カテゴリ:パン・惣菜・TakeOut > 和・洋菓子

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今回は久々のホットケーキ話を。以前取り上げた珈琲家問題の続き。最初の珈琲家との出会いは【過去記事:初訪|再訪】もしくは12年冬限定本『多摩に行くならこんな店』で取り上げている。
さて、万惣薄っぺら問題から珈琲家問題へと発展した事の発端は、稲田堤と同店名の茅場町店【過去記事】にある。どこでどう珈琲家のホットケーキは変わったのか、どの店がどう関係しているのか、謎が謎を呼んでいた。
その茅場町の記事についたコメントに寄ると、茅場町は1軒のみで、稲田堤は所謂インスパイアで、以前の茅場町店従業員が独立して東上野に出した、ということのようだ。
というわけで自分の中では、ラストオブ珈琲家、東上野店にいったレポを始めよう。

御徒町駅に降り立ち、多慶屋の裏側の路地を進むと急に土砂降りの雨が降り出してきた。慌てて店を目指すも大体の場所は把握していても見当たらない。ふらついているとようやく発見。

珈琲家 東上野店【食べログ】
★★★ 3.0
所在地:東京都台東区東上野2-10-2

大慌てで軒下に隠れ傘を捌く。そんなわけで、あらら、外観写真を見事に撮り忘れてるよ。
ともあれ一息ついて入店すると、そこには昭和の純喫茶とも違う、ややこざっぱりしたコーヒー専門店といった風情の落ち着いた空間が広がっていた。
珈琲家東上野店内
茶色のソファーの4人席が幾つも並び、軽く仕切られてるような感じで、かといって閉塞感もなく、ほどよい明るさも実に落ち着く。
女性店員がお冷とおしぼりを持ってきてくれる。手を吹きながら息の整ったところで卓上のメニューに目を通す。
珈琲家東上野ドリンクメニュー
やはり稲田堤や茅場町と扱ってるメニューや構成も酷似している。
珈琲家東上野サイドメニュー
こちらはホットケーキ2枚まで表記されており、稲田堤寄り。ドリンクはホット珈琲で豆を指定したかったが、伺ったのは夏だったのでアイスで注文。
厨房のご主人らしき男性が静かに焼き始める。予め時間かかると言われたが、百も承知なので気長に待つ。だけど先にドリンクは注文するんだった。またやってしまった!

とはいえ、思いのほかホットケーキが時間かからなかったず、しかもドリンクは同時にやってきたので救われた。
珈琲家東上野ホットケーキとアイスウィンナー
店内は涼しいとはいえここまで蒸したので、まずはアイスウィンナー¥480をチュチュ〜っと。
珈琲家東上野アイスウィンナー
大きめのグラスにアイス珈琲が沢山入ってて、さらにその上にクリームが沢山乗っかってる、つーか詰まってる。いいね、この感じ。
アイス珈琲は濃いめで単純にこの時期飲むには最適な塩梅で、クリームは生クリームをその場でホイップしたものじゃないかもしれない。軽かったが、まぁ十分。
こういうのは途中から混ぜ混ぜして飲むのが好きなのだが、この瞬間って結構幸福感あるよね。

で、喉も潤ったところでホットケーキ1枚¥300!
珈琲家東上野ホットケーキ横から
これまでの珈琲家同様、見た目にかなりデカイが、イタズラに分厚い感じじゃなくてよさ気そう。
シロップをかけ、マーガリンと溶かして混ぜ混ぜしたのを満遍なく伸ばし、ナイフを入れてパクリ。
珈琲家東上野ホットケーキ断面
うん、やっぱりかなりフンワリして、表面のハードさは一番ユルいかと。中は火が均等に入って、生地自体のミチミチ感はかなり少ない。稲田堤はミチミチとしてボリューム感もありつつ、全体にフンワリ感も保っている感じだったが、これまでの中では一番東上野が大きさも小さめで厚みもなくフンワリしている。それでも一般的な店のに比べたら相当デカイし、厚いけど。
ただ、その分なのか、味の特徴がないというか、ただフンワリめに焼けている大きなホットケーキなんだよね。極めてフツーというか。

というわけで、さっくり完食。
以前茅場町のいらした先代のホットケーキ食べてないのでなんとも言えないが、その頃に東上野のマスターがいたはずだから、元々は茅場町もこれくらいフンワリしていたのかもしれない。稲田堤がインスパイアされたくらいだから、それでいて食べ応えがあったのかも。
結局真相は闇の中だが、現状では東上野は町の珈琲店らしい味わいの手焼きホットケーキという線で落ち着いてる気がした。
それでも今手焼きが残っているだけで十分貴重で有り難いこと。ともあれ、これはこれということで、ごちそうさまでした。

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ブログが更新できなかった期間中、私事でしっとりチャーハン関連に動きがあった。バッタバタでキチンと告知できなくて申し訳なかったが、実は4月末に東海エリアローカル「花咲かタイムズ」【公式サイト】というCBCのテレビ番組内の1コーナーに出演していた。
東京から来たしっとりチャーハン野郎が、愛知のチャーハンをハマカーンとともに食べ歩くという企画。東京近郊以外の地元町中華なんて滅多に食べる機会ないので楽しめたが、諸々スケジュールの都合でロケが日曜となって、結構メディア露出の多い有名な店以外は取材NGとなってしまったのが悔やまれる。それでもチェーンとかじゃなくて、長年地元に愛される名店だったし、意外と名古屋ローカルなチャーハンがあることも発見だったので、行けてよかったなぁと。

