カテゴリ: 喫茶店

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私プロデュース・いとこの男の娘出演のYOUTUBEエモウマい店の第4回で、千石にある純喫茶フェニックスを取り上げましたー

以前、当ブログでもUPしていますが、それから色々食べているので、今回は動画でも取り上げきれなかったものを紹介してみます。


茗荷谷から本駒込辺りは、ユックリ散歩するには意外と向いてて、途中で休憩するのにフェニックスが最適だったりするので、チョイチョイ寄っていたりするのだ。

店内
フェニックス【食べログ】 ★★★★★★★★★★ 俺的極上喫茶
所在地:東京都文京区白山5-17-18

歩いてくるので、動画の通り、どうしてもルービー(中瓶550円)に行きたくなるが、疲れていて糖分を取りたい時に頼むのはこれ。
コーヒーフロート
コーヒーフロート550円! 好きなんすよね、フロート。
コーヒーフロートUP
最初は濃いめの冷たいアイスコーヒーを飲んで、硬いアイスが溶ける頃に混ぜて飲むのが至福。これよ、これ。

で、食べ物は動画の通り、ハンバーグサンド950円っすよ。
ハンバーグサンド
ハンバーグライスもいいんだけど、パンに染みたデミグラスソースがたまらんので、信頼できる洋食屋では、あればハンバーグサンドを頼むことが多い(最近メニューから消えたけど、聞いたら作ってくれた。常にできるかは知らんけど)。
ハンバーグサンドUP
ハンバーグの厚みや肉感が素晴らしのは見てもらえれば分かると思うが、こちらのデミはかなりビターで濃厚。
こればっかりは店毎の差が大きく、好みもあるので、当たり外れが出やすいが、こちらのはモロ好み。やっぱ激ビターで濃厚でないと。ドストライス!

これと双璧で好みなのが、ピザスパゲティ950円!
ピザスパゲティ
もうメニューに発見した時は、これだ!と頼んだのだけど、予感的中、当たりも当たり。
鉄板にパスタを敷いた上にトマトとチーズを乗せて焼いたもの。こんなんマズい分けないでしょ?
ピザスパゲティ横
パスタは焦げができるほどカリカリで、マカロニグラタンの焦げたマカロニ的食感がある。
トマトは熱でトロトロになってるし、それにチーズを絡めるんだから、どんだけ俺の好み知ってるんだと。
ピザスパゲティ底面
ちなみにピザ生地はというと、ちゃんと奥底に敷き詰められていたのであった。

こちらはランチのサービスセットもあって、よくお客さんが頼んでるのが串カツセット800円。串カツセット

千円しない値段で、ジャンボサイズの串カツが2本も付き、コーヒーまで飲めるんだから恐れ入る。
串カツUP
御婦人は食べ切れず、1本持ち帰りにする光景を目にするが、残りを夕食にすれば、これで1日の食事を賄えるってもんか。
串カツ断面
こちらの揚げ物は比較的ハードにガリッと揚がってるのも好み。豚肉の脂身は元より、熱が入って柔らかくなった玉ねぎがもう最高。

ピザ
ミックスピザ750円もハンドメイドな感じでステキだし、まだまだ挙げればキリがない。
また色々食べてストックが溜まった頃に紹介しやす。

というわけで、何度来てもウマウマウマシ!!! ごちそうさまでした〜

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昨年末に発行した拙ミニコミ新刊『ザ・閉店3』が東急ハンズ新宿に置かれるらしいゾ!

近年連続して参加している情報系同人誌イベント「おもしろ同人誌バザール」が、3/22(月)〜3/29(月)の一週間、東急ハンズ新宿(タカシマヤタイムズスクエアのところの)2F催事スペース(連絡デッキから入ってスグのところらしい)に出張おもしろ同人誌バザールとして、企画出展します。自分のような食や鉄道など、世間的にはサブカルとか雑学と呼ばれるような類の、普段日の目を見ない情報系同人誌が公の場で陳列されるという、これまでにない光景が展開されるようです。
その中で自分は、掲載店どこもやってない究極に使えないガイドブック『ザ・閉店3』や、珈琲店をやってきた中で考えた珈琲についてまとめた本など、5種ほど並びますので、よかったら覗きにいってみてください。
というわけで閉店したお店の中から、おおっよく考えたら当ブログでは未UPだった、今もやっている店舗もあるチェーンを紹介しておきたい。

