最近カレーづいてるので、COMIC ZIN完売記念として、1年前の拙著10年冬号『立喰いの挽歌』より未UPカレーネタをば。
御徒町駅と上野駅の間には、ガード下も脇道も小規模店が犇めき合っているが、チェーン系や飲み屋でも真新しい店が目立つ。老舗も新店舗展開なんぞしているのが目に付くようになる中、魔境喫茶丘【参照:◆純喫茶Hippie◆】の近く、角地にポツンとなんてことない白壁のレストランが見えてくる。

植木に覆われ見過ごしてしまうほどだが、実は創業90年程になる老舗洋食店なのだ。
好養軒【食べログ】
★★★★☆ 4.5
所在地:東京都台東区上野6-5-1
ビルに建て替える20年ほど前は非常に存在感のある店構えだったそうで、写真でも拝めないのが残念だが、今でも店内は至ってシンプル。
何らの飾り気も要さない、老舗洋食店の凛とした空気が感じられる。といっても老舗で売ってる感じはなく、夜営業の口開けに覗くと、旦那さんが客席でくつろいでるほどだ。

こちらに気づくと営業開始。奥から女将さんがお茶と新聞を持ってきてくれた。この辺がやはり古くからの地域密着店やね。

メニューを見ると、トンカツ・メンチ・カツ丼・カレーと定番メニューに絞った潔さ。しかし裏を見ると「あとのせ」なるメニューが存在する。

これはオーダーした定食や丼モノへの追加トッピング。もちろんお願いすると、厨房で旦那と女将さんがあとのせかどうか確認してる。つーかちょっとモメてる感じ。メニューにあとのせとあるのでそう頼んだが、別皿かONするか選べるようなので、「あ、乗せちゃっていいです!」とフォロー。
そんでやってきました、カレーライス¥540+メンチカツ¥130の1枚乗せ!

どーよ、計670円とは思えないボリューム感。盛りっぷりがいいでしょ。ONして大正解!
カレーはザ・昭和のライスカレーといったテイストで、小麦粉仕立て。ドロドロというかモソモソで全然辛くない。なのに香りが立って脂のコクも感じられる。こういうベタなカレーはもう10年以上食べてなかったが、たまに食べるとこれはこれで味わい深い。ここのが特別なのだろうか。

メンチは綺麗に均等に揚がったキツネ色。ミンチはやや細めながら肉汁もたたえ、ふっくらと揚がっている。衣も細めながら超サクサク。で、基本的にはこういうよく揚がったものにカレーなどをかけてしまうと、折角のサクサク感が死んでしまうので好きではないのだが、ここのは別。ドロドロのカレーが衣を生かし、絶妙なバランスを保っている。試しにカレーのかかってない部分にソースと醤油を試してみたが、これがイマヒトツ。カレーがかかったのを食べた後では物足りない。最初からかけてない定食を食べてたらまた印象が変わったとは思うが。
ご飯も気持ち固めながら瑞々しく炊きあがっていて、カレーとマッチしているし、付け合せの味噌汁もしっかりした味。そして手作り感あふれるポテサラがまた量が多く、カレーとメンチだけなら見た目ほど量は多くないのだが、このポテサラですっかり満腹になってしまった。
途中でご近所の常連と思しきオッサンが入店。なにやら日本橋三越で並んで買ってきたスイーツをお裾分けしている。次々来る客でごった返すような店ではないが(昔はそうだったのかもしれない)、外の喧騒が嘘に思えるほど、のんびりとした居心地のよさがある。美味しかったと告げ、笑顔に見送られ店を後にした。
華麗まんてん【過去記事】と比較される向きもあるようだが、全然違うとだけ言っておこう。こちらの方が、いわゆる黄色い昔なじみのカレーの延長線上にある感じ。でもココならではの味わい深さはあるし、ココイチなんかより遙か昔からトッピングがなされていたことを考えても、周りの煌びやかさに埋没しているのが勿体無く思えた。特別なものは何もないが、こういうのが好きな方にはわざわざ行くだけの価値はあると思う。
いやはや感慨深い一杯だった。う〜ん、オイシイ! ごちそうさまでした〜
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御徒町駅と上野駅の間には、ガード下も脇道も小規模店が犇めき合っているが、チェーン系や飲み屋でも真新しい店が目立つ。老舗も新店舗展開なんぞしているのが目に付くようになる中、魔境喫茶丘【参照:◆純喫茶Hippie◆】の近く、角地にポツンとなんてことない白壁のレストランが見えてくる。