というわけで、既にOA済みだが、伺った店を簡単に紹介しておく(写真を撮れる状況じゃなかったので、料理やメニューはリンクの食べログを参照いただきたい)。
1)互楽亭@大須観音【食べログ】
…中華屋ではなく食堂。大須観音の近くにある、三角地の店。大須って初めて行ったけど、かなり地元民率が高くて、ちょっと葛飾とか足立の盛り場に行っちゃったような、一瞬で背中がピーンとなる空気感があった。
店も、中華・蕎麦・洋食なんでもあり状態で、客の要望に応えてたらメニュー増えちゃった系。なもんで、なんでも炒めもんはフライパンで作るそうで、炒飯も然り。中華屋のチャーハンというより家庭的な仕上がりで、ちょっとピラフっぽい具材と味付け。しっとり加減が強く、ホックリする味だった。近くにスケートリンクがあるようで、浅田真央が練習後や前に中学くらいまでよく来てはこのチャーハンを食べていたという(他にもフィギュアの有名選手の色紙多数!)。なので真央チャーハンの異名を持つが、中学くらいの色気づいた子が来るとは思えない、エラいドメスティックな店と味のもん食ってたなぁと関心した。定食とかオムライスとか食いたくなった。
2)松楽@吹上【食べログ】
…名古屋でチャーハンといえばココ、というくらい有名店らしい。となるとてっきり若いニイチャン店員の威勢のいい感じを想像していたが、カウンターのみの年季の入った小さいザ・町中華で、年配のオヤジさんが切り盛りする超老舗だった。
パラパラチャーハンがウリらしいが、実際食べてみると自分にはパラパラ要素が全く感じられなかった。東京で言えば完全に板橋にもありそうな、米の水気をしっかり含んだ、しっとりチャーハン。具は少なくシンプルなチャーハンで、モロにツボな一杯だった。
さっきの互楽亭もそうだが、名古屋のチャーハンはベースが醤油味で、結構しっかり味付け濃い目に効いてる。殆ど塩かってくらいの薄味の多い東京近郊のチャーハンからするとかなり異なって感じる。たぶん名古屋の人も気づいてないんじゃないかな。
最後にサービスで頂いた春巻きが変わってて、だし巻きのように玉子の薄い皮を幾重に前に巻いたのに肉の餡が閉じ込められたもの。初めて食べる味で、美味しかった。
3)圓家@春日井【食べログ】
…ここは本来ちゃんぽんの店だが、チャーハンが人気でちゃんぽんと並ぶ看板メニューだとか。実はここはどうしてもと候補に入れてもらった店。というのも、下調べしていたら、愛知の中華屋には殆どチャーハンのある店ではニンニクチャーハンもメニュー化されてて、名古屋名物となった台湾ラーメンやベトコンラーメンの店でも大抵はニンニクチャーハンを置いてる。これはもう名古屋名物にしていいんじゃないかと思ったけど、これまた地元民は自覚ないらしい。
ここは元々は1店舗だったが人気になって数店舗展開するようになったという。千葉の郊外にありそうな、チェーンと個人店の中間のような佇まい。強いて言えば、丸源ラーメンとか来来亭みたいな雰囲気か。ファミレス代わりにラーメン食うような団体やファミリー層向けのロードサイド店って関西には結構見られるようで、関東では大型チェーン以外ではあまり感覚ないかもしれない。王将とかも向こうじゃそんな感じの店舗多いし。
ここのチャーハンはニンニクチャーハンがデフォルトで、さらに何も言わなくても焼き肉が乗ってくる。にんにくの芽と炒めたもので、味付けはここも醤油だが、炒め具合もかなりサッパリしている。おろしニンニクも入ってるが、意外にもニンニク臭くない。ベースの醤油はちゃんぽんに使うのと同じ長崎のメーカーのもので、使っている店は殆ど無いらしい。面白いもん食べた。
で、ロケはほぼ朝一状態で東京から新幹線で行き、終わったのが夕方前。本当は前日入りして名古屋メシやコッチの路地裏酒場とか行ってみたかったんだけど、なにせバタバタの中、強行した感じなんで、とんぼ返りとなってしまった。でも、思ったよりロケが早く終了したんで、少しは時間あるぞと、名古屋駅近くの地下街で、名古屋らしい喫茶店で一休みすんべと、地下に潜ってみた。

10年以上前に名古屋に来た時も、どこがどうなってるのかサッパリ分からず路頭に迷ってしまったが、今はスマホあるので迷うこともなかろう…という安易な考えは無残にも打ち砕かれた。地下GPS死んどるがなorz
地下街も幾つかあって、どこでどうつながってるんだかサッパリ分からない上、場所によって深さが違うので、土地勘がない身には目的のメイチカがどの地下街に位置しているのか全くもって理解不能。
案内板にもハッキリと構造が記されておらず、同じ所を何度も往復し、諦めかけた矢先、やっと発見した。
みかどメイチカの様子
あぁ、何度も前通ってたわ。こんな小さな一角だったとは。
みかど外観
パーラーみかど【食べログ】
★★★ 3.0
所在地:愛知県名古屋市中村区名駅3-14-15 名古屋駅地下街メイチカ内

