴史のことなど伺ってみた。記憶が定かで無いので申し訳ないが、確か明治3年創業といったか。この辺の店の中ではそんなに古いわけじゃないというから昭和3年かもしれない。それでも近隣の明治や江戸期の建築の話を聞かせてくれたので、明治でも強ち可笑しくはない。
創業30年ほどでも老舗と呼ばれる昨今、それくらいこの界隈は古くから今にかけて続く商売や建造物が多いということだ。また言うが、それが保存運動にお金かけるでもなく、昔と同じ素知らぬ顔で続いているというのが本当に素敵。
イベントは再開発著しいJR京浜東北線の川口駅前だから、甘太郎焼きくらいしか歴史を忍ばせるものはないが、浦和美園にサッカー観戦の前にでも散策がてら寄り道されると面白い発見があるかも。
いやはや、店も味も超スバラシイ!! こういうのだよ、ふと食べたくなるのって。ウマウマウマシ!!! ごちそう様です!

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あけましておめでとうございます!
というわけで、冬コミのあった大晦日〜正月三が日にかけて食ったもんでもザックリとレポさせてもらいましょうか。

会場である有明の東京ビッグサイトへはここ数年、豊洲からゆりかもめに乗って行くことにしている。
昔は東京駅から都バスで行くのが安くて便利だが、渋滞で時間が読めないのがイタイ。近年は豊洲に延伸したこともあって、有楽町線から乗り換えるようにしている。新橋発は混むが、豊洲発はほぼ座ってノンビリ行けるのだ。
しかも高い位置から豊洲市場など臨海エリアの開発具合が見て取れるのも面白い。年2回、定期的に街が出来る様を定点観測してる気分になるのだ。
ゆりかもめ
今回は初めて、先頭の一番眺望のいい席が運良く取れた。のんびり臨海風景を眺め、コミケ会場へ入場と相なった。
今年は特に寒く参ったが、なんとか無事終了し、帰りにどっかで温まりがてら一休みして、一人お疲れちゃん会(コミケでも友だちがいないのだ)といきましっしょい。

大晦日にやってる店はなくはないが、個人店は行ってみないとわからない、博打に近い状態なので、安パイでチェーン系に。といっても折角のコミケ終わりなので、ご褒美感が欲しい。
そこで、はっと思いついた。疲れて甘いもんも食いたいし、大好物の星乃珈琲のホットケーキなんて最高じゃないか!?
調べてみると、銀座界隈に2軒ある。街的に他にやってる店もあるだろうから、最悪やってなくてもどっかで食えるだろう。

銀座一丁目で下りて、深夜食堂や北京原人を観に来た東映の映画館を過ぎると、数寄屋橋交差点脇に珈琲の看板が見えた。雑居ビルの階段の先に入口があるようだ。テクテク階段を上ると、ショーケースに食品サンプルが並んでいる。あれれ? ホットケーキがぺっちゃんこだ。ボリューミーないつものとは別メニューがあるのか。それとも数寄屋橋店のみこの仕様なのか??
不安を抱えつつ入口に立つと、ウエイターが丁寧に迎えてくれた。確かにクラシカルな内装で雰囲気は星乃っぽいものの、なんだか他の星乃と違うような。さっきのホットケーキも引っかかる。周囲をキョロキョロ見渡すと、入口扉に書かれた店名が目に入った。
アウチッ!別の店かよ!!
ウエイターに平謝りして一旦外に出る。よく見ると2つのビルがくっついてて、星乃は別のビルだった。にしても間違えて入った方の珈琲屋、確かに店名違うが、ロゴの書体似てんなぁ。どっちが先か知らんけど、間違えて入る人多そう。
ともあれ、ようやっと星乃珈琲に入ることが出来た。
店内
星乃珈琲店 数寄屋橋店【食べログ】
★★★★★ 4.8
中央区銀座4-2-12 3F
過去記事:成増店〜夢は1001膨らむホットケーキ!
(↑のリンクにもあるが、まさか星乃珈琲を扱う日に星野仙の訃報を聞くとは!?)

ビルの1フロアとは思えないほど店内はかなり広く、しかも席は区切られている。2人席は漫喫みたいだが、元々1人分のソファー椅子は大きめとあって、さらに落ちついて過ごせそう。
荷物を整理して改めてソファーに深く腰掛けると、カウンター席越しに銀座の夜景がみえる。おおっ、いいね、コミケ終わりのスペシャル感が助長されますよ。
メニューを広げると、馴染みある品々でホッとする。
メニュー
今日は頼むもの決めてきたので、あるのを確認して席にあるボタンを押してオーダー。成増店はいつもボタンが壊れているが、ここのはちゃんと音が鳴った。

