カテゴリ:ラーメン > 背脂・豚骨醤油

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またまたご報告遅くなり申し訳ない! 9/21(月)、NACK5|THE SEITARO★RADIO SHOW「1700」【番組サイト】に電話出演をさせていただいた(1週間はラジコで聴けます)。
無題
放送では、近著『埼玉「裏町メシ屋」街道旅』【詳細】の中から、西川口の「御食事あおき」について。

小学校の通学路にあり、まさか大人になって暖簾をくぐることになろうとは!? そしてラジオで喋る日が来るとは!?
本来なら埼玉、殊更川口に関連した記事をUPすべきところだが、最近オオッ!っと驚嘆した出来事があったので、その報告をしておきたい。

ある日のこと、ツイッターの知らないアカウントからDMが届いた。たまに仕事の依頼がったりするので、一応どんなメッセージでもチェックはするのだが、開いて直ぐに拙ブログや拙著を見てくれているだろう方からのものと分かった。たまに激励のメッセージなどもあるので、見落とせない(稀に批判もあるが^^;)。

内容は、ちょっと変わったものだった。
中板橋に満福というラーメン店が嘗て存在し、ここのつけ麺に似た味を知らないか?
要約するとこんな感じ。満福は隠れた人気店で、自分もマークしていたのだが、何度かトライするものの休業。暫くして閉店してしまった。
食べられなかった店の味に近似したものなど流石に思い浮かぶはずもなく、事情を説明しご期待に添えないとお詫びを返信した。
ただこれだけでは折角メッセージしてくれた方に申し訳ないので、似てないとは思うが、どういう味だったか教えてくれれば、同系統のお店はどこか言えるかも知れないと付記した。
どうも、ホープ軒のようなタイプの豚骨醤油で、つけ汁に背脂が浮いていたという。写真も送ってくれた。
ホープ軒タイプの豚骨醤油の店でつけ麺というのは意外とない。やっていても魚介を加えるなどして、ベースの味と変える例も少なくない。

そこで、パッと思いつたのが上井草にある幸来だった。

食べログを見てみると、やっぱり、つけ麺をやっていた! 写真を見る限り、麺もやや太めで、つけ汁もベースの豚骨醤油で背脂をかけている。
絶対味は違うだろうことを前置きして、自分が思いつく限りここくらいと返信したところ、投稿者からすぐさま食べに行ったと連絡が来た。
なんと、かなり味が近い、つかほぼ同じというではないか!!
って、そんなことある????
あまりの出来事に居ても立っても居られず……といっても10日ほど経ったある昼下がり、久々に幸来の前に立つのであった。

外観
幸来【食べログ】 ★★★★★★★★★★ 現役背脂豚骨醤油として!
所在地:東京都練馬区下石神井4-19-8

記憶違いかもしれないが、券売機は上部に大きなボタンが配される、最近っぽいものになっていた。つけ麺のボタンを探してポチる。
カウンターだけの店内には感覚を開けて客がポツポツと入っていた。コロナ対策だろうか、アルミサッシの扉は開けっぱなし。ここは席の後ろを通る幅がないので、券売機から遠い席に移動する時や水を汲みに行く時など、扉が開いてると一旦道路に出て移動しやすくてイイ。
相変わらずガテン系らしきガタイのいい男性客ばかり。暑い中でも黙々とラーメンを啜っている。
厨房を見ると、ガッチリして若そうなニイチャン店員とともに、オバチャンがメインで麺上げなどをこなしている。話では聞いていたが、これまでオバチャンがいる時に当たったことがないので(もしかしたら初回に見かけたかも知れないがうろ覚え)、じっくりオバチャン謹製の一杯に向き合えるぞ。
年齢を感じさせないキビキビとした湯切りやスープを注ぐ姿に見惚れていると、やってきました。