小さな店が密集するところに、結構オオバコな喫茶店が入ってるもんやねぇ。
並んだショーウィンドウのサンプルが如何にも喫茶店って感じで、テンションが上がる。
みかどショーケース
名古屋の喫茶店といえば、サービス旺盛なモーニングが有名だが、時間的にモーニングはアウト。折角だから少しは食べたいし、何がいいかなぁと眺めていたら、ホットケーキが目に飛び込んできた。
ドリンクつけて510円とは安い!
みかどホットケーキサンプル
サンプルは手焼きっぽい厚みのあるもので、でも流石にこの値段で手焼きはないかと思いつつ、それは違う文化圏の考えで、ひょっとしたらひょっとするかも。よし、試してみんべ。

入るとテーブル席がズラッと並ぶ喫茶店らしい光景が展開していた。
みかど店内
これまた昭和の喫茶店然とした身なりの給仕がフロアと厨房を行き来している。
適当に空いてた窓際の席に腰掛ける。買い物で一休み風の女性が多いが、喫煙率が高い。殆ど身元民っぽい。
みかどメニュー1
そんな時間に余裕あるわけでもないし、食って変えるだけなら我慢できるかと荷物を整理して落ち着こうとすると、早速果物が運ばれてきた。

みかどデザート
たぶん黄桃かと。セットに付いてくるサービスデザートだろう。如何にも缶詰!って感じだが、こういうの久々に食べるなぁ。東京でも喫茶店というとこういうのがよくついてきた。キンキンに冷えてるわけじゃないけど、たまに食うとシロップに浸かった甘さが染みる。

みかどアイスコーヒーすると立て続けにアイスコーヒー登場。
名古屋の、特にこういうベタな感じの喫茶店ではコーヒーは期待できないと聞いていたので、せめてアイスなら濃いめが出てくるだろうという判断で頼んだが、これが淹れ置きかパックだったとしても結構しっかり濃いめで風味のいいアイスコーヒーで、ブラックでも全然飲める。疲れた身にはこれまた染みる一杯。
いいぞ、ここまではイイ感じ。

そんなこんなを思っていたら、凄い早さでホットケーキも登場してしまった。
あらら・・・このスピードは見るまでもなくチン。
そして、実際のを見てみると、、、
みかどホットケーキセット
モノの見事にシナっしな。しおしおのぱぁ〜といったクタビレ具合。ザ・チンしたホットケーキですわ。やっぱ値段的に期待はしてはいけないものの、サンプルとのあまりのギャップに驚きを隠せない。
みかどホットケーキUP
まぁこういうトラップも含め、こういうタイプの喫茶らしいというか、楽しまないととは思うが、ここまで見事なのはホント久しぶりですわ〜
まぁ食うだけ食うべと頂くことに。
みかどホットケーキ断面
ペラッペラのホットケーキはナイフ出来るのもなんだかみたいだが、シロップとマーガリン多めに塗って頬張ると、あらら!? フニャフニャだけど、味はイイぞ。これまで、手焼きでも??なホットケーキ結構食べてきた身としては、レンジでもフニャフニャでも美味しければコレのほうがイイぞ。なんでだ、なんで特別なんてことないのに、フツーの斜め上くらいを行く、言葉で表せない直感的な美味しさがあるのは。

あっという間に平らげ、レジにてお会計。気づけば、値段以上の価値、コストパフォーマンスのよさに、ホクホク顔で店を後にする自分がいた。と同時に、何度も首をかしげてしまうのだった。
世の中には不思議な事がママあるものだ。これが名古屋喫茶マジックなのか。でも今度はゆとりのある時に来て、モーニングを味わってみたい。
というわけで、不思議と美味しゅうございました。ごちそうさんです!

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このところブログ更新が停滞してて申し訳ない。久々のUPを記念(?)して、今回は変化球、しかも超長文と行きますか。
当ブログでは自分の職業柄、珈琲について詳しい味のことは述べないという方針なのだが、ちょっとここで書いておきたいことがあったのと、結構多くの方が言われている問題について思うところがあったので、あの青瓶ことブルーボトルに触れたい。

サードウエーブなる言葉とともに日本に上陸したアメリカのブルーボトルコーヒー。その1号店が清澄白河の路地裏というのも十分衝撃だったが、確か当時の文句は、倉庫街の1室からスタートした創業地と似てる、だったかな。
はて? 清澄白河ってアメリカの運河沿いの倉庫街みたいな風景だったっけか??
自分が何度か訪れている清澄白河は、嘗て自宅の1Fで家族経営の工場をやってたっぽい民家が商売畳んで倉庫にしてる、ってなところか。
そんなことを考えながらトボトボ歩いていたら、本当に民家の1Fが倉庫や駐車場になってる家の間にブルーボトルが出現した!
ブルーボトル外観
ブルーボトルコーヒー 清澄白河 ロースタリー&カフェ【食べログ】
★★★★☆ 4.5
所在地:東京都江東区平野1-4-8
【公式サイト】

