カテゴリ:中華(含焼きそば等) > 町中華

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緊急事態宣言が解除され、飲食店も22時まで営業できるようになったが、この宣言下で20時までの営業を続け、感染対策をしつつ、テイクアウトもOKと主張してきたお店をちょっと取り上げて見たいと思う。

以前、ニンジンの入ったチャーハンに注目して取り上げた、高島平にある「暫(しばらく)」。

その後、夜飲みも利用し、そうしょっちゅうではないが定期的に伺っているのだが、他のメニューも驚愕の内容だった。

暫外観
【食べログ】 ★★★★★★★★★★ ×∞ 幸せ
所在地:東京都板橋区高島平7-23-5-103
(写真は初訪問時のもの)

アルコールはアサヒが入っているのでガックリな向きもあるだろうが、サワー系は酎ハイ倶楽部になるのでむしろウエルカム。
レモンサワー
レモンサワー(400円くらい。若干値上げしていたのでうろ覚えで許されたい)の若干の甘さと炭酸と加減がいいんだよね(写真は我慢できずちょっと飲んじゃったもの)。
お通しきんぴら
お通しに手仕込みきんぴらなんて嬉しいじゃないっすか。

で、つまみにまず頼む定番となっているのが、なす焼き350円(確か)!
なす焼き
輪切りにしたトロットロのナスに、醤油とおろし生姜と鰹節が炒めた油に絡んで、もうこれだけでノックアウト。チューハイが進む進む。

続いて、ナスと並んで必ず頼むアジフライ550円だったか!
アジフライ
小ぶりながら身厚でプリップリのアジが2尾。ザクザクとした粗めの衣でアッサリきつね色に上がっていて、この衣にレモンを垂らすと、酸味と油がホクホクのアジに染みて、もうサイコーすぎる。
アジ断面
定食を頼んだ時はモチロン、白米にワンバンも忘れない。間違いないこと山の如し。

巨峰サワ―なんぞに移行しつつ、次に頼むものを模索する。
巨峰サワ―
定食でも頼める一品料理が充実しているのだが、店内に貼られているメニューには写真がついているものがあり、それを見ると、鉄板焼き状態で提供しているものも多く散見できる。これがここのキモで、この値段でこんなん出てきてイイの?と思うようなもんがボーンとやってくるのだ。

まずは中華メニューでは定番のニラレバ700円ほど。
レバニラ
煙もうもうの中、目を凝らすと、賽の目に切られたレバーがこんもり盛られたモヤシとニラの上にたくさん乗っかっているのが見えてくる。
このレバー、外は焦げ目がつくほど焼けてカリッとした部分もあるくらいなのだが、中はなかなかにソフトで、ネットリとした旨みに満ちてる。
ところどころ焦げたニラやモヤシってなんでこうもイイのだろう。

そしてこちらの鉄板焼の真骨頂とも言えるのが、若鶏の和風ステーキ。
チキンステーキ
モヤシの上に皮がパリッパリになった大ぶりホクホクチキンがドカンと乗ってジュージュー言ってるなんて、子供だったら発狂しそうな光景。
もうね、身厚のを頬張ったら、絶対マズいわけないでしょ。これが街場の定食屋っつーか中華っつーか酒場っぽいようなお店で食べられたら、文句が出ようはずがない。若干甘いような、ベース辛めのあっさりしたタレも肉を邪魔せず、バクバク食べさせてくれる。

そして、これで終わらない。暫が暫たる看板メニューが、にんにく炒飯700円!
にんにく炒飯
真っ白すぎてピラフにしか見えないだろうが(福神漬がそうさせてるのかも)、炒飯は店側がチャーハンっていえば何でも炒飯なのだ。
食感もややピラフっぽい、米が焼けているようでスプーンの底に粘りつくような炒め具合で、味付けの塩コショウは控えめで、究極的なシンプルさ。ただひたすらニンニクが入っているという潔さ。
ニンニクUP
ニンニク好きによるニンニク好きのための一品という感じで、炒まってやや香ばしさのついたホクホクのニンニクを、思う存分食べられる多幸感ったらない。幸せだ、幸せすぎる〜。

先日テイクアウトした時は、アジフライとレバニラとにんにく炒飯にしたのだが、家に帰って広げてみると、店では気づかなかったが、こんなに量があったのかと驚くほどのボリュームだった。
一品一品の価格は、大衆食の一般価格から見て若干高く思われるかも知れないが、ボリュームとクオリティで納得、そして食べれば申し訳なくなること請け合いだ。
以前は志村三丁目駅近くにもあったが、改めて行く前に失くなられたのが悔やまれる。高島平で営業して入れていることを有り難く思い、また1人でイートインやテイクアウトを利用するし、再び店内で人と食べられる日が来たら、楽しく食事をしたい。昨今、何かと人に勧めているお店なので、この驚きをシェアしたいのだ。
というわけで、やっぱしサイコー最幸。ウマウマウマシ!!! ごちそうさまでした!