つけ麺900円!
つけ麺
豚骨醤油の店ってつけめんがあってもそこそこ値段するパターンが多いが(その割に量が少なかったり味がイマイチだったりする)、果たして相応のものとなってるだろうか。
つけ汁
まずスープを一口レンゲで啜ると、オオッ、豚骨バッチシ出てるじゃないっすか!
スープUP
ノーマルのラーメンでも、ここ数回は今ひとつシャバいことがあって、脂多めにするとスープが背脂に負けて全体の味が今ひとつに感じたが、しっかり醤油ダレが立って色味的に黒くとも、奥に甘みがあって、しっかりスープの旨みを感じられる。今日は特に当たりかな。やっぱオバチャンのだからだろうか!?
麺
麺は中太のストレート麺で、細めのラーメンとは別物。麺の方に盛られた具の、コリコリながらしっとり水気もあるメンマや、巻きチャーシューもいい感じの出来で、箸休めになる。
麺UP
麺自体はやや茶っぽく、ツルンと艷やか。噛むとモッチリとしながらも、しっかり噛みごたえがって、麺だけでかなりいい塩梅。茹で前200g超くらいかな、暑いときには丁度いい量か。
これをつけ汁に付けると、馴染みすぎず適度に弾きながら、スープとともに口中に入って、麺を噛むほどにスープの苦甘さも味わえる。

無心になって食べていると、麺を完食してしまった。
これだけで十分お腹は満たされるのだが、スープがそこそこ残ってしまった。これだけで多少飲みすすめるも、やっぱり少々塩味が強い。スープ割りはお願いできるのかな。
というのも、券売機にスープ100円というボタンがあって、これを買うのかもしれない。まぁ聞いてみて、言われたら買えばいいやと、オバチャンにスープ割り下さいというと、あいよとあっけらかんとつけ汁を手に取り、スープを足して戻してくれた。
スープ割
たっぷりスープが足されて、だいぶ白っぽくなったが、お陰で俺的にどビンゴなスープが思う存分楽しめるぞと。直で勢いよく飲むと、おおっ、これこれ。ここんちのラーメンで好きなバランスの時のスープの味がする。

意気揚々と飲み干すと、もうお腹はたっぷたぷ。もう大満足どころの話ではない。
後片付けに忙しそうだったが、去り際に美味しかったとオバチャンとニイチャン店員に告げ、店を出ようとすると、背中にありがとうございましたの声を感じた。
今回、メッセージをいただかなければ、こちらでつけ麺を試すことはなかったかもしれない。夏場に熱いラーメンはツライので、これまで夏に来ることはなかったが、これだったら来年も夏に来れる。自分にとっても大きな発見となった。
にしてもやっぱここんちのスープは好みの豚骨醤油ですわ〜。しみじみウマウマシ!! 暑い中でもお客さん来てくれて有り難いと言っていたが、さらに暑い厨房で立居振舞うオバチャンこそ有り難い存在だ。感謝感謝。ごちそうさまでした。

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前回の記事で触れ損ねていたのだが、12年前に発行した拙ミニコミ同人の限定コピー誌『麻布坂十三番勝負』をKindleで復刊した。
Amazonでのページ→【麻布坂十三番勝負Kindle版】
内容等詳細は↓

麻布にある坂をアップダウンしながら街歩きしたもので、今は亡きラーメン店のレポも当時のまま掲載。さらにKindle版オリジナルとなるレポも2つ追加!
さて、前回記事で予告した通り、