う、うそだろ!?
正しく目を疑うとはこのことで、周囲は零細町工場があった住宅街。自分の川口の実家の周囲がまさにこんな感じで、実家に帰ってきたような思いさえしていたが、言うなれば、実家の目の前にブルーボトルが出来た感じだ。近隣住民さぞビックリしたことだろう。
そしてマジか!?と言わんばかりに、客は完全に地域住民とは高い壁を感じさせる人種ばかり。その何割かは外人。しかもPCは全部リンゴマーク。
まぁどっか少し離れたところに商業エリアでもあんのかもしれない、ということで自分を納得させて、白っぽい木と硝子で出来たクソ高いドアを入る。入口には店員がスタンバってて、カウンター奥で注文と会計して、後は好きなところで飲み食いしてくれと案内される。
ブルーボトル内観
一応テーブルは1Fとロフト状の2Fにあるが、立ち飲みしてる人も多く、店の構造自体が、あまり席に着いてノンビリという喫茶店スタイルではないことを初めからアピールしているかのよう。
ともあれ奥に行ってネーチャンに注文する。珈琲がメインなので、豆の種類を選ぶストレートとアイス、アレンジ珈琲もあるが、後はちょっとした焼き菓子程度。珈琲以外ではミネラルウォーターが300円と、どこぞみたいに水も有料(無料の水もあったかな)、時代を先取りか。
ただスタバに慣れた日本のマーケットを意識してなのか現地もそうなのか知らんが、アレンジものはマキアートとかラテとか多くて、他の客を見てるとやっぱそうしたアレンジ珈琲を飲んでるか、フツーにアイスコーヒーにミルクとガムシロ入れてたりしてる。
というのも、ここでサードウエーブについて簡単に触れておかにゃならんか。
自分が最初この言葉を耳したのはネットのニュース記事。関連サイトを辿ってみた感じでは、昭和の喫茶店みたいなんがあって、その後、ドトールとか安価な珈琲に取って代わって、スタバが出てきて後、今度は品質にこだわったサードウエーブ=第三の波が来る!みたいな文脈だった。
これを読んだ時、ちょっと待てと。日本で言えばコーヒー文化なんてそれこそ戦前からあって、銀ブラって言葉の語源となった銀座のパウリスタとかさ、永井荷風のもの読んでても出てくるわけで、日本に珈琲豆が流通する過程とか独自の喫茶文化が出来上がる背景を無視して、ここ数十年だけでサードウエーブなんていうのは余りに近視眼的過ぎると思った。
先日、渋谷のアップリンクで上映されてた『A FILM ABOUT COFFEE』【公式】って映画を観てきたんだけど、これはまさにサードウエーブの珈琲とは何ぞやというドキュメンタリーで、やはりサードウエーブの定義付けは上記とは異なるものだった。要約すると、珈琲っつーのは最初、単に珈琲だったらOK、カフェインだったらOKみたいな感じで、特にこだわりとかなくインスタントとかが主流だったのが、どういう風に焙煎されたかとか、どういう抽出方法がいいのかとか、珈琲という液体になる前の作業工程が注目されるようになって、そして今は、そもそもの珈琲豆がどうやって市場までやってきて、さらに遡ってどういうふうに栽培されてそこに違いがあるのか、っていう焼かれる前の生豆の状態にまで言及されるようになったと。それがサードウエーブなんだと。
なるほど、それなら納得。日本でも2000年頃からスペシャルティ珈琲という名前で、国だけでなく、どの産地のどういう栽培・精製方法で作られた豆なのかをはっきりさせて、そこに価値がつく珈琲豆が出てくるようになった。いうなれば、スペシャルティ珈琲の映画だったんだけど、それをなんというかね、サードウエーブという言い方がキャッチーというか、そこが上手かったんだろうね。
ちなみに、映画では当ブログでも触れた今は亡き大坊珈琲【過去記事】が映っているので、これを観るために映画館まで足を運んだわけだが、サードウエーブとか全く関係ない文脈で、ただ珈琲の文化の一つの形としてボコっと半ば強引に入れ込んだ感があった。もう見れない姿が拝めただけで価値はあったが、要は武士道的な珈琲道みたいな、大坊氏の所作に美学を感じるというか、ようは珈琲のジャパニーズ・サムライという扱いだったのね。向こうの人の好きそうな。
閑話休題。って長ぇな、いつものことながら。
ならばとシングルオリジン(要はブレンドじゃなくてストレート珈琲の豆を選ぶ)で注文。その日扱ってる豆はメニュー台下やコーヒーを抽出してるカウンター背面に掲示されている。のだが、あんま気に留めてる人がいない。つーか、メニュー見ても全面に推されてるわけではなく、他のメニューに埋没しているので、これじゃ折角のサードウエーブも普及に貢献できてないな。
でもこれはココだけの問題じゃなくて、アメリカでも店が大きくなるとM&Aの対象となるようで、国内は愚かこうして国外にも店舗展開するとなると、当初の企業理念は失われるものらしい。昨今は特に小規模の店舗でも買収のターゲットになるという(ウチの仕入先に最近そんな話題が上がってたので参照【M&A-4グリーンマウンテンコーヒーとサードウエブの終焉?】)。サードウエーブも本当の珈琲の姿を提示するという役割でなくなりつつあるってことかな。
ともあれ、カウンター上部にたくさん並ぶドデカいドリッパーで珈琲は抽出され、出来上がると番号で呼ばれる。
ブルーボトル2F
とりあえず空いてた2Fの席に着いて待っていても、2Fまで声が全く届かないので、仕方なく頃合いを見てカウンター前で待つことに。