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放送前に当ブログで告知しないという大失態をやらかしている、相変わらずな自分だが、先日土曜の2/16、テレビ東京系のTV番組『車あるんですけど…?』に炒飯マニアとして召喚された回が放送されました。
番組内容の詳細は→【価格コム TV番組情報】
というわけで、番組に登場したお店について、簡単にだけど自分の雑感を述べておきたい。


もちろん1軒目は紹介できないわけだが、2軒目の平和軒は本当に偶然にしてはよく巡り会えたなという、軒先に岡持ちがあったり、常連客が昼から飲んでるなど、町中華としてはドストライクなお店だった。

平和軒【食べログ】 所在地:神奈川県川崎市川崎区伊勢町26-14

蒲田や川崎の駅周辺はそれぞれ餃子で売り出してる街だし中華屋が多いのだが、そもそも大陸系が強く名店揃いなので、個人的にはどーしても1軒はこれぞ町中華、これぞシットリ炒飯というものをドカンと提示したかった。
チャーハン
その意味で平和軒は願ったり叶ったりで、白いラードを毎回使って冷凍や冷蔵をしてないご飯で炒めてるので、町中華のシットリ炒飯がどういうものなのかというのがよく伝わったと思う。
シットリのさらに上を行くと言ったけど、米がホクホクで、米に水気が閉じ込められてシットリというのもあるが、それだけだとビチャっとしてラードとダブルで重い炒飯になりかねない。でもフワフワと柔らかくソフトさがある炒め加減で、ここまでシットリしつつソフトな食感を残している炒飯はまずない。
チャーハンUP
チャーシューのタレも効いてるけど香ばしさだけ残してショッパくないのは、米と油のバランス故だと思うんだよなぁ。
付け合せのスープも自然な旨み満点で、スープはチャーシューも一緒に煮込んでるそうだけど、骨とは違って肉の身の旨みってジンワリ染みて好きなんですわ。そのコクがチャーシューを通してチャーハンにも移ってると思うんだよね。

平和軒といえば五反田は大崎広小路の程近くに同じ屋号の店を思い出す【過去記事】。個人的にはぜひ今度ご挨拶がてら再訪して、その辺のお話も聞けたらと思っている。


木の子もホントよく見つかったなと。
葛飾炒飯さんのホームなので、殆どが既訪店の中、もうちょっと先まで走らせないと未訪店はないんじゃないかと思っていた矢先、ボクが見つけて急きょUターンして行った。

木の子【食べログ】 所在地:神奈川県横浜市中区本牧1-104

いわゆる大陸系の中華なんだけど、やはり場所がら中華街が近いだけあって、街場の中華屋も中国の方の店が多い。中には町中華もあるのだけど、でも中華街と周辺地区の違いは、大陸系でも町中華ナイズされてるという点。ここも宵の口に始まり日を跨いで営業しているだけあって、アルコールや一品物がとにかく充実している。
東京でもこうした一品物が多く飲める大陸系はよく目にするが、本格中華っぽい品だけでなく、日本人が好みそうな町中華的メニューやセット、定食モノなんかも揃え、それこそ板橋の龍王【メシ通|過去記事】みたいなスゴイ店が出来上がったりするのだけど、こちらもそういう雰囲気を感じさせた。

チャーハンもこうした大陸系でも意外とパラパラしすぎたのは余りお目にかかったことはない。龍王もそうだけど、地域に寄るのかもしれないが、本場でもそんなに親のカタキみたいにパラパラにはしないみたい。
玉子チャーハン
レタスの場合、水気で自然としっとりチャーハンになるケースも多いが、米の水分量ではなく外的要因でしっとりになったのって総じてヒドイ。大抵がベチャーハン。
でもここのはレタスのシャキ感が残っていて、炊きたてご飯を炒めすぎないから、米の甘みも野菜の甘味も残ってるんだよね。味付けは薄めだから、その辺のニュアンスがよく感じられる。
油もそこそこあるので、一見パラパラ気味に見えるんだけど、掬っても1粒1粒分離しないし、食感がやっぱ米の粘りを多少とも感じるんだよね。
五目チャーハン
もう1つ、五目チャーハンも一緒に頼んでたんだけど、こっちは八角みたいな中華系の香りがして、チャーシューとハムというダブルの肉が入ってたりと、なんだか町中華と大陸系の融合みたいで、あるようでない面白い味になってた。

一品モノがとにかく多いので、今度は御礼方々飲みに来たい。
メニューの一番最初が白飯というのも面白い。飲めなくとも一品モノと楽しめるから、まず白飯いっとけ、みたいなことなのだろうか。
撮影は小上がりだったが、大小テーブル席もあり、一人から大人数まで使える大陸系町中華とでもいおうか。大陸系もだいぶ浸透してきて、以前UPした葛西の合合【過去記事】といい、こういう根付き型の店でいいところが増えている気もする。


正月ネタも途中のまま更新が滞ったところでこのようなお知らせの記事で、通常更新にはいつ戻れるのかと自分でも不安になっているが、そのうち軌道修正するので、気長に当ブログとお付き合い頂けたら幸いッス。
悪ぃね、申し訳ない(オチがまんてんかよ)!

