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ヤフーニュースにもなっている拙記事、
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「ラーメン一杯1000円以上は高い」論がもはや時代遅れと言えるワケ

について、補足というか書ききれなかった部分があるので、ここに留めておきたい。


ヤフーニュースのコメント欄ではだいぶdisられてるようだが、モノの価値を高いか安いかだけ問うのは、受け手個人個人の価値観の問題なので、それ自身を取りざたするのは不毛と言っていいかもしれない。
ただ、ここで言ってるのはこういう問題ではない。ましてや、原価を考えれば今の価格でも高いという意見があったが、光熱費や家賃などの固定費、諸々差っ引くと、どんなに原価安くとも、そんなに手元に残るものではない。安い材料でアホみたいに人が来る時代ではないし、ハッキリ言ってラーメン屋は、コストもそうだし、拘束時間、体力的な部分でも、仕事として効率が悪すぎる。

飲食店が続けられるために、必要な売上が現状の価格では殆どの店でしっかりと担保できず、これからの経営を見据えた時に、従業員にも給料を払えて、店もある程度蓄えを備えられて、自らも家族を養えて年に数回は旅行に行けるくらいの金銭的時間的ユトリが持てるくらいでないと、ラーメン屋、ひいては個人・家族規模の飲食店はなくなってしまうのではないか。
現状、このコロナ禍で、ほんの1〜2ヶ月程度持たないという、飲食店の経営体力の実情を見せつけられた訳で、そこは食べ手も、それなりの仕事をしているものに対しては、しっかり店主が生きていける対価を支払うという意識を持たいないとホントにヤバイことになるぞと思われたのではないだろうか。

適正価格は本当に適正な価格なのか?
なんでそんなにラーメン一杯の値段が、この20〜30年で1.5倍程度しか上がってないのかというと、やぱり横の様子というか、よほどの付加価値をつけない限り、他店よりかなり高い値段を付ける勇気がないんだと思う。
同じような内容だったら安い方に行くのは人間の心理で、そのために、本当はもうちょっとほしいところでも、高くしてお客さん来ないんだったら、ちょっとは利益分を自分が飲んで、世間が思う適正価格に合わせざるを得ない。
こういう現象を目の当たりにしたのがスーパー銭湯で、台頭した頃、多くの施設が2000円近い価格設定をしていた。よく考えれば、広大とも言える土地で、銭湯の何倍もの湯船・カランの数があって、水だって大量に使うんだから、それくらいしたって可笑しくない。健康ランドがだいたい2000円くらいだから、その辺の価格設定になるのだろうが、お客さん来ないんで、徐々に下げていって、だいたい7〜800円くらいで落ち着く。
消費税増税とかで、今は800〜1000円くらいの施設が多いが、あれだけ風呂やサウナや食事処、休憩室まで整っていて、銭湯の倍くらいの値段というのはやっぱりおかしい。でもそれがだいたいのスパ銭の適正価格となると、健康ランドが高く見えて、価格を下げたり、クーポンつけたり、曜日ごとにタイプの違うサービスデーを設けて、なんとかスーパー銭湯レベルで入れる努力をしている。

自分も店をやっていたからわかるが、ちょっとでも世間の適正価格(そんなもんないんだけど、一般の人がそう思っているであろう値段)より高いだけで、高い高いとめっちゃ言われる。気にしなきゃいいと思われるかも知れないが、このプレッシャー、ストレスたるや、もう半端ない。
先のスパ銭の例でいえば、じゃあ価格を半分に値下げしたら、倍のお客さんに来てもらわなきゃいけない。スパ銭の場合は、もしかしたらこれが実現できるかもしれないが、飲食、特に自分のやっていたような珈琲店は、値段を半分にしてもお客さんはまず倍は来ない。仮に来たら、仕事が倍になるわけで、これまで一人で回したものが回せなくなって、バイトなりを雇うこととなる。給料を払うには、またさらに売上がないとならなくなり、だったら一人でやるとなれば、仕事のスピードアップや効率化を優先し、品質は二の次にせざるを得ない。品質をキープすれば、安いのに数が裁けず、実入りはすくなるなる。もう既に行くも地獄、退くも地獄の状態だったとも言える。