で、やっと出てきたよ、ドリップシングルオリジン(コロンビア)¥550!
ブルーボトルドリップシングルオリジン
ガラスの大きなカップに入って、かなり量はありそう。
豆はコロンビアのポパヤン・ウインターハーベスト【ブルーボトルFacebookページ】というもののようだ。説明によると、クリーミーな口当たりでミルクチョコレートのような風味とキャラメルやりんごを思わせる優しい甘み、らしい。飲んでみると、薄いというか、かなりさっぱりしていて、爽やかな飲み口。それでいて、奥にコクも感じて、味がすっぽぬけてないというか、さっぱりしてる割に飲みごたえはある。
ブルーボトルアイスシングルオリジンよくブルーボトル、ひいてはサードウエーブ全般に言われることとして、酸っぱいというのがある。同行者もシングルオリジンのアイスコーヒー¥500を飲んだが、酸っぱいといっていた。
サードウエーブ珈琲の特徴として、珈琲豆が浅炒りというのがある。コーヒーをあんま炒らない、誤解を恐れずにいえば、あんまり焦がさない。珈琲が苦いのはシッカリ炒るから、ザックリいうと焦げてるから。だからサードウエーブのは苦くない。その分、酸味が出る。この酸味が珈琲豆固有の特徴と考えられていて、スペシャルティ珈琲でも産地ごとの珈琲豆を採点するカッピングという作業では、浅炒りの豆を用いることが殆ど。
でも、折角500円とか払って、単に酸っぱいとしか感じられなかったら、その人は珈琲を好きになるだろうか。産地ごとの個性が感じられて、珈琲ってこんな今まで飲んだことのない味がして、新しい美味しさを発見した、なんて思ってくれるだろうか。サードウエーブ側としてはそう思って欲しくて浅炒りにしているのだろうが、現実、多くの人がただ酸っぱい珈琲としか思ってないのなら、非常に残念な結果と言わざるをえない。
とここで、なんで珈琲は酸っぱいかについてまとめておきやすか。
珈琲と酸っぱさの関係は、怨恨と言ってもいいかな、非常に根深い。昔の喫茶店のコーヒーは大抵酸っぱくて、ウチでも酸っぱくないコーヒー下さいというお客さんが実に多い。これは、昔は大手企業から焙煎された豆を大量に買って店で長期間常温で放置していたから酸化して酸っぱくなっているだけで、コーヒー本来の味ではなかった(この酸化した酸っぱみを誤魔化すためにミルクや砂糖を入れるようになったとも言われる)。昔は苦味に耐性がない人が多く、殆どのコーヒーが浅炒りだったが、食糧事情が良くなって皆んなが色んな物を食べるようになってから、味を楽しむ幅が広くなって、徐々に深い炒りも好まれるようになった。
このブログではよくラーメンの、特に豚骨の話をするのでソレに例えると分かりやすいだろうが、スープのコクは脂が水と煮立つことで混ざって(乳化して)生まれるように、珈琲も植物(種子)だから、強く火を入れる(深炒りにする)ことで油が出て、熱い湯を落として混ざる(抽出する)ことで、コクのある珈琲になる。つまりコクが強い=旨みが出てることだから、中毒性があって、珈琲にハマる人は深炒り好きが多くなった。
でもこれだと、深炒りにすればどんな産地の豆でも関係ないじゃないか、という話になる。ここが難しいところで、焦がすと苦いだけで旨みが感じられなくて、何処まで火を入れられるかっていうラインが豆の持つポテンシャルによって結構違うのだ。ここは焙煎技術の世界になってくるので難しいのだが、この産地のこの標高のこの品種の豆は水分量が多いとか、ちょっとでも深く炒るとスグ焦げやすいとか、昨年はよかったけど今年はイマイチとか、輸入した時のコンディション含め、豆の事良く知ってて初めてこの豆だったらどう炒ろうかって判断ができるようになる。
だから、浅炒りで表現できる味だけが珈琲の味じゃなくて、火の入り加減で味が変わってくるから、確かにサードウエーブは珈琲が本来持ってる酸味を楽しむ意味では新たな楽しみ方を提示できたのかもしれないが、実際多くの人がただ酸っぱい珈琲としか感じないなら、昔の喫茶店の、管理の悪い参加した酸っぱい珈琲と変わらないと思う人も沢山いると思う。それでは、元の木阿弥ではないだろうか。
スタバ出てきて、アレンジ珈琲のようにクリームとか色々加えてるとはいえ深炒りに馴染む人が増え、ストレートでも砂糖ミルク無しで深炒りコーヒーを飲む人も男女とも増えた。じゃなければ、ダークローストのコンビニコーヒーがこんなに普及するはずない(昔じゃありえないよ、あの深炒りは)。その一方で、苦いだけのコーヒーが増え、元々焦げただけの味と一蹴してた人や、どこも深炒りで飽き飽きしていた向きもあって、そうした人たちがサードウエーブの酸っぱい珈琲に流れたというのもあると思う。確かに、豆のポテンシャルを十分引き出した浅炒りを出す店はあるようで、そういうところで、苦いだけじゃない珈琲の世界に触れたという人の話も聞く。
じゃあブルーボトルはどうだったのさ?と言われたら、自分は、ただ酸っぱいだけの珈琲じゃないとは思った。珈琲本来のもつ、浅炒りでないと表現できない酸味が感じられて、美味しかった。
ただ、これって、多くの人がそう思うようじゃないとダメなのかなぁというのが率直な感想。そこまでのインパクトあるものを常時出し続けるのってこれだけの人数のお客さん捌く商売としては不可能に近い。個人店でやったってブレるのに。事実、深炒り好きでもちゃんと豆の味が引き出されて酸っぱいだけじゃない珈琲なら好きな同行者が、やっぱり酸っぱいを眉間に皺を寄せてるわけから。
店の説明で、クリーミーな口当たり・ミルクチョコレートのような風味・キャラメルのような甘み、って3つの要素上げてたけど、これって、深く炒ることで表現される珈琲の味わいなんですわ。これを表現したいなら、絶対もっと深く炒れば、よりクリーミー(乳化してるってこと)でチョコやキャラメルのような甘み出るよ。チョコだって、カカオ豆なわけだから、カカオを強く炒れば香ばしくて苦い、よりチョコっぽい味になるわけだから。
多くの人が酸っぱいと思うものに、甘さやクリーミーさ感じるわけ無いじゃん。火が入ってるから、豆によっては多少は感じられるっていうならわかるけど。浅炒りで表現できるのは唯一、りんごを思わせる、ってところだけ。これは果実という農作物の持つ酸味が成せる技だから。あんま火を入れて化学反応させてないわけだから、草っぽいというか青々とした、果実よりの味になって当然。こういうところでも、勿体ないなぁと思ってしまう。