せい家食べ比べをやります!
その前に、なんでそんなことをしたのかという経緯を述べておきたい。

ちょうど1年前か、メシ通「ラーメン系譜学」でせい家を取り上げられないか、となり、本社トップアンドフレーバーに取材申し込みをした。
現社長が対応してくれたのだが、取材主旨を汲んでくれて、そういうことなら創業者(現社長は創業者の息子っぽい)に話を聞いたほうがいいでしょうということで、社長のアポ取りをお願いすることになった。
ここまではトントン拍子だったのだが、ここから何故かなかなか話が進まず、何度も連絡をとっても忙しいとはぐらかされ、メシ通の自分の担当者が業を煮やして連絡をとるも門前払い状態。取材を諦めざるを得なくなってしまった。
こういうことはままあるので、良くないことだが慣れっこになってしまった。
こうした経緯の中、現社長から宿題を出されていて、タイプの異なるせい家をいくつか食べておいてくれと言われた。
自分はかなり食べている方だったが、沢山ある店舗の中でも特徴が異なる例がいくつかあるそうで、今はグループから独立した上板橋店【過去記事】など極端に豚骨が濃い例は知っていたが、それ以外に食べてない店がいくつかあったので、そこを巡ったってわけ。
このままではその食べ比べも日の目を見ないことになるので、ここで発表しておこうと思ったわけ。

まずは1号店となる、本社1Fの経堂店。
90年代後半に来ているが、20年ぶりくらいになるので、現社長に会いに行った帰りによることに。
経堂商店街
経堂駅南口から真っすぐ伸びる商店街の中程にしれっと佇んでいる。

経堂外観
せい家 経堂店【食べログ】 ★★★★☆ 4.8
所在地:東京都世田谷区経堂1-5-10

店内は入ってすぐ左手にカウンターがあるが、それ以外はテーブル席でせい家としてはかなり広い。
従業員も多く、キビキビ動いていて、さすが本店という雰囲気。
入店前から豚骨を炊いている香りが漂っていたが、店内も芳醇な香りが充満していて、食欲を刺激しまくられる。

で、食べ比べのために太麺550円(当時は540円)の油少なめで統一。
経堂太麺油少なめ
スープの色味が濃く、醤油ダレが立った家系らしい見た目。スープの中にはダシ殻の粒々がかなり散見できる。
スープをまず飲んでみると、匂いから予想される通り、濃くしっかりダシが出ている。かなり家系定番のバランスで、フルーツ系の甘味のない近藤家みたいな印象。
経堂太麺UP
油少なめにしていることもあるが、そもそもスープ自体に油が少なく適度に乳化しているとみえて、飲み口がスッキリしていて、最後までゴクゴク飲めてしまう。
チャーシューは大きめでしっかり厚いが、ほぼ赤身でホロホロで、柔らかくも肉感を味わえる。

本社的にはあまり家系を全面に出したくないようだが、これは濃すぎず薄すぎず、かなり優等生的な家系らしい一杯な気がした。20年ほど前に食べた時は安価なりの濃度の家系という印象しかなかったが、当時は横浜に行かないと満足に家系が食べられない状況だった。環境が違うから印象が変わったのか、店側が仕様を変えたのか、たまたまか分からないが、これで税抜ワンコインは反則なレベルかと。


お次は同じ小田急線にある梅ヶ丘店。
梅ヶ丘商店街
なんと閉店しまったようだが、南口の改札を出てスグ、斜めに走ってる商店街にある。

梅ヶ丘外観
せい家 梅ヶ丘店【食べログ】 ★★★★ 4.0
所在地:東京都 世田谷区梅丘1-25-2

奥行きがあるせい家らしいレイアウトの店舗だが、厨房を見ると寸胴がかなり小さい。カウンターに着いてよくよく見ると、透明なパックを切ってスープをその寸胴に入れている。せい家でもスープを店で炊いてない店舗があるとこの時初めて知った。
梅ヶ丘太麺油少なめ
太麺油少なめは写真に撮ると、まるで工場スープに玉子が乗る壱系(壱角家【公式サイト】を展開する株式会社ガーデンなどによるFCの総称)みたいにスープが白い!
実際の見た目は、写真ほど白くないが、飲むとたしかに軽めでマイルドなスープ。豚骨の滑らかさは感じられ、心地よくグイグイとは飲める。
梅ヶ丘太麺UP
ここもチャーシューは赤身主体でホロホロで身厚で美味!