一息ついていると、先に星乃ブレンドがきた。
珈琲
通常は700円だが、セットだと450円。
パンケーキは時間がかかるというのがあるが、珈琲を先に持ってきてくれるのは嬉しい。
星乃珈琲といえば、珈琲がハンドドリップで淹れてくれるので、この手のチェーン系としては図抜けている印象があったが、この数寄屋橋店のはあんま味が出ていない。成増の店員が優秀なのか、今日は混んでてたまたまアレなのか知らないが、まぁ年末にこの場所でこれだけゆっくりできれば文句も出まい。

そしてオーダーから約20分、アレが出てきましたよ〜、スフレパンケーキW¥750!
スフレパンケーキW+珈琲
いつもはシングルだが、今日は前後にメシ食わない代わりにダブルで。ただでさえ厚みがあるので、Wだと圧巻ですな。
スフレパンケーキW
蜜は、メイプルシロップ・蜂蜜・黒蜜から選べるが、今日は黒蜜で。ドロっと重い蜜をかけやす。
スフレパンケーキW蜜かけ
うん、いい景色や。ホイップクリームを伸ばし、ナイフを入れる。Wだと下までキッチリ切らないといけないので、切り応えありますな〜
スフレパンケーキW断面
んでもって、パクっといっちゃいやす…パクッ。うぐぐぐぐぐ、うん、これよコレ。まずは蜜の殆どかかってない部分から食べる。フワッフワの食感だけど、適度な密度のある生地で、弾力もあって、ほのかな甘味でバランスが兎に角イイ。イイ。焦げたエッジ部分の香ばしさもいいんだよな。
で、蜜の染みた部分を頂くと、シットリさが出て、甘みと香りが増して、これもまたイイ。イイ(また二度言うか)。
染みた上段、染みてない下段と味わいながら半分食べた後、上段を皿の空いた所に下ろして、下段にはさらに蜜をたっぷりかけて、一気に完食。

この日は19時で閉店という。18:30のラストーオーダーのタイミングで退店。
いやはや、これくらいの甘さが自分には丁度いい。17年最後の外食に、甘さで幸せを感じられて、イイ締括りが出来た。これがアチコチで食えるのはやっぱ贅沢やね。ウマウマシ!! ごちそうさまでした〜

…って、あらら、さっくりやるつもりが案の定長くなってしまった。
というわけで、つづく。

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自店を今年3月で閉めるのと前後して、移転先となる物件を探している時、「これまで仕事の営業時間と合わず行けなかった店に行きたい」というのと「その街にはそんな喫茶店があって、お客さんはどんな過ごし方をしているのか知りたい」というのがあって、幾つか店を渡り歩いたんだけど、その中の一つに、これを期に是非とも行きたいと思ったのがコチラ、アール座読書館。
お喋り禁止のカフェとしてよくメディアに取り上げられる店で、移転前にウチが取り上げられるとよく一緒に載っていた。どちらかと言うと、ウチが一人席のみで私語厳禁というわけでなく、あくまで珈琲やケーキをジックリ味わうための、一蘭的味集中システム店なのに対し、アールの方は一応二人席もあって喋らなければOKの、読書空間を第一に考えられた店、と言えるのではないだろうか。

アール座読書館外観実はこのタイミングでUPしたのには訳がある。情けない話、自店が移転して4ヶ月、移転前では考えられない程、あんまお客さんが来てくれなくて、ザックリと似た感じのコンセプトで比較的近場のコチラから、かなりイイ状態で珈琲もケーキも提供できているので、興味持ってくれたらハシゴしてちょ。
【結構人ミルクホール 阿佐ヶ谷住宅】
という意味で、今回取り上げてみることにしやした。

南口駅前のルック商店街の裏手にあって、古くからの名喫茶ネルケンの近くと分かっていたのだが、いざ行ってみると全然わからない。近くをグルグル回ってたら、モルタルアパートのような2Fへ上がる階段に看板を発見した。
アール座読書館入口
アール座読書館【食べログ】
★★★★☆ 4.5 単純に味で
所在地:東京都杉並区高円寺南3-57-6 2F