あぁ、コーヒーのことでエラく長くなってしまった。
パウンドケーキ¥450
ブルーボトルパンプキンパウンドケーキ
味はパンプキンで、しっとりしててミッチリ濃厚。蒸しケーキのような鼻にスンと抜ける香りはあるものの、500円程のお茶うけとしてはジャンクっぽくないし、十分イイ感じ。

珈琲一杯500円以上で、立ち飲みになるかもしれないこともあって、高いという人もいるらしいが、自分は安いと思った。
味をウマイまずいと感じるかは個人の問題だが、とにかくシングルオリジンの一定上の品質の珈琲豆を人が手でドリップしたものを500円程で飲めると考えれば、そこに席料は入らないんじゃないかな。これだけ量捌いてるから寧ろ可能な価格で、このレベルのコーヒーを一杯だてで提供したら600円以上、更に席でゆっくり飲めるとしたら7〜800円以上すると考えるのが妥当だ。これより安い値段でやってる店があったとしたら、珈琲だけで商売してないか、相当身を削ってると考えられる。
そういう意味でも、ちゃんとしたもんをちゃんと出せばそれなりの値段になって、飲む側がそれだけの金額払うだけの価値があると思ってくれるようになればベスト。できれば、酸っぱいだけじゃない浅炒りの魅力が分かりやすく伝わるような豆を厳選するとか方策を練って、珈琲の魅力をもっと多くの人に伝わるような方向で進んでいってほしいなぁと。まぁもっと焙煎の幅をとって、炒りの強さで味がこうも変わるのかとか提示できれば、日本に既にあるスペシャルティ珈琲に目が向けられるキッカケになるんじゃないか。でもそれには現状ではまだまだ壁があると実感した、というのが今回の感想。
以上、長文お付き合い頂きありがとう。

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ブログネタ
パンケーキ に参加中!
最近UPした珈琲館【過去記事】でも述べたが、近年いくつか評判とされるホットケーキを食べて、特に茅場町の某店【該当記事】で食べてから、改めてBTTBというか現存するファーストインパクトを再確認したいという意識が強くなり(現存しないファーストインパクトは万惣【過去記事】)、いよいよ再訪の時を迎えた。

【初訪記事:珈琲家@稲田堤〜万総薄っぺら問題遂に決着!?】

夕暮れ時。南武線沿線らしく飲み屋が開き始め焼き鳥の煙と香ばしい臭いが路地に漏れ出す頃、前回同様、そこは同じ佇まいで迎え入れてくれた。
店前風景@珈琲家稲田堤

外観@珈琲家稲田堤珈琲家【食べログ】
★★★★★★★★★★ 俺的ホットケーキ先生
所在地:神奈川県川崎市多摩区菅1-2-19

前回と違うのは、店内に先客が居たこと。この日は後客もやってきた。ヒトのこと言えないが、この手の店では如何にも遠征してホットケーキだけ目当てに来ましたというお嬢ちゃんやヲタ兄ちゃんの姿ばかり目にするものだが、店主と話に花を咲かせるカウンターの定位置に着く常連と思しき旦那や、新聞から目を離さずレモンスカッシュだけ飲みに休憩に来るオッサンといった、町場の喫茶店らしい日常の光景となっていた。
店内@珈琲家稲田堤
厨房には奥様とパートだろうかご婦人2人がフロアとドリンク淹れたり作ったりサポートしてて、マスターらしき男性がメインでホットケーキを焼く。
ドリンクメニュー@珈琲家稲田堤
フードメニュー@珈琲家稲田堤
奥のテーブル席に着いたが、カウンター越しに厨房の銅板が見え、ご主人が自分らが注文したホットケーキを焼く様が垣間見れた。ここならではの焼き具合を見るテスト用のミニミニホットケーキを垂らすところが丁度見れた。