初めてここの店名を見た人は、全く読めないかもしれない。
看板
かくいう自分もそうで、「昆布」とか「金毘羅」みたいな名前だと思った。
羅布乃瑠沙羅英慕と書いて「ロブノオルサラエボ」は群馬県藤岡発祥で、北関東中心に展開するローカルチェーン。ロードサイドに突如、読めない漢字、しかもなんとも言えない独特のオドロオドロしい書体でババーンと出てきた時は、マジやべーなと思ったが、直後には入ってみたいという興味が湧いてきた。

調べてみると、どうも喫茶レストランチェーンらしく、価格は高めながら、ファミレスサイズの座席でゆっくりできる作りのようだ。
コメダ【過去記事】とか星乃珈琲【過去記事】、同じローカルチェーンで言えば埼玉の珈琲屋OB【favy】に近いかもしれない。ただそれらよりは、食事のウエイトの高い、ファミレス寄りのメニュー構成となっている。
最初は「沙羅英慕」だけの名前で、最盛期には40店舗ほどあり、郊外型オオバコ喫茶として名を馳せたようだが、その中から独自に「羅布乃瑠沙羅英慕」として展開するグループが出来たようだ。
昨今、こうした少々お高めながらユックリ過ごせる業態が人気のようで、沙羅英慕もどこに行っても混雑していたのだが、コロナ禍の昨年、鹿沼や小山南、渋川など知る限りで7店舗を閉めており、藤岡の本店さえ閉めたのだから相当に事は深刻だったのだろう。

そんな中で、恐らく一番東京から近いであろう店舗が春日部店で、自分が初めて行ったのもコチラ。

外観
羅布乃瑠沙羅英慕 春日部店【食べログ】 ★★★★★ 5.0

ミステリー小説にも出てきそうなゴシックな洋館風の外観で、この佇まいが沙羅英慕の特徴。
扉を開けるとすぐ店内ではなく、アンティークな置物が並んだ部屋がワンクッションあって、その先で受付となる。

ワンクッション部屋
(ワンクッション部屋の中はこんな感じ)
ワンクッション部屋扉
(ワンクッション部屋の中の扉。ここを開けるとようやく店内)

初めての人はここまで来るのにいくつかのハードルを越えるわけだが、なのに店内は人で溢れている。
店内もアンティーク調で、薄暗く、テーブルも仕切りが高く半個室状態。
客席
コロナ前はマダム連がピーチクパーチクしていた。狭いコーヒーショップで席を確保するのに手間取ったり、ファミレスでいちいちドリンクバー取りに行く手間を考えたりすれば、こういう店のほうが楽なのだろう。

メニューはコーヒーからパフェなどの甘味、トースト系の軽食、それにパスタやハンバーグといったガッツリ食えるものまでかなり充実している。

メニュー肉
メニューパスタ
メニューコーヒー

遅い昼飯がてらに来たので、ここはガッツリと行きますか。

というわけで、ハンバーーーーーグ¥1195+税!
ハンバーグセット
おおっ、鉄板に乗ってジュージュー言ってるのが来たぞ!
ハンバーグ上から
しかもザラザラの和風おろしソースが鉄板いっぱいに溢れんばかりではないか!! 目玉焼きが乗ってるのも男の子心くすぐるし、これは期待できるぞ。
で、早速ハンバーグを割って食べてみると、ミンチはかなり粗く挽いてあって食感がワイルド!
ハンバーグ中身
しっかり食べ応えがあって、肉汁も楽しめる。これはモロ好み〜
特に和風ソースが秀逸で、ワインのようなコクが強く、なんだか俺の好みをリサーチしたんじゃないだろうかってくらいの味わい。ウメェぞコレ。付け合せのポテトもニンジンもいい塩梅だし。

この日の気分で、セットのスープとサラダはいらないので、¥213+税でパンを付けた。
パン
これが小麦の粉っぽさが少々立った、ゴワッとまでは行かなくてもシッカリしたタイプのパンで、どビンゴ! 温かく、単品でバクバク食えそう。
パン中身
余ったハンバーグソースをパンに染ませてたら、パンが足りなくなりそうだった。

なんとか全てのソースをパンと一緒に完食。
食事と一緒に頼んで¥232+税になるアイスコーヒーで〆。
アイスコーヒー
銅マグってのがソソる。オジサンはこれに弱いのよ。アイスだとキンキンに冷えるしね。
といっても単に器だけの話じゃなくて、豆は自社焙煎で、抽出も濃いめ。豆をたっぷり使ってると思えるしっかり味。まろやかさと余韻が強い。
これで2杯目からは100円となるってのは、どんだけ長居しろってことなんだ!?