やっぱり匂いがしないのが残念。店で炊いてないのが勿体なく思える一杯だったが、匂いの問題など何か炊けない事情があるのだろう。これはこれで全然アリだと思う。それだけに閉店が惜しまれる。


最後は京王線の仙川店。降りるのは二郎に来て以来かも。
ここも南口駅前の商店街にあるが、最近仙川は開発が激しく、オサレタウンに変貌している。
南口といっても猿田彦珈琲があるロータリー側ではなく、西口の南側に伸びる商店街のほう。
商店が立ち並ぶ商店街らしい商店街で、これまでの2店舗とロケーションがソックリ。小田急京王ラインはだいたいこんな感じだよね(商店街の写真がないのでこれまでの2枚から想像してください)。

仙川外観
せい家 仙川店【食べログ】 ★★★★ 4.0
所在地:東京都調布市仙川町1-18-4

太麺油少なめは梅ヶ丘に似て白っぽく、まさに壱系ってビジュアル!
仙川太麺油少なめ
だが、店内はカウンタカーからでも厨房の様子があまり良く見えない作りになっていて、運びスープかは不明。
スープを掬うと実は茶色をしているというのも梅ヶ丘っぽい。とんこつ感あって滑らかだが、骨っぽいようなザラザラ感はないのも似てる。でもコク深く、一杯でしっかりお腹いっぱいになれる。
仙川太麺UP
チャーシュー厚めだがここはどちらかというと特色がなく普通か。
ただ麺はこれまでの中で一番モチモチして個人的にHITだったのが不思議。製麺所は一緒のはずじゃないのか??

そして、せい家の表示的な味と言われたのが阿佐ヶ谷で、それは既にUPした通り。
まさか店で炊いてない店があるとは思わず、それが収穫だったが、言われたほど差がなく(本店と、梅ヶ丘・仙川勢とはハッキリ違うよ)、寧ろ運んできたスープだろうと、せい家の誇るワンコインとは思えないスープの凄さを再認識させられたのだった。
家系の話をすると、吉村家直系がどうのとか横浜界隈の店舗をやけに推す勢が激しいが、確かにもっと濃いスープもあるし、濃いだけでない部分でも色々とクオリティの高いものはあるだろう。それを踏まえても、せい家は凡百の家系のなかでもかなりイイと思うんだけどな。
家系については最近かなりしっかりボリュームある記事を書いたので、興味ある方はそちらを参照いただきたい。

ともあれ、上板橋店が「かみいた」になってから行けてないので、そう遠くないうちに食べないとな。そして、久々に横浜近郊でどっか家系も食べてみたくなった。
というわけで、どこも満腹満足! ごちそうさまでした!!

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勢太郎ラジオ先日6/15(月)、またまたNACK5の大野勢太郎さんのラジオにほんの5分ながら電話出演させて頂いた。
THE SEITARO★RADIO SHOW「1700」【番組サイト】:1週間はラジコで視聴可能。

…昨今、神保町で老舗の閉店が相次いでいるということで、今からでも行ける神保町ならではの名店として「まんてん」を取り上げさせてもらうことに。
それと、天空落としの中村さんのYOUTUBEチャンネルRaTubeで対談させて頂いた。

…つい最近、当ブログでも取り上げた「ラーメン1杯1000円」のヤフー記事を中村さんが読んで興味を持ってくれて声がかかったのだが(後々、このLIVEのダイジェスト版を作成頂けるそうだが、現在もLIVEの様子がそのまま見られる)、このコロナが直接の原因だったり、そうでなくてもなんとかやりくりしていた店がこのタイミングで多く閉じている。