底値=適正価格というバイアス 
この状況を打開するには、なんとか消費者側に、これまで安すぎた価格を本来の適正価格に戻す頭にしてもらう術はないものだろうか。
それには、底値が適正価格になるという発想を変えてもらうしかないと思っている。
自分の知り合いの話だが、スペシャルティグレードの珈琲豆が一般価格の半値ほどの店があり、そこの豆の値段が基準となっているので、一般的な価格の店を高い高いというのだ。
昨今の自家焙煎店は一人で独立して経営しているところも多く、高額となる焙煎機を買って、地代も払って経営するには、一般的な価格でも到底安いとは言えない。半値ほどの店は、問屋も兼ねており、一度にかなり大量に豆を焼くし、固定ファンがいて特売日は信じられないほどの数を捌くことになるので、ブレは結構あるとはいえ、あの安さが実現できるのだろう。それでも近年になって、台東区に長年構えていた店舗を、板橋区の荒川沿いの工場街に移転することになったのだから、相当な経営努力があっての価格だったのだと想像する。
ある意味とても特異なケースなわけだが、その特異ゆえに実現できた価格は底値であるはずなのに、それを基準にしてしまっては、他所が高く見えて当然だ。
もしその店がなくなったら、同程度の価格と品質の店を延々と探すのか、それとも、諦めて一般的な価格の店舗で落とし所を見つけるのだろうか。それは本人にしかわからないが、一般的な価格で好みの店が見つかったら、そこを適正価格と思って、買ってあげてほしい。つい、あすこは高いだのと言いがちだが、それなりの仕事をしていれば、それにみあった対価を払ってほしい。

そして上がり方は鈍いとは言え、10年20年と徐々に物価は上昇している。その上昇分はしっかり勘案してほしい。
例えば本で痛感するのだが、単行本は今、モノクロでも1500円くらいするものも結構ある。自分がよく買っていた学生時代は、1000円程度だった。それでも20〜30年で1.5倍と、ラーメンくらいしか値上がりしていない。
本は売れなくなっているので、初版部数が落ち込む分、売れていた頃と同じくらいの利益を出そうと思ったら、1冊あたりの単価が上がってしまう側面はあるものの、逆にいえばその程度の上げ幅で落ち着いているとも言える。
『板橋マニア』が出た時、2000円くらいすることで高いという声が出た。かくいう自分も最初はそう思ってしまった。しかし、フルカラーだし、初版は数千部レベルだったらそれくらいしても可笑しくはない。高いと思う人は自分も含め、この20〜30年本をまともに買ってないのかもしれない。
コーヒーでもそうだが、頭の中にあるこれくらいの値段という固定観念は、20〜30年経って物価が上がってもアップデートはまずされない。コーヒーだって高くて一杯500円程度なんてお客さんから言われたことあるが、それって30〜40年前の価格ですよ。バブル崩壊後、ドトールなどのコーヒーショップが台頭して160円って言い出して、片手間で300円くらいでマシーンで出すカフェとかが出てきたから、そっちが底値になってるだけで、フルサービスの喫茶店がなんで30年前と同じ価格を求められなきゃならんのだと。
こうした感じで、ラーメン一杯500円が30〜40年くらいのイメージで固着してしまっている人が、ラーメン700円800円は高いと言い出す。
ヤフーニュースでも書いたが、事あるごとに私が言うように、その頃に多く食べられていたラーメン、今で言う町中華で食べられるようなラーメンと、ラーメン専門店のラーメンが、同じ価格なわけがない。どっちがいいとか美味しいとかではなく、単純に使う材料の量やかかる調理時間が全然違う(町中華だってスープ半日とか1日煮込む店もあるというような個別案件は除いて大概にして)。
同じラーメンだからというのではなく、消費のされ方も商売の仕方も違うのだから、そこは分けて考えて、補正してほしいところ。もちろん専門店の中でも材料などで価格に開きが出て当然だと思う(実際そうなってるし)。現状、出てくるものに見合う価格になってないと思われるってのは、それだけ店側が飲んでる部分はかなり大きいのではないか。よく何年も休んでないとか、何十年値上げしてないとかいうのを美談にされるが、そういう店側に甘えることが当たり前という、甘えの構造が出来上がっている気がしてならない。

板橋価格の壁
この例として、「板橋価格」という言葉を上げておきたい(ちなみにこの言葉がキライで、自発的に使わないようにしているのだが、別に使うのは個人の自由だし避難したりはしない、為念)。
板橋区にある飲食店を筆頭とした店舗商品の価格が他区と比べてかなり良心的なケースが多いので、そういう言葉があてがわれるのはなんら不思議ではない。
しかしあまりに板橋価格が定着すると、例えば良質なものを使っていた場合、適正な価格、というか適正以上にリーズナブルだったとしても、一般的なその商品に対するイメージより高い価格だった場合、板橋なのに板橋価格じゃないという目で見られてしまう。