そんなんをみながら、まずはウインナーコーヒー¥510で一息。
ウインナーコーヒー@珈琲家稲田堤
茅場町との比較でヨーグルトドリンクをとも思ったが、ここに来るまで冷たいもん飲んできたので(後日記事書きます。すっごいよw)、昔馴染みの所謂喫茶店メニューで何気に好物なウインナーを選択。冷たいのだとコーヒーフロートも好きなんですわ。
で、お味は、これぞまさしくザ喫茶店の味!で、特別な産地のコーヒー豆とかではないと思うが(違ってたらスンマセン)、濃い目にしっかり抽出した珈琲で、上の生クリームとのコントラストがよくとれている。といってもクリームが甘いから苦味とバランスがいいというわけではなく、サッパリとしたクリームで甘さは殆ど感じられないのに、スッキリとまとまりつつもチャンとコクは演出されていると。何気ないようで意外とちゃんとしたもの出すとこってそんなない。

今回初めてホットケーキ以外のフードも頼んでみた、玉子ローストサンドウィッチ¥550!
玉子ローストサンドウィッチ@珈琲家稲田堤
おおっ、このボリュームでサラダまで付いてこの値段かぃ!!
玉子サンドUP@珈琲家稲田堤
玉子はスクランブルエッグではなく出汁巻き的に厚焼き玉子状態になってて、手の込んだ一品。適度にしょっぱくレタスもタップリでこれだけでお腹いっぱいになりそう。

そんなこんなで長期戦を覚悟でのんびり飲み食いしてると、思ったより早く出来たようで、おもいっきり不意をつかれた!
ホットケーキ¥330!
ホットケーキ1枚@珈琲家稲田堤
こっちは同行者のホットケーキ2枚¥580!
ホットケーキ2枚@珈琲家稲田堤
思ったより真円じゃなかったが、厚みは初回のイメージ通り。表面は両面ともバキっとキレイな強めの焼き目。ムラがなく本当にキレイ。大きさは茅場町より一回り小さいくらいで十分大きい。
ホットケーキ断面@珈琲家稲田堤
割ってシロップを掛けて頂くと、均等に火が入ってベチャつかずパサつかず適度にシットリと焼けている。これよ、コレ!! 流石の職人芸、これにお金を払っているのよと思わしむる仕事。
ひとつ、前回と印象が異なるのが生地自体の重み。前はもっとフワッとしてたと思ったが(一応前回記事ではモチっと弾力があると書いてはいるが)、いや、前回は経験値が低く、他所との比較が出来てなかった。改めてコチラのを食べてみて、なるほど、生地自体はかなり他所のホットケーキに比べてこの珈琲家系は重いことがわかった。その重い生地が、ただ重いだけで食べてて苦しくなるか、キッチリ丁寧に焼くとシットリ焼き上がって量食べられるようになる。ホットケーキ自体、生地自体の食材とか所謂喫茶店に関してはどこも大して違わない中、違いが出るのは強いて出るとしたら甘さくらいなもんで、如何にふっくら丁寧に焼くか、技術的な問題1つだと改めて思うに至った。

生地が持たないからだろうが、よっぽど出ない限り手焼きのホットケーキの店が限られる中、こうして焼き立ての職人技が体験できるのは値段じゃなくて、贅沢極まりない。いや値段なんて材料費から考えれば妥当かもしれないが、技術料や経営考えれば安すぎるくらいだろう。
今度UPする、ココの前に立ち寄った店や、以前UPした焼き鳥屋【過去記事】しかり、南武線らしい下駄履きの本来あった駅前商店の姿が息づいていて、本当に嬉しくなってしまう。こういう風景にであると、なんとなく頭の中で、ちあきなおみの黄昏のビギンが流れるんだよな。

当たり前といえば当たり前だが、それが町を構成する大事な一つとして現役で機能していることを余所者ながら体感できることに改めて感嘆するのだった。
たまのチョットばかりの遠出に最高の一品。しみじみウメェっす。これぞ贅沢。ごちそうさまでした。

珈琲家 ( / 喫茶店 )
★★★★★5.0
supported by ロケタッチグルメ

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ブログネタ
パンケーキ に参加中!
当ブログで何度かホットケーキに触れてきた。最近では茅場町の某店でイタイ目にあい、既食の確実なところのリベンジを誓ったが、それを果たす前に、そういえばチェーン系の珈琲館のホットケーキがイイ感じだというのを結構方々で目にするのを思い出し、外で晩御飯食べた後のコーシーブレイクにと寄ってみた。中央銀座@大島

場所は江東区の大島。砂町銀座から丸八通りを大島駅に向かい北上しながら、休憩がてらちょっと何か食べられるところを・・・と考えていたら、この辺って珈琲館が多いんじゃないかと思い至り、ググってみると案の定駅前にある! 休憩にも小腹満たすのにもホットケーキで丁度イイやと、途中裏通りの中央銀座という商店街がイカすのが気になりつつも、中にある喫茶店が臨時休業だったのも手伝って、珈琲館に入るのだった。