とある暑い日、ガッツリ生姜やニンニクをチャージしながらつけ麺を食べたいと、阿佐ヶ谷駅近くにせい家があることを思い出し向かうと、なんと北海道ラーメンのひむろに変わっていた。
跡地ひむろ
近くに伝丸という北海道ラーメンの店があるというのに、よくここに出店したなと関心する。いや、それよりも、都心近くに店でスープ炊いてる豚骨醤油の店が減っていく現実に目を向けるべきだろう。
閉店したのは3/31で、どこかで新店舗をオープンさせるそうだが【情報ソース】、高円寺にもあるようなので(今知った)、今度行ってみよう。
ともあれ阿佐ヶ谷店は、南阿佐ヶ谷で珈琲店をやっていたので、仕事帰りの夜遅くにパワーチャージできる店として、本当に有り難かった。

せい家はワンコイン程度の料金(途中で税込から税別になった)でしっかり豚骨の出たスープが堪能できるので、どのチェーン系よりも自分にとっては有り難い存在だった。
実は、店でスープ取ってない店もあるのだが、それは次回まとめて特集するとして、まずは阿佐ヶ谷店追悼企画を始めるとしたい。

外観
せい家 阿佐ヶ谷店【食べログ】 ★★★★★ お疲れさまでした
所在地:東京都杉並区阿佐谷南2-16-4

せい家は、場所によっては強烈に豚骨が濃厚な店もあるのだけど、大抵はマイルドで、そこはかとなく店外にかぐわしい匂いを漂わせる程度。醤油ダレもそこそこ効いてて、食べやすくも満足度が高いザ・豚骨醤油というラーメン。
※一時リニューアルしたのだが、今回はリニューアル後の様子を。リニューアル前は以前UPしている。


阿佐ヶ谷店はせい家の中でも王道のタレとスープのバランスながら、主に夜に行っていたからか、結構豚骨比重が高く、油に頼らないこってり感がそこそこ得られた感がある。
16.11スープUP
(16年11月味薄めにしてるかも:スープはやや白っぽいが出し殻が混じっててスープしっかりしてそうでしょ?)

ライスは以前は量に関わらず同額だったが、半・並・大で料金が変わるようになった。それでも10円とかの差なので、560円で税込600円程度でよく食べていた。
16.03半ライス
(16年3月の半ライス油少なめ味薄めにしてるかも)
よくあるラーメン屋の電気ジャーご飯ではあるが、こちらのスープを投入して食べると最強のエナジーチャージになった。そこに追いニンニクや生姜をしたりしてね(写真なくて申し訳ない)。

16年から17年にかけてよく食べていたので、以下食べ比べ。
16.12油抜き?UP
(16年12月油少なめ:この頃からチャーシューが大きく、これは特に半分突き出てて珍しい盛り方)
17.01油少なめ半ライス
(17年1月油少なめ半ライス:前回同様結構スープが茶色いので当たりだったかも)
17.02半ライスチャーシュー2枚!
(17年2月半ライス油少なめ:なんとチャーシュー2枚!小さめだったから2枚にしてくれたのかも。赤身主体で柔らかくも食べごたえがあって好きなタイプ)
17.03半ライス油少なめチャーシューなし!?
(17年3月油少なめ半ライス:なんとチャーシューなし!?入れ忘れで、後から別皿で頂きました)
17.03並ライスチャーシューデカ
(17年4月油少なめ並ライス:この頃からさらにチャーシューがデカく進化。並ライスだとはみ出るくらいの盛りとなる。さらに半ライスお代わりした記憶あり)

そして17年5月。6月に税込価格になるのでその告知の貼紙が出た。
17.05値上げ貼り紙

それからもチョイチョイ食べているが、実店舗を閉めたので、このタイミングで行く回数が減っている。
6月に記録が残っているのが、つけめん。
17.06つけめん
つけ汁の濃度がしっかりあって、太麺に負けない。
スープ割してもらうと、純粋なこちらのスープが味わえて、ワンコインが申し訳なくなるクオリティだった(ちなみに店によってつけめんはラーメンより高めの設定にしているところもあるが、こちらは同料金で具材が別盛りだったりと豪華すぎるパターン)。
17.06つけめんスープ割
白っぽいのが別の器で出てきて、こちらのベースのスープが味わえて好きだったな。