植木に覆われ見過ごしてしまうほどだが、実は創業90年程になる老舗洋食店なのだ。

★★★★☆ 4.5
所在地:東京都台東区上野6-5-1
ビルに建て替える20年ほど前は非常に存在感のある店構えだったそうで、写真でも拝めないのが残念だが、今でも店内は至ってシンプル。
何らの飾り気も要さない、老舗洋食店の凛とした空気が感じられる。といっても老舗で売ってる感じはなく、夜営業の口開けに覗くと、旦那さんが客席でくつろいでるほどだ。

こちらに気づくと営業開始。奥から女将さんがお茶と新聞を持ってきてくれた。この辺がやはり古くからの地域密着店やね。

メニューを見ると、トンカツ・メンチ・カツ丼・カレーと定番メニューに絞った潔さ。しかし裏を見ると「あとのせ」なるメニューが存在する。

これはオーダーした定食や丼モノへの追加トッピング。もちろんお願いすると、厨房で旦那と女将さんがあとのせかどうか確認してる。つーかちょっとモメてる感じ。メニューにあとのせとあるのでそう頼んだが、別皿かONするか選べるようなので、「あ、乗せちゃっていいです!」とフォロー。
そんでやってきました、カレーライス¥540+メンチカツ¥130の1枚乗せ!

どーよ、計670円とは思えないボリューム感。盛りっぷりがいいでしょ。ONして大正解!
カレーはザ・昭和のライスカレーといったテイストで、小麦粉仕立て。ドロドロというかモソモソで全然辛くない。なのに香りが立って脂のコクも感じられる。こういうベタなカレーはもう10年以上食べてなかったが、たまに食べるとこれはこれで味わい深い。ここのが特別なのだろうか。

メンチは綺麗に均等に揚がったキツネ色。ミンチはやや細めながら肉汁もたたえ、ふっくらと揚がっている。衣も細めながら超サクサク。で、基本的にはこういうよく揚がったものにカレーなどをかけてしまうと、折角のサクサク感が死んでしまうので好きではないのだが、ここのは別。ドロドロのカレーが衣を生かし、絶妙なバランスを保っている。試しにカレーのかかってない部分にソースと醤油を試してみたが、これがイマヒトツ。カレーがかかったのを食べた後では物足りない。最初からかけてない定食を食べてたらまた印象が変わったとは思うが。
ご飯も気持ち固めながら瑞々しく炊きあがっていて、カレーとマッチしているし、付け合せの味噌汁もしっかりした味。そして手作り感あふれるポテサラがまた量が多く、カレーとメンチだけなら見た目ほど量は多くないのだが、このポテサラですっかり満腹になってしまった。
途中でご近所の常連と思しきオッサンが入店。なにやら日本橋三越で並んで買ってきたスイーツをお裾分けしている。次々来る客でごった返すような店ではないが(昔はそうだったのかもしれない)、外の喧騒が嘘に思えるほど、のんびりとした居心地のよさがある。美味しかったと告げ、笑顔に見送られ店を後にした。
華麗まんてん【過去記事】と比較される向きもあるようだが、全然違うとだけ言っておこう。こちらの方が、いわゆる黄色い昔なじみのカレーの延長線上にある感じ。でもココならではの味わい深さはあるし、ココイチなんかより遙か昔からトッピングがなされていたことを考えても、周りの煌びやかさに埋没しているのが勿体無く思えた。特別なものは何もないが、こういうのが好きな方にはわざわざ行くだけの価値はあると思う。
いやはや感慨深い一杯だった。う〜ん、オイシイ! ごちそうさまでした〜
好養軒 ( 御徒町 / とんかつ )
★★★★★5.0
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