先に上げた例でいえば、素材をふんだんに使って長時間煮込んだラーメンで材料費や手間ひまが段違いにかかっても、珈琲豆のグレードが高くてフルサービスだったとしても、1杯700円や800円という大変な努力をしたとしても、ラーメンやコーヒーでそんなすんのかよ!と板橋価格じゃないというレッテルを貼られてしまう。
人の噂に戸は立てられないもので、ボッタクってるなど散々に言われるのがオチで、仕方なく価格を下げて、自分への給料を減らすなど身を削ることで差額を補填することになる。
地価も都心ほどじゃない分、価格を抑えられる利点があるから板橋価格なのに、消費者側の固定観念がアップデートされないことを、その土地柄のせいにして正当化されてしまう。

これはかなりヤバイことで、飲食店にとって危機といっていい。一度値を下げれば、板橋に合わせて頑張ってると言われる分、安い値段がその店のイメージになるから、そうそう値上げは出来ない。
実は自分の珈琲店が建物の建て替えで移転先を探す際、その時には既に板橋区内に住んでいたので、区内で物件探すのが一番イイに決まってる。でも、グレードの高い豆をフルサービスで出していたので、一杯800円とかにしなければとてもじゃないが商売にならない。板橋区に出店したら、同じブロガー仲間にだって何を言われるかわからない。そんな恐ろしいところに出店できるわけがないと、端から板橋は候補から外していた。
いや、板橋価格と最初に口にした人は、そこまでの意味合いは込められてないのかもしれない。単純に、イイものを良心的な価格で手に入れられる程度に使われているのだろうが、一度言葉が独り歩きすると、とんだ板橋障壁が出来上がる事態となる。
これと、「いつまでもあると思うな板橋区」という言葉もある。これは板橋区は良い店に限って閉店するという例えだが、頑張ってる店がこんだけ区民に搾取されたらそりゃ潰れるわなって話。

ラーメンの値段かくあるべし!みたいな固定観念によって、作る側が「あぁ、俺はこれだけのものを作っても、これくらいの価値しかないのか」と諦めがちになってしまう。やはり、それなりの仕事をしていればそれなりの暮らしができる板橋区でないと、今ある店は続けるのがどんどん難しくなるし、新たに店を始める志の高い人も出てこなくなる気がしてならない。

コスパの功罪
以前は自分でもこのブログでよくコスパという表現を用いていたが、単に安いということではなく、高いなりにイイ材料でお値打ちという意味でも使ってきた。
しかし当ブログ、というか自分個人の性質上、かなり単価が安い店が多く、安いこと至上主義のように映ってしまった面は否めないと猛省して、近年はなるべく使わないようにしている。
本心としては、良心的なお店に対して、この価格は妥当じゃない、安すぎるから、むしろ値上げしてほしいからで、他に行った人もそう思ってくれて、そういった声がたくさん上がってくれたらいいなと思っていた。
でも現実はなかなかそうはいかない。コスパの良さが求められる店は、往々にして単価が安いところが多く、せんべろのように、是が非でも千円で何杯かは飲めてツマミもつけられるような店が、ちょっとでもそうではなくなると、コスパ悪いとみなされてしまう。自粛警察じゃないが、そういう重箱の隅をつつくように、質が落ちたとか値上げしただのと、イチイチ食べログなどでレビューつけてくる輩が出てくる。
これも先の庶民派固定観念と一緒で、せんべろでなくてはいけないという圧力により、店の側が身を切るハメに陥っているケースをままみかける。ハイエナといってはハイエナに失礼だが、客の一部が乞食化して、店が忙しすぎて手が回らなくなるとサービス悪くなったなどと難癖つけて、搾り取るだけ搾り取って、また別の、彼らの言うコスパいいターゲットを探すという、なんだか潰しに回っているように見えてならない。
自分が安さを享受するために、文化を滅ぼすようになっては本末転倒だと思うのだが。