そして、18年9月。
詳細は次回の記事に譲るが、訳あって昼に食べたところ、かなりライトな味わいで驚いた。
19.08ラーメン油抜き
油抜きということもあり、たまたまだったのかもしれないが、阿佐ヶ谷店はそんなに濃くないという評判を聞くのは、昼間の影響かもしれないと思った。
それでも、数多ある豚骨醤油ラーメンのスープと比べて、豚骨などの動物系ダシが確実に感じられるスープで、やっぱりワンコインで申し訳ないなくなるのだった。

チェーン系なので他所にもあるといえばあるのだが、店ごとの傾向があって、自分の身近では高島平店【過去記事】くらいになってしまったので、残念でならない。復活した時は、これまでと変わらぬ状態であることを望むばかりだ。ひとまず、合掌。

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以前述べたように、イベント限定で発行したコピー本の掲載データ整理していたら、比較的最近の2018年冬コミ限定本で当ブログ未UPレポがわんさとワンサくん出てきた。
●18年冬限定本『2018年B食大賞〜B食道(セカンドウ)』【詳細ページ】
我ながら、相変わらずヤベー表紙だと思うのだが、行くかある未UPの中から、ラーメンの豚骨醤油部門に勝手にノミネートした家系をピックアップしてみたい。
メシ通の取材で坂内本社のある大森海岸に行った帰り【メシ通:坂内記事】、大井町で長いこと再開発が叫ばれている激渋店舗の並ぶ横丁(ゴミラーメンの永楽とかブルドックのあるところ)がどうなってるか通ってみようと思い、青物横丁駅で降りた。

京急のこの辺りは第一京浜と併走しており、改札出るとショッピングビルを繋ぐようにデッキが伸びていて、チェーンの居酒屋とかの脇の階段を降りると、第一京浜に出る。
第一京浜
ここからゼームス坂(ゼームスってエゲレスのオッサンが坂を緩い勾配にしたんだって)を上っていくと大井町駅になるが、第一京浜に沿って歩くとスグ、闇夜に蛍光灯の明かりにぼんやりと浮かび上がる煤汚れた黄色いテント看板が嫌でも目に飛び込んでくる。
第一京浜と店
いつの時代だってくらいロードサイド感丸出しのラーメン屋こそ、まこと家だ。
第一京浜と店横から

外観
まこと家【食べログ】 ★★★★☆ 4.8
所在地:東京都品川区南品川3-1-10

この界隈には、京浜工業地帯や横浜へ抜けるドライバー向けのこうした深夜も営業するようなラーメン屋が存在した。環七ラーメンと同じ時代で同じような発展の仕方やね。
今でも近くには道楽【公式サイト】という同じく豚骨醤油の店があるが、こちらはFC展開を期に筆文字の昨今流行った風の店構えにリニューアルされたので、往時の雰囲気を残しているのはまこと家だけとなった。

開け放たれたアルミ扉から覗けるのは、通りに面にて横に長く、右端だけ店奥へと折れるL字カウンター。
店内
これが木の一枚板で、ホープ軒本舗【過去記事】を彷彿とさせる落ち着きがある。
細くて中途半端な高さの座りにくそうなスツールが並ぶのも郷愁を誘う。
昔は立ち食いだったんじゃないかな。席について辺りを見渡すと、黄色いプラ看板に黒文字でメニューが並んでいる。これも、二郎が支店増え始めた頃とか思い出すんだよね。

というわけで、ラーメンを初めてなので全部ふつうで注文。厨房の若そうなニイチャンとアジア系っぽい助手が手早く仕上げる。厨房には大きな寸胴があり、それを大きくかき混ぜる姿を見ると期待が膨らむ。
おしぼりを取って(これも懐かしい感じ)待つこと暫し。