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新たな動きのお知らせを。
拙著の表紙でお世話になったり、当ブログでも過去に触れています、仲宿の連なる商店街にある町中華の至宝、かさま。
グルメサイトfavy(ファビー)にて記事を書くことになりまして、その第一弾として取り上げさせて頂きました。
favy:なぜここに会津若松名物ソースカツ丼!?町中華の宝庫・板橋でも異彩を放つ『かさま』

ソースカツ丼のほか、町中華飲みについても触れています。
ソースカツ丼の誕生については初めて明かされる内容ですので、是非読んでやって下さい。

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11/24(土) 板橋グルメマニア第1回トークイベント開催!
【詳細:刈部山本の活動ブログページ】
『板橋マニア』の食ページ執筆陣によるトークイベント&食事会
[第1部 トークイベント]@板橋地域センター 18〜19時30分予定 40名 500円
[第2部 打ち上げ二次会]@粒粒香(リリシャン) 20〜22時予定 30名 4,000円(飲み放題)
[応募方法] itabashi.gourmet(あっとまーく)gmail.com に、お名前と人数、1部のみ・二次会のみ・両方かを送信。
というわけで、当日は板橋しっとりチャーハンネタを期待されそうなので、前フリとして当ブログ未UP町中華をば。


高島平団地の北側、三田線と荒川に挟まれた部分は市場や物流倉庫が並ぶエリアとなっているのだが、ここを横断する市場通りというのがあって、以前UPした暫【過去記事】や七福なんてラーショ的な店があったりする。
新高島平駅から市場通りに出たところに、以前から気になっている町中華があったので、今年のある日の昼下がりに立ち寄ってみた。
外観
博雅【食べログ】
★★★★☆ 4.3
所在地:東京都板橋区高島平7-30-2

赤地に白抜きで「博雅」と屋号が読める。角地の立地を上手く活かして入口のサッシを多く取っているからか、外からでも店内が明るく見える。
中はテーブル席主体で4卓くらい。小体のザ・町中華といった趣ながら、小綺麗にされていて清潔感が全体に漂っている。
店内
外にあった、ソース焼きそばと餃子に特化したお土産の表示からしても、デキるオーラをビンビン感じる。これは良さそう!
お土産掲示
メニュー
期待に胸躍る気持ちをグッと抑えて、何気ないそぶりで注文。厨房はベテラン風のオヤジさん2人体制。小気味よく鍋を振るう炒め音が、テレビだったかがゆるく掛かる程度の静寂の中、自分しかない店内に心地よくこだまする。

で、やってきましたチャーハン¥650+大盛り¥100!
チャーハン大盛り
おおっ、水色の六角形の定番の器にドカン!と景気よく盛られてるじゃないっすか!!?
チャーハンUP
横から見るとデカいブロックの鶏肉がゴロっと入っているのが見えた。これはテンションあがりますなぁ。
で、さっそくレンゲで掬うと、ハラリと米の山が崩れた。食べるとこれがもうホックホク。やもすればパラパラと形容されかねない仕上がりながら、米の水気を内部に保った町中華仕様。油もラードか植物油か知らないが、かなりサラッとしたものを使っているように思えた。味付けもかなり薄め。
鶏肉も脂身の少ないもので、ゴロゴロ入っていてもあっさり食べられてしまう。玉子の他にはグリーンピースとネギが少々見受けられる程度で、具材もシンプル。付け合せのスープは案外醤油ダレの味わいがしっかりしていて、サラッとした飲み口ながら満足感がある。これはラーメンもかなり良さそう。
米の炒め上がりも具も油も、全体にサラッとしたものでまとまっているので、かなりの大盛りもあっという間に完食。

お店の方に美味しかったと告げ、ホクホク顔で店を後にした。
次はラーメンや焼きそば、それに餃子をつけて味わいたくなる。町中華に期待する気持ちに応えてくれる、懐の広さを感じずにいられない。
こういう店が街にある幸せって、板橋に来てから定期的に感じるんだよね。ありがたいことです。
というわけで、美味しゅうございました。ごちそうさまでした。

