昨年末に発行した拙ミニコミ新刊『ザ・閉店3』が東急ハンズ新宿に置かれるらしいゾ!というわけで閉店したお店の中から、おおっよく考えたら当ブログでは未UPだった、今もやっている店舗もあるチェーンを紹介しておきたい。
近年連続して参加している情報系同人誌イベント「おもしろ同人誌バザール」が、3/22(月)〜3/29(月)の一週間、東急ハンズ新宿(タカシマヤタイムズスクエアのところの)2F催事スペース(連絡デッキから入ってスグのところらしい)に出張おもしろ同人誌バザールとして、企画出展します。自分のような食や鉄道など、世間的にはサブカルとか雑学と呼ばれるような類の、普段日の目を見ない情報系同人誌が公の場で陳列されるという、これまでにない光景が展開されるようです。
その中で自分は、掲載店どこもやってない究極に使えないガイドブック『ザ・閉店3』や、珈琲店をやってきた中で考えた珈琲についてまとめた本など、5種ほど並びますので、よかったら覗きにいってみてください。
初めてここの店名を見た人は、全く読めないかもしれない。
かくいう自分もそうで、「昆布」とか「金毘羅」みたいな名前だと思った。
羅布乃瑠沙羅英慕と書いて「ロブノオルサラエボ」は群馬県藤岡発祥で、北関東中心に展開するローカルチェーン。ロードサイドに突如、読めない漢字、しかもなんとも言えない独特のオドロオドロしい書体でババーンと出てきた時は、マジやべーなと思ったが、直後には入ってみたいという興味が湧いてきた。
調べてみると、どうも喫茶レストランチェーンらしく、価格は高めながら、ファミレスサイズの座席でゆっくりできる作りのようだ。
コメダ【過去記事】とか星乃珈琲【過去記事】、同じローカルチェーンで言えば埼玉の珈琲屋OB【favy】に近いかもしれない。ただそれらよりは、食事のウエイトの高い、ファミレス寄りのメニュー構成となっている。
最初は「沙羅英慕」だけの名前で、最盛期には40店舗ほどあり、郊外型オオバコ喫茶として名を馳せたようだが、その中から独自に「羅布乃瑠沙羅英慕」として展開するグループが出来たようだ。
昨今、こうした少々お高めながらユックリ過ごせる業態が人気のようで、沙羅英慕もどこに行っても混雑していたのだが、コロナ禍の昨年、鹿沼や小山南、渋川など知る限りで7店舗を閉めており、藤岡の本店さえ閉めたのだから相当に事は深刻だったのだろう。
そんな中で、恐らく一番東京から近いであろう店舗が春日部店で、自分が初めて行ったのもコチラ。
羅布乃瑠沙羅英慕 春日部店【食べログ】 ★★★★★ 5.0
ミステリー小説にも出てきそうなゴシックな洋館風の外観で、この佇まいが沙羅英慕の特徴。
扉を開けるとすぐ店内ではなく、アンティークな置物が並んだ部屋がワンクッションあって、その先で受付となる。
(ワンクッション部屋の中はこんな感じ)
(ワンクッション部屋の中の扉。ここを開けるとようやく店内)
初めての人はここまで来るのにいくつかのハードルを越えるわけだが、なのに店内は人で溢れている。
店内もアンティーク調で、薄暗く、テーブルも仕切りが高く半個室状態。
コロナ前はマダム連がピーチクパーチクしていた。狭いコーヒーショップで席を確保するのに手間取ったり、ファミレスでいちいちドリンクバー取りに行く手間を考えたりすれば、こういう店のほうが楽なのだろう。
メニューはコーヒーからパフェなどの甘味、トースト系の軽食、それにパスタやハンバーグといったガッツリ食えるものまでかなり充実している。
遅い昼飯がてらに来たので、ここはガッツリと行きますか。
というわけで、ハンバーーーーーグ¥1195+税!