町中華が絶滅危惧なのは努力が足りないからか
町中華はよく絶滅危惧とか、後継者がいないとか言われるが、昭和30年代くらいからああいうスタイルの中華店がバーっと増えて、今残ってる店は昭和40〜50年代に創業した店が多いようだ。それくらいの時代までは町中華スタイルで家族を養えたが、今ではそれが困難になっている。後継者がいないというより、現状を見て、とてもじゃないが商売にならないから子供にやらせたくない、という声をよく聞く。
こうした状況になったのは、個人商店の努力不足という声もあるが、個人商店以外に飲食店はたくさんあるし、料理のバリエーションも多い中、町中華に単純に来るお客さんの数が減っているし、材料費など諸々上がっても、板橋価格や庶民の味方を盾にそうそう値段上げられないじゃ、個人の努力ではなんともならない。これまで続けて来たお店はまだ持ち家でやってたり家賃がそれほどでもないケースも多いだろうが、これから始めるとなれば地代が相当重くのしかかるだろうし、今の価格でキャパも限られる個人店がまともに生きていけるわけがない。
メディアではどうしても儲かる話ばかりがピックアップされるが、そんなの極々一部だし、それでさえ、10年後そのまま儲け続けられているだろうか?


昨今、このご時世でテイクアウトをやる店が増えているが、このような状況だから少々高い値段でもニーズがある。これは、お酒を提供するところなら、飲んでもらうことで食事の単価が下げられるといった部分があるから、高くても納得してもらえているのだろうし、一時的なもの、緊急事態と割り切って買い求めているフシもあると思う。
じゃあ、これまでの生活が仮に戻ったとしたら、これまでの安い価格を求めるのだろうか。これを機に、飲食店がやっていける価格のラインに底上げしてはもらえないかなというのが、ヤフーニュースの記事の主旨だ。
でもそれには、買う側の給料も上がってないといけない。ラーメンが一杯1000円になったとして、飲食店のバイトがラーメン一杯1000円でも出せて生活していける給料を貰えれば循環するわけで、それが引いては賃金の引き上げにもつながって、全体としてある程度の底上げがなされないと、それこそ今後経済が回っていかない。
ラーメン一杯1500〜2000円が他国に出来て、日本にできないこと自体をヤバイと思えないことが非常にマズイ気がしてならない。今後、個人店で食事ができる世界で死にたい身としては、いつまでも店側に身を削らせてはいけないというのが持論ということで、終えるとしよう。

こういう情勢下なので、現代ビジネスの新記事は宅麺.comになりやした。
外出自粛中のラーメン通たちを救う存在…?「宅麺」とは何者か
マネー現代TOP画像

…今回も【ヤフーニュース】になっていて、やはり時節柄、こういうサービスに興味があるようだ。
というわけで、記事で実食している大山のラーメンについて詳しく述べておきたい。

町田二郎時代からのエピソードは上記記事を読んで頂くとして、宅麺を利用するのはこれが初めて。お店の味を家でということでは、天下一品を自宅で調理して食べたことはある。後、久留米の大龍ラーメンは最初、お店から自宅に送ったし、その後、宅配便も利用したことがある。でもそれはかなり前のことで、もう20年近くこういうサービスで味わってない。
越谷のへーちゃんラーメン【過去記事】の初代店主と懇意にさせて頂いていた頃、宅麺もやってたか失念したが、ほかにベルマート(だったっけ?)など、この手のサービスをへーちゃんラーメンもやっていて、通常営業終了後、朝まで宅配用にスープ仕込んだりしていたという話をよく耳にしていた。
注文があるだけ、通常業務にプラスαの作業がのしかかるのだから、やっぱラーメン屋って大変だなと思ったものだ。

宅麺は基本、行列店の味をご自宅でってのがコンセプトなので、有名店ばかりが名を連ねる。それゆえに、並ぶ時間や労力、店までの往復の交通費を考えたら、冷凍宅配便の送料が丸々かかってもお得でっせ、ということなのだろう。
行列並んででも食べたいところへは足繁く通った20年ほど前ならいざ知らず、並んで食べることより、ふらっと街中で埋もれているような何でもない店に入ることのほうに食の幸せを見出すようになったので、こうして自宅での自粛生活が続くような状況だと、行かずに並ばずに気兼ねなく食べられるんだったら、またには行列のラーメン店の味を試すのもよかんベェと、宅麺を利用する気にもなる。

そういうわけで、大山の大麺を注文。

大山宅麺画面
らぁめん大山【宅麺】

今となっては川崎の駅ビルに入ってる支店【過去記事】で食べられるようだが、以前は二郎インスパイア系のメニューは扱いがなかった。
今回、富士本店が既に閉じていると知って驚いたが、それまでは静岡まで行かないと食べられないものだとばかり思っていた。
最近は、川崎まで行くなら、ニュータンタン【過去記事】とか飲み屋の方に惹かれてしまうので、大山に行くことはまずないから、まぁ丁度いいでしょ。