この沙羅英慕との出会いから、北関東に行って近場にあれば極力寄るようになった。
街道のグルメの取材も兼ねて、栃木店に行ったのは19年の4月。
外観ロードサイド
建物の周りに木々が多く、コチラのほうが怪しげな洋館って感じが出てるね。

外観建物
羅布乃瑠沙羅英慕 栃木店【食べログには情報ないが閉店した模様】 ★★★★★ 5.0

内観は春日部と似たような感じで、仕切りも多い。
店内
間食目的で来たので、コーヒーがてら甘いもんと行きますか。
フレンチトーストメニュー
フレンチトーストが沢山種類あったので、試してみよう。で、どれにするか迷った挙げ句・・・

キャラメルバナナ(セット)¥1084+税!
フレンチトーストセット
スキレットのような小さなフライパンごとアツアツな状態で来るのが嬉しい。ハンバーグといい、こういう演出はテンションが上がるね。
フレンチトースト
ただ、昨今のカフェなどで出てくるタイプで粉糖も振られて洒落ている感じがチト、おじさん的には苦手。
とはいえ食べてしまえば、無問題。
フレンチトーストUP
トーストだけ食べるとソースの甘さが際立つが、クリームやアイスを溶かして混ぜて食べると意外と甘さがちょうどよくなり、うん、これはイイね。
見た目がボリューミーながら、案外サクッと完食。

同時に頼んだホットコーヒー(ブレンド)はやはり濃くて量も満足いくもの。
コーヒー
コーヒーがしっかりしてるってのは、リピートにはとても重要な要素なので、正直うれしい。

どの店舗も駅から遠いので、列車旅行には立ち寄りは厳しいが、こういうローカルチェーンがあることで旅が楽しくなるのは事実。なのに閉店ラッシュで、ここ栃木店も例外でなかったようなのが悔やまれる。
先の春日部店はFCで、栃木は直営っぽいので、その辺で明暗が別れたのかもしれない。栃木よりもっと木々が生い茂ってた藤岡本店や鹿沼店が存命なうちに訪問できなかったのが心残りだ。

全店リスト
(春日部店にあった2019年当時の全店リスト:↑クリックで拡大※光で飛んでて見えない店舗があってスマン)

というわけで、今ある沙羅英慕を出来る限り巡ってきたいと心に誓うのであった。
次はまたハンバーグか軽食か、それともパスタか……ヒジョーに嬉しい悩みだ。とにかくどれもウマウマシ!! ごちそうさまでした!

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本日、現代ビジネスの新記事がUPされた。
スガキヤ現代ビジネス
(↑の画像はスガキヤラーメン@高田馬場のラーメンです)
今回も【Yahoo!ニュース】になったのだが、川口ジャスコの寿がきやのパートが短くならざるを得なかったので、ここで書いておきたい。

近著、『埼玉「裏町メシ屋」街道旅』【詳細】の第二章で触れているが、我が家からそこそこ離れたところに突如として出現したのが、イオンモールの前身となるジャスコと70の専門店グリーンシティだった。
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で、2018年の8月に一旦閉店し、2021年に再オープンするということで、これまでの歴史を振り返るメモリアル展に行ってきた。
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多分この時が初めてのショッピングセンター体験だったと思う。
現代ビジネスの記事にも書いたが、ひとつ屋根の下にたくさんの店が入ってる光景がもう信じられないというか、ピカピカの白い床が異様に眩しく感じで、最初は慣れずに文字通り目が回っていたのだと思う。どこか地に足がついてないというか。
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建物のほぼ中央部分が吹き抜けになっていて、メインとなるエスカレーターが設置されている。サンシャインの新人アイドルの新曲披露とかやる、ああいう感じ。大抵のショッピングセンターがこの作りになっていると思う。
ジャスコでもライダーショーとかやっていて、中学になっても模型部のヲタ仲間と見に行っていた。
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(このエスカレーター脇がステージだったかと)
あ、京本政樹が来てたのを思い出した。探せばどっかに写真残ってるかも。