階段を上がると、公団アパートのようなフツーの玄関扉がお出迎え。中が完全に見えないので、秘密クラブ的で、知らなければ開けることはないだろう。
とはいえ案内板が出ているので気後れなく開けると、中は焦げ茶色、というかほぼ黒い空間で、僅かな照明と外から漏れる明かりに、薄っすらと店の様子が浮かび上がる。
アール座読書館店内
草木が生い茂り、その隙間から水槽に泳ぐ金魚が窺えるという、一歩間違えば廃墟かゴミ屋敷的ワチャワチャ感。オサレとも違う、カオス寸前でウマイことディープな空間が保たれている。よく見ると雑居ビルのようなベースの設えが所々見受けられるが、古民家でも何でもない空間をよくここまで作り上げたなと関心するばかり。
アール座読書館店内2
で、適当な席に着く。書斎机のようなテーブルで、卓上の本棚といい、家具はちょっとゴシックで重厚感のあるアンティークやミッドセンチュリーで揃えているようだ。
アール座読書館卓上
全体の広さは個人の喫茶店としては広い方だと思うが、結構席を作っているので、卓と椅子の間隔が狭めでキツキツな印象。でも席ごとにローテーブルやソファー席などバラエティに富んでいて、皆さん思い思いにすっぽりハマるポジションを探して、狭さを楽しんでいる様子。
アール座読書館メニュー
卓上の本棚の間に他の本に紛れるようにメニューがあり、写真と解説付きの品々の他、店のコンセプト等書かれている。注文は取りに来るまで待つようにとあり、メニューをパラパラめくっていると、自分と同い年くらいのお兄さんがお冷を持ってきた。小声で、時間掛かる旨の確認があり、奥の小さな厨房(後で見に行ったらコンロがやっと1つあるくらいのホントに小さな空間)へ戻っていった。
アール座読書館お冷
お冷のグラスは昭和の小物扱うレトロ雑貨とかにありそうなもの。
注文が来るまでの間、奥の本棚へ向かう。本は小説とかもあるけど、大判の美術系の書籍も多く、わざわざ買うには…と二の足を踏むようなものが気軽に手に取れるのは嬉しい。ジャンル別に大別されていて、とりわけ澁澤龍彦、赤瀬川原平、ユリイカの増刊みたいなのとかイカニモな本もしっかり揃っている。
丸田祥三あたりの廃墟系の本や、旅モノの写真集なんか数冊手に取り席で読む。と同時に、各席にある感想ノートも読む。ここの面白いのは、ノートの続きが読みたければ、同じに席に着けないと読めないという点。なので、中を読むと、前に来た席が取れなかった〜とか書いてある。そんなんを読むのがとても面白い。そして書いてある内容は店の感想というよりポエム的だったり人生相談的なものが多く、どこか病んだ臭いがあって、とても店の性格を反映していて興味深い。

そうこうしているうちに、やって来た、シャーリー・テンプル¥650!
アール座読書館シャリテンメニュー
アール座読書館シャリテンこういうところでは普段飲まないものを頼むようにしているので、そういうのないかと見つけたもの。シャーリーって誰やねん!どこの寺院やねん!と思ったら、ジンジャーエール+ザクロシロップにレモンを絞ったものなんだそう。
結構甘くてジュースっぽさがあるが、ザクロ由来と思われる酸味と元々は濃厚なドロっとしてんだろうなって思わせる果実感が、炭酸で爽やかに飲める。飲みごたえあって好きな味だった。

同行者のブラジル・ブルボン¥650!
アール座読書館ブラジル
紅茶みたいにポットで出てくる。過去、雑貨屋やアンティーク家具屋等に併設されたカフェというヤツで、まぁまともな珈琲が飲めた試しがないので(大抵はエスプレッソマシンで淹れた粉っぽいだけの300円くらいの無駄に苦いスカスカの珈琲)、正直全く期待していなかったのだが、これには驚いた。
アール座読書館ブラジルメニュー
メニューで謳うだけあって、甘みがあるチャンとしたブラジル豆とチャンと淹れている。浅めの炒り(ハイか行っててシティ)でブラジルの甘みを感じさせるグレードの豆を使うってのは、しっかりドリンクにも気を使ってる現れ。まぁこれだけ甘味あるブラジル豆だったら、深炒りまで炒れると思うのでガツンとしたの飲みたいところ。それは私個人の好みだから余談余談。
ともあれ、650円は全然安いシロモノだし、これがポットだから小さめのカップとはいえ2杯程飲めるんだから、皆んな長居するだろうし、大丈夫か余計な心配してしまう。

アテはクッキー盛り合わせ¥300!
アール座読書館クッキー
いろんな種類のクッキーを合わせたものだそうだが、これは既製品だと思う。
アール座読書館クッキーメニュー
まぁまさにチョットしたお茶請け程度。これはこれかな。あ、遅くなったお詫びとかで、しるこサンドももらったんだけど、個人的にそういうサービス要らない派なんで(お菓子のラムネとか飴くれる飲食店、気持ちは嬉しいけど困るんだよなぁ。基本菓子食わないから、いつも鞄の中で粉々になってしまう)、クッキーもあるし、困ってしまった(^^ゞ まぁいいけど。

スタイルだけの店じゃないのは十分わかった。読書は当然、飲み物でもゆっくりして満足して帰ってもらおうという気持ちが伝わった。
高円寺という町らしい店といえばそれまでだが、この異空間はオンリーワンであることに変わりない。この空間を作り、店として何年も維持していることに素直に敬意を評したい。
最後に、机の引き出しを開けた時が、この店の中で一番驚いた。ジオラマ!?
アール座読書館引き出し
というわけで、美味しかったです。ごちそうさまでした。

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