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今夏もやります!
8/12(日) 3日目 東5 ヒ-07b ガキ帝国@東京ビッグサイト【コミケWEBカタログ】uraita1hyoshi
新刊ほか、当日の取り置き、受付中!!
詳細は→【サークルブログ】まで。
…オフセット新刊は『裏板橋メシ屋道中記・東地区篇』【詳細ページ】。昨今多い板橋のムックやガイドブック。それらに載らない、載せられない?どローカル飲食店を巡る「裏板橋本」。
限定本は、昨年秋の再販『神保町ドキドキパニック』、拙文庫のAmazon購入特典PDFの冊子版。
というわけで、夏新刊で取り上げた店と関連しつつも、過去ブログにUPしていなかったレポがあるので、本を出す前に紹介しておきたい。

中板橋駅の南側に、旧川越街道が土佐っ子発祥の地とされる下頭橋を突っ切って環七まで続いている。嘗ては賑わった街道筋だろうが、今では昔ながらの商店が散見できる程度の淋しげな沿道風景となっている。
ある夜、現川越街道からこの旧道へ出る、抜け道のようなクネクネと続く細い路地があったので入ってみると、真っ暗な住宅街にポツンと店内から明かりが漏れる中華屋が出現した。
博龍外観夜
え、こんな場所に!?
というロケーションながら、それ以上に波板ガラスの前に架かる半円のラウンド型の暖簾に目が釘付けになる。
博龍昼間の通り
(↑は昼間撮影した路地風景)
今でも僅かにこの型の暖簾を残す店があるが稀少となっているし、自分的に外れがないという経験則があるので、もう入らずにいられない。
博龍01外観発見時
博龍
★★★★★★★★★★ 町中華遺産
所在地:板橋区弥生町57-8

扉が重く、開けるのに四苦八苦していると店のご主人が開けて店内へと誘ってくれた。
中はもう案の定というか予想以上に出来上がった、永い歳月が経ないと出ない風合いの、蛍光灯に浮かび上がる焦げ茶色の空間が広がっていた。
博龍店内
といっても奥行きのないカウンター数席に、テーブル席が1卓のみ。店の感じにしてはお若くみえるご主人と御婦人のお二人が暖かく迎えてくれた。テーブルにいた御婦人がお冷と一緒にスポーツ新聞をスッと差し出してくれるのが憎い。
メニュー
(↑メニューUP)
テレビや新聞を見つつ待っていると、カウンター越しにご主人の勢い良く鍋をふるうリズミカルな気持ちいい音が耳をつく。

思わず溢れる笑みを抑える間もなく御婦人が運んできてくれた、チャーハンは¥650!
チャーハン
大盛りでないのにしっかりした量で、後で持ってきてくれた付け合せのスープもさることながら、しっかり浸かって瑞々しい漬物も嬉しい。
チャーハンUP
肝心の炒飯だがこれが見るだに具だくさん。玉子・青ネギが目立つが、なんといっても目を引くのがナルト。粒は大きくないが、結構な量のピンクと白のマーブルが覗いている。
レンゲで解すと、湯気とともにホロホロと崩れる。うっすらつく適度な焦げ目は、絶妙な炒め具合の証拠。噛むと、これがもうホクホクという言葉以外みつからないほどのホックリ加減。米に水気を讃えつつ、炒まることで余計な水分が飛び、油も必要最低限でオイリーさはなく、炊きたての御飯のホカホカ加減をそのまま保ったような出来栄えにレンゲを持つ手が震えた。
味付け自体は濃くなく、ややコショウ強めでピリとしていて味自体の印象は特に残らないが、米の優しい食感と、ナルトの少し焦げた香ばしさとムニュとした食感というダブルの食感に、多めながら主張しすぎない具材が絶妙に絡まり、全体にまとまった大人しくもメリハリある味わいが広がる。

町中華の炒飯はどれもその町に親しまれてきたそれぞれの味で外れは余り経験ないが、ここまで当たりというか、店の見た目、その存在感が味に現れマッチしてるのも珍しい気がする。この一皿に店の歴史が凝縮されているかのようだ。
これで十分満足なのだが、御婦人がトドメにアイスコーヒーを出してくれた。こういうのがミゾオチにハマるというか、泣きそうになってしまう。テレビの内容について店のお二方と雑談しながら食べた束の間の時間が、とても貴重に思えてきた。御婦人が扉を開けて最後まで見送ってくれた。腰が低く、ご主人も朗らかで、炒飯と同じく気持ちもホクホクしてくるのだった。
いやはやしみじ〜み染み渡る旨さ。御見逸れしやした。ごちそうさまです。
そしてこの後、旧道に出たところで見つけたものとは!?・・・それは夏新刊をお楽しみに!

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