メモリアル展の会場は3Fで、ゲーセンがあるフロア。確か寿がきやも3Fだったかな。
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(このユニクロのところがゲーセンだったような…)
小学生がチャリで行くには20分近くかかるのにここまでよく来ていたのは、このゲーセンが充実していたから。コナミの沙羅曼蛇が専用筐体でできるのは、チャリで行ける範囲ではここだけだった気がする。
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(現在のゲームコーナー。これくらいの広さはあった)
ゲーメストというゲーム雑誌をこのゲーセンで買うと、2プレイが無料になるタダ券をくれるのだ。喜び勇んでダライアスでお願いすると、1プレイ100円する大型筐体には使えないと言われてしまった。アウトランやアフターバーナーといったセガの体感ゲームもNG。1プレイ50円のもののみとのことで、仕方なく1943かなんかやったんだったか。
クレーンゲームも充実してて、当時はお菓子を落とすものが主流だった。ショベルカーみたいなのを操作して、お菓子をすくい上げるのが得意で、ベビースターを一発でゲットしたら、賞味期限切れで湿気ってて激マズだったなんてこともあったなぁ。

そんなことを思い出しながら、3Fの隅の方で開催されていたメモリアル展に着いた。
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パネルで年代順に新聞広告や当時のチラシが展示されていた。
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サイボー土地様子
(埼玉紡績の工場跡地に建った)
開業当時外観
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(1Fのヒーローショーの様子もあった!)
あぁこんな感じだったなぁとか思い出しながら進んでいくと、当時テナントに入っていたお店が一通り紹介されているチラシのようなものが目に入った。
テナント一覧
(「だからマクドナルド」ってコピーあったねぇ! つか、雪印フードコーナーが気になりすぎる!!)
これは、寿がきやが載っているかも!?と注意深く見ていくと・・・あった、あったよ寿がきやスーちゃん!
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さらにメニューの載ったものも発見。
フードテナント一覧
あ、スガキヤのところが丁度光っちゃってる!
が、寄りの写真があった!
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ラーメンセットが520円とある(五目ごはんとサラダのセットっぽい)。今でもラーメン単品で300円ほどだから、35年くらいあんまり値段変わってないんじゃないかな。
寿がきやはもうとっくに撤退しているが、他に残ってるテナントはないものかと見てくいくと、その寿がきやの上にあるピーターパン、これまだあるやつだよね!?

慌てて現在のフロアマップを見に行くと・・・あるある! 1Fのフードコートに入ってるフライドポテトとかフラッペを売ってるスナック売店だ。イトーヨーカドーでいうポッポとかああいうやつ、フードコートには絶対必要だよね。
意気揚々と1Fに下り、フードコートへ潜入。
フードコート
すると、あったあった、ここだ!!

ピーターパン外観
ピーターパン イオンモール川口店【食べログ】 ★★★★★★★★★★ フォーエバー・フードコートスナック売店 所在地:埼玉県川口市安行領根岸3180 イオンモール川口 1F

放課後と思しき女子高生が鯛焼きとかが陳列されてるホットスナックの前に並んでるよ。
ホットスナックコーナー
こういう光景って何年経っても変わらんのねぇ。サザエさんでもフネさんとお軽さんが女学生時代に甘味処に入ってくっちゃべってるみたいに、ずっと続いてるもんなんだろうね。
メニューはフライドポテトや焼きそば、モダン焼き(麺入りのお好み焼き的なもの)など軽食と、かき氷といった甘味系が揃う。ソフトクリームはチョコとバニラのミックスがあるのがこういうところらしいよね。
さて何を頼もうかと目をキョロキョロさせていると、ドリンクに+130円でフロートに出来るようではないか。これまたこういうところらしいメニュー! これでいこう。