外観@珈琲館大島珈琲館 大島店【食べログ】
★★☆ 2.5
所在地:東京都江東区大島6-8-23
公式サイト:http://www.ufs.co.jp/

大島といえば都営団地が連なるナイスビューが拡がる町。初めに降りたのは、駄菓子屋ゲーセンがあると聞いて。確か「打菓子ほりえ」っていったかな。打つの字は確か「飲む打つ買う」から来てるんだったか、そんなもんこどもが来る店につけんなよとおもったが。
その後、以前よく自家焙煎コーヒー店を巡っていた時にクラヴィアって店に来たっけ【参照ブログ】。それを思い出し、団地1Fテナントに入る喫茶店なんてあったらイイなとも思ったが、時間も遅く、そもそもテナント自体が疎ら。団地に入るサイゼリアで休憩も悪くないが、珈琲館にしましょ。
店内@珈琲館大島
店は奥に長く、閉店1時間前でそこそこ通勤帰りっぽい人たちが入っている。奥が良さそうだが禁煙が手前だけなので、入口スグの席へ。コーヒーメニュー@珈琲館大島
たまたまなのか、店員は2人とも女性。でも見ていると店長なのかメインで入ってる人っぽい。
珈琲館は実に15年ぶりくらいで、メニューが変わっているのに驚く。いやラインナップはさして変わらないかもしれないけど、前は入口に本日のストレート珈琲が掲示されてて、店内にもストレート珈琲のラインナップが並んでたと思ったが。FCの系統でも違うのだろうか、あまりストレート珈琲推しな感じがない。
ホットケーキメニュー@珈琲館大島
代わりにというわけでもないだろうが、ケーキなどサイドメニューがやたら豊富で、着いた席の背後にもホットケーキのポスターがデカデカと貼られていたが、卓上のメニューを開くとホットケーキだけでトッピングや蜜のセレクトで相当な種類用意されている。せっかくだからとシンプルながら少し変化も加えたものを選び、焼き上がりを待つことに。

やはり多少は時間を要するようだ。ポスターでは銅板で手焼きをしていたが、全店銅板とは思えないものの、フライパンだか何だかでは焼いてるのだろうか。こういう場合は、時間がかかってくれると逆に安心する。いきなり、チン!とか言ってソッコー出てきたら目も当てられないから。
で、待ってる間マンデリン¥510を頂きやす。
マンデリン@珈琲館大島
あれ? こういっちゃ失礼だが、ちゃんとインドネシアの土で育った固有の味がある。ただ単に深煎りってだけのマンデリンがコーヒーショップに限らず自家焙煎店でも多い中、本来の豆の味が死んでないってのは珍しいし、しっかりと濃い目に淹れてあるのも好感触。こういう店はよく、常連のオバチャンオッサンに文句言われるのが面倒臭いので必要以上に熱く薄く淹れがちだが。
気になってメニューを見返すと、スペシャルティ珈琲豆使用とのこと。スペシャルティといってもピンキリなのでどういう出自のものを使ってるのか知らないが、こういうのがこういう店で500円そこそこで飲めるとは。隔世の感がありますわ〜

感心しているとやって来ました、花蜂蜜のホットケーキ2枚¥420!
ホットケーキ@珈琲館大島
ってアララ?? 見た瞬間に抱く違和感。やっちまったか!?
慌てて後ろを振り返りポスターと見比べる。
分かりますか? エッジですよ、エッジ。
ホットケーキ横から@珈琲館大島
そう、端っこが型から抜いたようにエッジが立ってるでしょ? これね、たぶん板で焼いてないです。どら焼きだって、皮をチャンと焼いてるのは中央部分が丸く膨らんで、角もRが付いてるでしょ。横から見ると側面にクビレがあってね。ホットケーキもああ焼けるはず。ポスターのもそうなってる。で、よく写真見ると右下に小さく「写真はイメージです」が書かれてた!ヤラレタ!!
ってことは、この逆台形は恐らくスフレ型じゃないかと。型に紙敷いたりして生地流してオーブンか何かで焼いてる。だからそれなりに時間がかかる。
いやそれが悪いってんじゃないですよ。星乃珈琲の窯焼きスフレパンケーキとかかなりイイ線いってるし、大好物【過去記事】。なんだけど、これは・・・
ホットケーキ断面@珈琲館大島
しっとりというより中の方がベチャってる部分と、端の方はパスってる部分がある。悪くはないけど、わざわざ頼むような名物の逸品として期待できる看板商品がコレだとしたら、かなり残念ではある。
ホットケーキって、ケーキ全般がそうだし、中でも特に子供の贅沢というか夢のごちそう感あるから、こういうメニューって特別に頑張んないといけない部類のもんだと思う。いや、悪くない。フツーに食べられる。でもちょっと「フツーに美味しい」が許されないジャンルだと思うんですわ。その意味でどうしても厳しくなるというか、美味しい美味しくないを超越したスペシャル感が問われるかと。
ガテマラ産珈琲の花蜂蜜にしたってのもそういう意味で。ただのシロップじゃ味気ないと思ったから。思ったよりサッパリとした大人の甘さで、経験値が低いからか花蜂蜜の独自性まではわからなかったけど、これはこれで悪くなかっただけに、ホットケーキ自体が悔やまれる。

でも評判のホットケーキがこれかと思うと不思議になって、後日検索してみた。すると、衝撃の事実が判明した。
珈琲館にはやはり系統があり、さらに中でも銅板で手焼きしている店があるという。極一部だが、その一つが豊洲って、その日2度もいった場所じゃないかよー(T_T)
他に金町飯田橋千石大井町等にあるらしい(根津・神保町・阿佐ヶ谷もそうらしい)。ホットケーキではよく参照している純喫茶にぃ先生のブログにその辺は詳しい【ホットケーキ先生談話室】。リンク先の写真見ると、ね、角や側面が全然違うでしょ?
これはなんとしても銅板キノミ珈琲館に行くしかあるまい!
と、その前に、あすこに再訪したので、近々UPしやす。ともあれ、ごちそうさまでした。

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