最初は試しにと1人前だけ注文。
箱
60サイズほどの段ボール箱をヤマトの方から受け取った際、やけに軽いのが気になった。二郎系といえば、麺が多いはずだし、スープは凍っているとはいえ液体だから、もっと重いんじゃないかな。
訝しがりつつ開けてみると、ちゃんと麺もスープも入ってた。
箱の中
茹で前の麺量220gだとこんなもんか。
袋の中身
モヤシは入ってないので、近所のコンビニで200g入りのパックを調達。

ラーメン以外に、宅麺からの手書き風の手紙と、ちゃんと印刷された作り方の紙が入っていた。
プリント
見ると、麺もスープも15分ほど茹でるらしい。
作り方
これだけの太麺だから覚悟していたが、スープも結構かかるんだね。
ガスコンロが2口なので、両方に鍋を用意して、まずは湯を沸騰させる。麺を入れる前に、ここでサッとモヤシを湯がく。
モヤシ
5〜10秒くらいでいいそうだが、二郎ではヤサイはクタが好みなので、1分茹でてみた。
その間にもう一つの鍋にスープの袋を入れる。
スープ茹で始め
そして麺の方を再沸騰させ、麺を投入。
麺茹で始め
やや硬めがいいので、12分くらいで上げようと計画。

丼を用意したりしているうちに、スグ10分が経過してしまった。
麺茹だってる
なのに、全然麺が形状記憶合金状態。本当にコレ、通常15分で茹で上がるのかぃ??
スープ沸騰
スープはイイ感じに解凍されて、12分くらいでよそえそうな勢い。
麺はというと、12分を過ぎたくらいでようやく湯の中で踊るようになってきた。
そこからちょっと経ったところで、麺を食べてみる・・・おおっ、見た目より茹で上がってるみたい。芯の粉っぽさが結構あるが、十分食べられる。盛り付ける時間を考慮すると、ちょうどいいかもしれない。

というわけで、13〜4分経ったくらいで麺上げ。
麺湯切り
湯切りしたザルを一旦放置し、最初に丼にスープを投入。
丼にスープ
餃子の王将のシルバー会員になった時にもらった丼は小さめなので、スープが入り切らないかも?と思ったが、ギリ入った。
でもこれに麺を入れたらスープが溢れるかも・・・と恐る恐るザルから麺を投入すると、なんと、丼の縁手前で留まってくれた!
丼に麺
この感じ、かなり二郎じゃん!!

そしてここにモヤシを盛って、スープに入ってた豚を1枚添えて完成!!
盛り付け完成
おおっ、かなりの山になったよ。ヤサイマシマシ感出てるじゃん。
完成上から
これはかなり二郎ですよ。
と、調子に乗って写真を撮影していたら、食べる段になってヤサイの山が小さくなってるではないか!?
モヤシってただ盛っただけだと、1本1本に隙間があるのね。だから二郎系の店では、ヤサイを盛ったところで、ペシペシ山を押し付けているのか。モヤシ密度が上がったところで、山の量を測っているんだな。なるほど。
結果的にヤサイチョイマシくらいの見た目になった。これじゃホントに自分が二郎系の店で頼む時の量だ。

では改めて、いただきまーす! でりゃ!!!
天地返し
と自宅で天地返し。すると、ラオコーン状態の極太麺が出てきた。
麺リフト
麺は灰色というか以前よく言われたキャラメル麺っぽい色味。噛むと、ワシワシっとした食感で、思ったより火が入ってしまい、カタメというには若干柔らかいが、それでも自分的には粉の風味が感じられるベストな茹で加減となった。

モヤシは売ってたのがそんなに太くなかったので、プチッとした食感が得られなかったのは残念。でも十分それっぽくなった。
スープは初めて町田二郎および大山の二郎系を飲むこととなったが、意外と言っては失礼だが、かなりインスパイア系標準の味わい。
スープレンゲ
豚骨といった動物系の濃さはなくはないし、タレの濃さもあるが、全体にそう濃度は高くない。ホントよくある豚骨醤油スープの味わい。化調的な旨みがかなり強く感じるが、二郎系ではこれで全然OK。
豚は店のサンプル写真ほど大きくはないが、脂身も適度にあり、赤身も噛むと筋で割れる感じがあって、自然な豚肉の甘みも強くイイ感じ。自家製でチャーシュー作ればこういう感じの味は味わえるが、気軽にこれが家で食えるのは嬉しい。