というわけで、注文してフードコートの開いてるテキトーな席に着いて、いただきます!
メロンソーダフロート
ベースはメロンソーダM150円にしたが、このケバケバしいケミカルな色味(お菓子にしても子供好きだよね、こういう色)がやっぱりフロートを乗っけるのには似合う。
最初はそれぞれセパレートに味わう。ソフトクリームは意外とサッパリして、甘さ控えめ。甘いの苦手な身には丁度いい塩梅。
メロンソーダフロートUP
メロンソーダはメロンの味も香りもしないのだけど(メロンパンと一緒か。もしくはベースは一緒というかき氷のシロップ)なんだか美味しく感じられるのは子供の頃の記憶を引きずっているからか。
ソフトクリームが溶けてきた辺りでまぜまぜ。最後はグチャグチャになったのをストローでチューチュー啜る。氷も溶けて冷たさで口の中の感覚がマヒしてくるのだけど、これがトリップ感あるんだよね。ホント、味わうというより刺激を楽しむといったほうが近いかも。

そんなこんなを含めて、フードコートの売店らしいアイテムを堪能できた。
再オープンしても、こういうものは残しておいてほしい。今もって、これだけの子供や学生、それから買い物休憩中のオバチャンといった幅広い年齢の人々に求められているのだから。
あぁ、スガキヤもこんな感じで関東のどこかに残っててくれたらなぁ。マジで再出店頼んますよ、スガキヤさん!!

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お陰さまで、昨年に辰巳出版より発行させてもらった、
『東京ラーメン系譜学』
【詳細ページ
|Amazon】
『街道のグルメ』
【詳細ページ
|Amazon】

の在庫が、一時的だろうがAmazonでショートしている。
すぐに補充されると思うので、送料を足すと定価を超えるような業者からの購入は控えて頂くようお願いします。
それか、他のネット通販はほぼ在庫ありなので、上記詳細ページのリンクからご注文頂けたら幸いです(現在、リアル書店は一時休業中が殆どだが、大抵の店で通販をしている。特に取次のトーハンがやってるe-honは、現在送料無料キャンペーン中)。
というわけで、取材中は食べてもネタバレになるため当ブログUPできなかった、掲載店の中から超ロードサイドな物件を紹介しておきたい。

つくばエクスプレスでつくばまで来ることなんてこれまでなかった。そりゃ、電車賃が高かったというのもあるが、そもそも用事もなく、フライングガーデンの取材【Rettyグルメニュース】で柏の葉キャンパスまで行ったのが最長。
なので、終点近くまで行けることにワクワクしていた。

みどりの駅に降りた最初の理由は、ドライブイン中村だった。
徒歩15分ほどの場所にある昭和なドライブイン食堂で、味も良く、本に掲載するのに最適な店だったが、取材NGだった。
取材成功率が50%を切るような状況だったので、この程度では滅気なかったが、空振りで、とぼとぼ往復で30分以上あるくのはダメージが大きい。
とはいえ、ここまで来てタダでは帰れない。駅を挟んで逆方向に歩くこと30分以上、黄色い珍来と呼ばれる茨城独自進化系の珍来で食し、とりあえず収穫は得られた。
珍来では餃子とチャーハン、その前の中村でもかなりの盛りの定食を食べていたので、もう腹パンパン。
苦しいお腹を擦りながら国道354号に出て、駅へ向かって歩いていると、駅手前で県道133号に変わったところで、ロードサイド型の喫茶店を発見した。
リビエラ通り沿い
近づくと、ナイフとフォークとコーヒーカップのマーク(ピクトグラム)があるじゃないか!?
外観
そうそう、昭和のドライブインには必ずこうしたレストランや休憩所を指すサインが掲げられていた。これは前回の東京オリンピックから採用されたもののようだが、奇しくもオリンピック開催に合わせて整備されたのが高速道路や幹線道路。ロードサイドでこれに出会えただけで運命を感じる。これはスルーするわけにはいかない!