おおっ、鉄板に乗ってジュージュー言ってるのが来たぞ!
しかもザラザラの和風おろしソースが鉄板いっぱいに溢れんばかりではないか!! 目玉焼きが乗ってるのも男の子心くすぐるし、これは期待できるぞ。
で、早速ハンバーグを割って食べてみると、ミンチはかなり粗く挽いてあって食感がワイルド!
しっかり食べ応えがあって、肉汁も楽しめる。これはモロ好み〜
特に和風ソースが秀逸で、ワインのようなコクが強く、なんだか俺の好みをリサーチしたんじゃないだろうかってくらいの味わい。ウメェぞコレ。付け合せのポテトもニンジンもいい塩梅だし。
この日の気分で、セットのスープとサラダはいらないので、¥213+税でパンを付けた。
これが小麦の粉っぽさが少々立った、ゴワッとまでは行かなくてもシッカリしたタイプのパンで、どビンゴ! 温かく、単品でバクバク食えそう。
余ったハンバーグソースをパンに染ませてたら、パンが足りなくなりそうだった。
なんとか全てのソースをパンと一緒に完食。
食事と一緒に頼んで¥232+税になるアイスコーヒーで〆。
銅マグってのがソソる。オジサンはこれに弱いのよ。アイスだとキンキンに冷えるしね。
といっても単に器だけの話じゃなくて、豆は自社焙煎で、抽出も濃いめ。豆をたっぷり使ってると思えるしっかり味。まろやかさと余韻が強い。
これで2杯目からは100円となるってのは、どんだけ長居しろってことなんだ!?
この沙羅英慕との出会いから、北関東に行って近場にあれば極力寄るようになった。
街道のグルメの取材も兼ねて、栃木店に行ったのは19年の4月。
建物の周りに木々が多く、コチラのほうが怪しげな洋館って感じが出てるね。
羅布乃瑠沙羅英慕 栃木店【食べログには情報ないが閉店した模様】 ★★★★★ 5.0
内観は春日部と似たような感じで、仕切りも多い。
間食目的で来たので、コーヒーがてら甘いもんと行きますか。
フレンチトーストが沢山種類あったので、試してみよう。で、どれにするか迷った挙げ句・・・
キャラメルバナナ(セット)¥1084+税!
スキレットのような小さなフライパンごとアツアツな状態で来るのが嬉しい。ハンバーグといい、こういう演出はテンションが上がるね。
ただ、昨今のカフェなどで出てくるタイプで粉糖も振られて洒落ている感じがチト、おじさん的には苦手。
とはいえ食べてしまえば、無問題。
トーストだけ食べるとソースの甘さが際立つが、クリームやアイスを溶かして混ぜて食べると意外と甘さがちょうどよくなり、うん、これはイイね。
見た目がボリューミーながら、案外サクッと完食。
同時に頼んだホットコーヒー(ブレンド)はやはり濃くて量も満足いくもの。
コーヒーがしっかりしてるってのは、リピートにはとても重要な要素なので、正直うれしい。
どの店舗も駅から遠いので、列車旅行には立ち寄りは厳しいが、こういうローカルチェーンがあることで旅が楽しくなるのは事実。なのに閉店ラッシュで、ここ栃木店も例外でなかったようなのが悔やまれる。
先の春日部店はFCで、栃木は直営っぽいので、その辺で明暗が別れたのかもしれない。栃木よりもっと木々が生い茂ってた藤岡本店や鹿沼店が存命なうちに訪問できなかったのが心残りだ。
(春日部店にあった2019年当時の全店リスト:↑クリックで拡大※光で飛んでて見えない店舗があってスマン)
というわけで、今ある沙羅英慕を出来る限り巡ってきたいと心に誓うのであった。
次はまたハンバーグか軽食か、それともパスタか……ヒジョーに嬉しい悩みだ。とにかくどれもウマウマシ!! ごちそうさまでした!
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