麺220gも難なく完食。
刻みニンニクも用意しておきたかったが、最初なんでよしとしましょ。
器具も基本汚れないので、片付けが想像以上にラクだったことも付記しておこう。

これがマイペースで食いきれるってのがとにかくこれまで味わったことのない快楽。夢を語れ系のインスパイアも取り寄せられるそうなので、そっちも試してみたくなった。
今回、とみ田や頑者などのつけ麺が売切れていたので断念したが、今度はドロ系のつけ麺が自宅でどんな感じで食えるのか、試してみようかと。
巣篭もり中でもそうじゃなくても、こういうふうに楽しめるのはかなりイイんじゃないかと。たまに食うなら全然送料も苦じゃないっすよ。
というわけで、ウマシ! ごちそうさまでした〜

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●メシ通の連載「ラーメン系譜学」の新記事が公開されやした。

夜遊びのシメはいつもここ「かおたんラーメン」が見てきたバブルと不況の35年【TOKYOラーメン系譜学】

…かおたんはこれまで時折お世話になっているのだが、今回始めて塩を食べたら、スープをグッと引き上げ、揚げネギとも合うのでハマってしまった。取材に応じて下さった落合さんにそのことを告げたら、「初めて塩食べるとそう思うんだよね」と素っ気ない返事だった。長年通うと醤油に帰るのだろうか。
このところのコロナ騒ぎで、利用するには酷な人口密度の店内だが、飲みにもサイコーな籠もれる店なので、落ち着いたら是非一度は体感いただきたい。

●で、現代ビジネスに一蘭の記事も掲載されている。
ラーメン一蘭が「超強気の値段」でも行列を絶やさないワケ
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…今回も【ヤフーニュース】になっているが、コメント欄は記事とは関係ない内容ばかりで、まぁそういう方向になるかなぁという感じ。
というわけで、一蘭についてチョット触れておきたい。

文中にも書いたが、一蘭は20年ぶりくらい。正直、ザ・工場スープという感じで、全く博多ラーメンとしての魅力を感じなくてガッカリだった。
たまたまなのか、昨今の広がりでこういう味にシフトしているのか・・・たまたまだとしたら、味を安定させるために工場スープにした意味がないし、どちらにしても、本来の創業者のイズムから離れた感は否めない。
しかし、西新宿の100%とんこつ不使用は本当に驚いた! そこんところを詳しく述べて起きた。

中野で久々の一蘭にガックシ来ていたので、正直100%とんこつ不使用にも全く期待していなかった。
でも、現在の一蘭を語る上で食べておかないわけには行かない。重い腰を上げて、所用のついでに少々遠回りをして、自転車で西新宿へ向かった。
ヨドバシ裏手にあっていつも利用する自転車コインパーキングに止め、東京モード学園のビル脇を抜け、麺通団とか飲食店がゴチャゴチャ密集するエリアに至る。
小滝橋通り沿い
尾竹橋通りに出たところに、一蘭西新宿はあった。

外観
一蘭 西新宿店【食べログ】 ★★★★☆ 4.5
所在地:東京都新宿区西新宿7-10‐18
公式サイト:一蘭 西新宿店

入ると、一蘭グッズを売る、中野でも見た観光地のお土産屋みたいな一画の脇に券売機がある。
おみやげコーナー
(中野のお土産コーナー。たぶん今はどの店もこんな感じなのだろう)
事前に調べていて、とんこつ不使用ラーメンは通常の一蘭ラーメンよりさらに高いことは知っていた。しかし、いざ目の前にすると、ラーメン一杯1200円弱には慄いてしまう。
メニュー
(券売機:クリックで拡大)
仕事と割り切りポチッと一番左上のボタンを押す。その隣に全部のせ的なメニューもあったが、1700円程とあって流石に手が出ない。

ここはカウンターへのアプローチが短く、入ってスグ席に着ける。
空席状況
見慣れた空席案内板があり、夕方前、さらにはコロナ騒ぎの中とあって、1組先客がいるのみ。
味集中カウンター
彼らとは逆サイドの席に座る(写真撮った時には先客は既に退店していた)。
席
そして注文シートを記入する。
注文シート
具の肉の部分が違うくらいで通常の一蘭とだいたい一緒。
オーダー表
(こっちが通常のシート)
こっちにも秘伝のタレがある。あれ入れちゃうと味がタレ味に支配されちゃうので(中野で試しに入れてみたが、やっぱり20年ほど前と同じ結果になった)、今回はパス。
ピンポン押して、店員に食券とシートを渡す。
水汲むやつ
手元で汲んだ水を飲みながら待つことしばし。