建物
レストラン・喫茶リビエラ【食べログ】 ★★★★★★★★★★ 街道遺産
所在地:茨城県つくば市谷田部1223-1
営業時間:11〜20時 定休日:偶数月の第1月曜のみ

入ると、照明が落とされた空間に焦げ茶色の木調の調度が埋め尽くされていた。これぞ昭和の喫茶店!
店内
窓際の席へ行ってみると、西陽が差し込む中、県道とこの店の看板が見渡せるナイスビューが展開していた。中から見る看板もグッとくるよ。
店内から外
窓辺に謎の人形も置かれてるし。カツラみたいな頭が怖ぇ。
窓辺
マダムが持ってきてくれたメニューを見ると、生姜焼きなど定食メニューの写真が並び、その後にグラタンやピザ、アルコールにおつまみ、喫茶定番のレモンスカッシュやソーダ水まで手書き文字がずらりと揃っていた。
腹パンパンなので定食は無理だから、ひとまず飲み物を頂くとしよう。でもコーヒーじゃここまで折角来たのに芸がない。ほかになにかいいものはないかなぁと探していると…。

バナナシェイク¥550、これだ!
バナナシェイク
出てきた瞬間、濃厚そうで期待できると直感した。
バナナシェイクUP
そして一口含んだ瞬間おったまげた! バナナの自然な甘みが爽やかに口いっぱいに広がる。こんな手作り感溢れるものが出てくるとは思っても見なかった。
そういえば待っている間、ミキサー音がしたが、後でマダムに伺ったところ、生のバナナと牛乳をミキシングしているという。クラッシュアイスが徐々に溶けて冷たさが増してくる感覚も心地いい。これはちょっとやそっとじゃ飲めないよ。

こうなったら、なにか軽食を試さずにいられない。
ハムチーズトースト(確かこれも550円くらい)!
バナナシェイクとハムチーズトースト
ハムときゅうりが挟まった上にチーズがまぶして焼かれたタイプで、きゅうりのシャクシャクっとした食感とチーズのトロっとした食感の組み合わせがクセになる。
ハムチーズトースト
ただ、ハムとチーズをパンにのせて焼いただけでなく、一捻り入れてくるのが憎い。頼んで正解!

ゆっくりするつもりが瞬殺とばかりに食べきってしまった。
凄いもの食べさせてもらったと会計時に感動をお伝えすると、ずっと昭和の喫茶店スタイルを貫かれているだけと謙遜された。昭和58年から創業39年になるという。それだけ続けられるのは確かな手仕事の証拠。特にバナナシェイクは人気で、初めて飲んだ人は必ず驚くという。
生姜焼きやナポリタンなど喫茶店らしい食事メニューも評判というから、また食事に来なければなるまい! ただ、最近になって閉店したという話も聞くが、なにぶんすぐに確認に行けない距離。新型コロナ騒ぎが落ち着いたら遠いけど機会を見つけて、営業されていたら今度こそガッツリ食うぞ。
というわけで、これぞロードサイド喫茶、ウマウマウマシ!!! ごちそうさまです!

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昨年末に発行したコーヒーのミニコミ誌、お陰様で委託先から追加発注もいただけるような状況で、手持ち在庫が底をつきそうだ。
というわけで、早々に電子書籍化してみた。
ブレンドしか頼まないヤツは一生飲みたいコーヒーに出会えない!? 1・現実と概要篇【Kindle版】
アマゾンページ

内容は、誤変換や文章のおかしいところを直した以外は変えていないので、読みやすく、全体にデザインされた本ならではの味わいを感じたい方は、まだ委託先書店では取り扱っているところも多いので、そちらも是非ご利用いただきたい。
どこも小さな書店なので、このご時世、通販していただけると嬉しいッス。文字ばかりの本なので、自宅で自粛中のお供にしていただければ幸いです。
というわけで、本の中でもチョット触れている、自分の中では昭和の酸っぱい珈琲を出す喫茶店の代表的存在をUPしておきたい。

学生街といえば喫茶店。この界隈はやはり昭和からの純喫茶の類が多く、特に神保町は嘗ての学生がコーヒー一杯で長時間粘り、議論を戦わせていた様な店が未だ健在だ。そんな空気感を残す御茶ノ水の喫茶店として真っ先に思い出すのがミロ。
表通り
さて、入口は何処でしょ? 雑居ビルの看板なんぞ探しても意味はない。
細い路地
サラ金や金券ショップの入る怪しげな雑居ビルの間の隙間。
路地UP
えっ、ここ入れるの?って激細路地の入口で看板がお出迎え。
看板
路地を進むと入口が見えてきた!

入口
ミロ【食べログ】 ★★★★ 4.0
所在地:東京都千代田区神田駿河台2-4-6

そして突如現れる、ナポリタンのサンプルが飾られたショーケース。
ナポサンプルショーケース
今でこそ表通りにランチの看板を出したりしているが、それでも知らなければここの看板なのかさえ判別が難しい、正に生ける迷宮物件!
サンプル
(表通りに出ているサンプル)

入るとそこは暗く、ランプシェードが鈍く浮かび上がる古城の様な空間…だったのだが、実は数年前に改装し、前より随分と明るくなった。
店内
それでも昨今のまっちろナチュラルなカフェなんぞから比べれば暗く、往時の空気を残しつつ今でも機能する様な秀逸なリニューアルといえよう。給仕も若めの女性ながらカフェかぶれした自称女子ではないのも高感度高し。

ランチは1100円で、13時を過ぎると1300円。
ランチメニュー
昔からこちらは高めの設定で、10年以上前に来た時も珈琲一杯700円で度肝抜かれた。
メニュー
(メニューはクリックで拡大)
まぁ新宿にあった名曲喫茶スカラ座もその位したが、あすこは蔦の絡まる古城の様な建築がそもそもイベント性が高いので、入場料くらいに思えた。しかしコチラは珈琲がトラジャとあっては泣くに泣けないものがあった。

トラジャはテレビCMで覚えている方もおられようが、キーコーヒーが力を入れていたインドネシアの豆で、これがまぁスッパイ。昔の喫茶店のコーヒー=スッパイの代名詞の様な味。
この店自体、往時の純喫茶の代名詞の様な店だから当然といえば当然か。でも10年程前はまだ昔気質の純喫茶も今よりはそこそこ残っていて、店先に出ている看板が鍵のマークだったりするとガッカリしたものだった。それが300円とかだったらまだ救われるが、二十歳ソコソコのバイト風情には痛すぎた。
トラジャ
今、こうして店の中に入って席についても、卓上にはトアルコトラジャイチオシのポップがコッチを向いている。これは、ここに来たら覚悟せよということなのか。いや、暑いからアイスコーヒーに逃げてもイイよね?

というわけで、スパゲティのセットにアイスコーヒーを先でお願いした。
アイスコーヒー
暫くしてやって来たそれは、大きなグラスにタップリ注がれていた。
色味も濃く、これはもしやと恐る恐る飲んでみると、天は我に味方したのか、濃いめで苦味も効いたシッカリした味の王道アイスコーヒーだった。もしかしたら豆はトラジャかもしれないが、深く炒ると酸っぱみは消えるのだろうか。
深炒りのコクが強いコーヒーの代名詞的に扱われることの多いマンデリンも同じインドネシアの豆なので、トラジャも深炒ったり物によっては似たようなニュアンスになるのかもしれない。

想定外のアイスコーヒーをチューチュー飲んでいると、厨房から炒める軽快な音が耳に響いて来た。
スパゲティセット
そして目の前に運ばれて来たのはミラネーズ。聞きなれないパスタだが、ミラノ風のといった意味らしく、いわばナポリタン的な日本風のネーミングらしい。一般的にクリームソースのパスタをさすらしいが、地方によってはカツなどが乗る、トルコライスパスタ版とでも言うべき料理を言うようだ。
ミラネーズ
これはそのどちらでもなく、まぁクリームソース的なものもなくはないが、味付けは無きに等しい素スパゲッティといった風体。
野菜果物たっぷり
付け合わせのポテトサラダも粘りある系ながらシッカリ手の入ったもので、サラダも多めでリンゴがウサギに切られていたりしてホッとさせられる。
パスタUP
ニンニクも唐辛子も効いてないのでペペロンチーノとも違うが、適度な塩気と細かく刻まれたベーコンや玉ねぎと相まって、シンプルに硬めでやや焦げめのついたパスタを食わせてくれる。

非常に最小単位のミニマルな味が妙にハマってしまった。また客に合わせて量や味付けを調整しているのか、スパゲッティの注文が入るごとに客層を聞いているのが好感が持てた。
創業は昭和30年だそうで、様々の時代の顔をこの隙間からそっと覗いて来た生き証人。まだ当分はここにいてくれそうだ。御茶ノ水の文化遺産として、ここに在り続けてほしい。
そして、酸っぱコーヒー好きは是非トラジャをトライしていただきたい。
ともあれ、昭和のユルい喫茶時間が流れる店でユックリできて満足! 美味しゅうございました。ごちそうさまです。

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