やってきました、ラーメン−100%とんこつ不使用−¥1180!
席と器
おおっ、箱が四角い! こんな食べ物ペヤング以来だ。すだれを前に置くと、なんだか玉手箱感あるな。
器
開けると、中には茶濁したラーメンが。
ラーメン
形が奇抜なだけで、見た目は豚骨ラーメンそのもの。つか、中野で食べたやつはヤケに白いスープだった。
ラーメン
(ちなみに中野のラーメン)
が、こっちのほうが茶っぽくて、本来の九州豚骨ラーメンっぽい。
ラーメンUP

で、早速いただくと、粘度のあるスープの喉越しが、ヌルっとやってきた。あれ? やっぱり中野より濃く感じる。もしくは、表面の透明油がトロっとしているのかもしれない。
スープUP
飲み進めると、確かに透明油の影響もあるが、スープ自体の濃度がしっかりあるんじゃないかと思えてきた。目の前にあるうんちく書きを読んでも、このスープに豚骨が使われていないことが書かれていても、代わりにナニが使われているのかは一切書いてない。
うんちく
(クリックで拡大)
不思議だ、豚骨使ってないのに、現在のフツーの一蘭より豚骨を感じるとは!?
さらに不思議なのは、独特なスンと鼻の奥から頭蓋骨に響くような臭い。これは以前から当ブログに書いていることで、特定の豚骨ラーメン店(博多濃麻呂・虎・ばりこて等)で感じるもので【過去記事参照:貴太郎@新宿】、中野の一蘭でも感じたのだが、ここでも感じるのだ。豚骨に由来するものではないのか。
肉UP
具はチャーシューではなく牛肉のしぐれ煮みたいなやつで、まんま牛丼のアタマ。かなり吉野家っぽい。これはこれでイイ感じ。
麺UP
細麺は通常の一蘭と変わらない印象だが、手繰ろうとスープに箸を入れると、やけに麺に箸の先端が麺に当たる。なんでだろうと思いながら飲みづらい四角い器の、角っコでスープを直で飲んでいると、ようやく理由がわかった。器の底が浅いのだ。下に溜まった麺に当たっているのではなく、丼の底を突いていたのだ。
この器で底が浅いとなると量が少なく思えるが、スープの濃度も手伝って、完食する頃には替え玉せずとも意外と満足感が得られた。
底

ラーメンを運んでくれた従業員も声に出していたが(そうそう、丼置いた後、店員がほぼ直角にお辞儀するのは辞めてほしい。申し訳なくていたたまれなくなる)、帰る時は自動で「幸せ〜」と声が流れるようになっている。初めて天神で一蘭を食べた時も、入口のセンサーが反応して「いらっしゃいませ〜」「ありがとうございました〜」が交互に流れるようになっていたが、自分が帰る時に自動ドアが上手く閉まらなくなって、帰るっつ−のに「いらっしゃいませ〜」を何度も連呼していたのを思い出した。
にしても、「いらっしゃいませ〜」を「幸せ〜」と言い換えるのはどうなんだろう? なんだか、ついでにトンチンカンの、「尻見せ〜」に聞こえてきた。
ともあれ、とんこつ不使用でこのスープは驚愕っすよ。別に自分は豚を摂取できない理由はないから、豚骨食べればいいだけだが、それでもこういうチャレンジは評価したい。
つか、これが不使用でできるなら、もっと通常の店舗のほうは頑張れるはず。まだ不使用店は少ないから、管理が行き届いているのか。だとしたら、通常店のあのスープはもっと豚骨スープらしくできるポテンシャルを持っていることになる。
現状、一蘭に行くなら、数百円の差なので不使用店に行く!絶対。今後、通常店で試す機会があるか分からないが、もし中野のアレが本来の姿でなければ、改善してほしいなと。
一度、話題づくりに試してみるには少々お高めだが悪くないかと。というわけで、ウマかったっす。ごちそうさまでした〜

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メシ通の新記事が公開されやした。

白飯に爆マッチする「からし焼き」はナゼ北区十条界隈で発展した?【東京ローカルめし】

前回、渋谷・兆楽のルースチャーハン【メシ通】に続いて、東京ローカルめし第2弾は、十条〜東十条界隈に根付くご当地グルメ「からし焼き」!
今回も、町中華探検隊のメンバー、下関マグロ @maguro_shimo 氏と 半澤則吉 @hanzawanoriyoshi 氏に協力いただき、どうやってからし焼きが生まれ、広まったのか?を再現ドラマの役者でもあった2代目ご主人に聞いてきました。
からし焼きというと何故か、十条にある大番【過去記事】ばかり取り上げられるので、大番も好きだけど、元祖ゆえの味わいがバツグンなとん八【過去記事】(先代の伝説となった小指味見のYOUTUBE動画もリンクしてます)を是非とも!ということで今回フィーチャーさせてもらいやした。

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●講談社のゲイダイWEB版「マネー現代」に、ラーメンショップについての記事を書きました
「ラーメンショップ」が不死身なワケ…強さの秘訣は“ユルさ”だった
マネー現代TOP画像
【ヤフーニュース】のアクセス数が多かったようで、ツイッターでトレンドワードになったりと、なんだか急に世間にラーショの文字が席巻するという珍事となった。こういう珍妙な現象は喜ばしいし、次々と知られざるラーショの画像がネットに上がってきて、未知のラーショを知るキッカケともなった。
それくらい多くの人にとって、日常に埋没して、無意識下にある原風景みたいな存在だったのかもしれない。食べ物って基本、そういう生活と切り離せないものであるべきだと思っているので、その一例としてラーショがあって、なんか、それが呼び起こされたというか、当たり前を見返す一助になったら嬉しいなと。
つか、自分はそういう喚起を促すために執筆活動しているようなもので、それはこのブログもそうだし、今回の記事のベースになった、堀切店のインタビューをさせてもらったメシ通【真っ赤な看板が目印の「ラーメンショップ」こそ、昭和から続く不死身のロードサイドチェーンだ】など依頼される仕事もそうだし、そういうのをまとめたミニコミ誌、昨今だと『街道のグルメ』『東京ラーメン系譜学』といった商業誌もそう。
これからも、当たり前を思い出して、今の生活に足りないものとか、本当はこういうことなんじゃないかみたいなのを見つける機会を広げていけたらと思ってやす。

というわけで、ラーショの堀切店がプチ移転したことを紹介してなかったと思い出し、メシ通で記事にしたその後をまとめておきたい。

場所は京成の堀切菖蒲園駅と綾瀬駅の中間(綾瀬のほうが近い)というのは変わらず。前の店からほんのチョット堀切菖蒲園駅に近い、同じ川の手通り沿いの並びの物件に、昨年10月1日付けで移転した。
川の手通り
看板は相変わらず、うまいラーメンショップうまいで、加盟店募集の電話番号も変わらないのが有り難い。

看板
ラーメンショップ 堀切店【食べログ】 ★★★★★ 4.8
所在地:東京都葛飾区堀切7-3-1
公式サイト:mbsp.jp/tonkotsu/

前は奥に長い作りだったが、道路に面して横に長い作りになっている。
正面
以前のほうが面積的には広かったが、今のほうがロードサイドのラーショっぽ感じ。
ご家族でこれまでと変わらぬご様子で営業されていた。
店内
メニューはアルコール類の提供が一時できないようだが、それ以外は増税分程度が少し値上げしたくらいで変わらずというのも嬉しい。
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営業時間は少し短縮したが、朝から夕方くらいまで通し営業なので、ハンパな時間でもサッと手繰れる感じも健在。

で、頂いたのはまず、ねぎラーメン並¥850でしょ。
ねぎラーメン
味玉がデフォで入ってて、見た目に豪勢な感じが堀切ラーショらしさ。
伺ったのは10/7で、まだスープが馴染んでないとのことで、この日は乳化がユルかった。以前から日によって乳化具合に波があって、それがスープを店で炊いている良さでもあった。
だからといってスープに薄さがあるわけではなく、しっかりコク深いまろやかさがある。この日は背脂も散見でき、それでこってり感もバランスが取れている気がした。
ラーメンUP
麺はぷるんとしていて、スープを乗せすぎないので食べててクドくならない。
具のラーショ特有のネギは変わらず甘辛旨い。チャーシューはこれまでよりトロトロで、できたてみたいにホロッとトロける感じなのはたまたまか、何にせよこれはこれでHIT!!

日が経てばこれまでのような白濁こってり豚骨スープの日でも出てくるだろうし、ともあれ、堀切ラーショがこれまでもこのクオリティで続いてくれることが、なにより有り難かった。
この日から半年弱、そう遠くないうちに再訪して、現状のラーメンをまた味わってみたい。
というわけで、ウマウマシ!!! ごちそうさまでした!

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