ラーメン700円!
ラーメン
出てきたそれは、白く濁ったところに薄く油膜の貼る、家系というよりザ・豚骨醤油といった代物。
プースーからズズッと頂くと、やはりな。ビンゴ! かなり豚骨ダシが出ている。まろやかでクリーミーな舌触りで、ナチュラルな甘さが口中に広がる。タレ味は見た目通りやや薄め。
ラーメンUP
以前の吉村家や六角家、近藤家などの、豚骨も効きつつ鶏油とタレでガツンと食わすバランスとはちょっと異なる。豚骨強めのラーメンショップ的バランスというか、ある意味先祖返りしているような、ザ・昭和ロードサイドの豚骨醤油に仕上がっている。これは嬉しいなぁ〜。
麺は正統・酒井製麺の中太麺。チュルンとした口当たりで噛むと柔らかめの中にムチッとした弾力も残している。昔六角家や近藤家で食べた酒井の麺より多加水な気がする。余りツルツルしてると家系のスープには合わないが、これくらいなら麺もしっかり味わえて○。
チャーシューも赤身主体でホロけるほど柔らかく煮込まれてるし、油はあくまで支え役で頼らない使い方で豚骨自体のスープが満足感あるので、一杯でお腹一杯。丼を上げ、会計。現金後払いって何年ぶりだろう。ホントもう食券だらけになったよね。

店を出ると通りの喧騒が一気に全身に入ってくるかのよう。扉開いてるから音なんて入ってきてるのにね。適度な耳障りのしないBGMになっていたんだろうな。それくらい店の中は独特のロードサイドラーメン店の世界が何十年もかけて出来上がっているのだろう。
味も昔と変わってるのかもしれないけど、現状で十分手間ひまかけたものになってると思う。これが味わえる有り難みを噛み締めて、ゼームス坂を上るのだった。

後日談:上記が2018年のこと。年を越して『街道のグルメ』【詳細ページ】に掲載させてもらう関係で行ってみた。
改装第一京浜
そしたら、外観がリニューアルされて、あのテント看板がきれいになってるじゃないか!?
改装外観
前の感じがよかったのになぁ・・・とはいえ、新しいのも経年変化してイイ感じに枯れてくれるだろう。それほどまでに永く続かれることを願うばかり。

というわけで、これはイイっすよ。ウマウマシ!! ごちそうさまでした〜

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●講談社のゲイダイWEB版「マネー現代」に、ラーメンショップについての記事を書きました
「ラーメンショップ」が不死身なワケ…強さの秘訣は“ユルさ”だった
マネー現代TOP画像
【ヤフーニュース】のアクセス数が多かったようで、ツイッターでトレンドワードになったりと、なんだか急に世間にラーショの文字が席巻するという珍事となった。こういう珍妙な現象は喜ばしいし、次々と知られざるラーショの画像がネットに上がってきて、未知のラーショを知るキッカケともなった。
それくらい多くの人にとって、日常に埋没して、無意識下にある原風景みたいな存在だったのかもしれない。食べ物って基本、そういう生活と切り離せないものであるべきだと思っているので、その一例としてラーショがあって、なんか、それが呼び起こされたというか、当たり前を見返す一助になったら嬉しいなと。
つか、自分はそういう喚起を促すために執筆活動しているようなもので、それはこのブログもそうだし、今回の記事のベースになった、堀切店のインタビューをさせてもらったメシ通【真っ赤な看板が目印の「ラーメンショップ」こそ、昭和から続く不死身のロードサイドチェーンだ】など依頼される仕事もそうだし、そういうのをまとめたミニコミ誌、昨今だと『街道のグルメ』『東京ラーメン系譜学』といった商業誌もそう。
これからも、当たり前を思い出して、今の生活に足りないものとか、本当はこういうことなんじゃないかみたいなのを見つける機会を広げていけたらと思ってやす。

というわけで、ラーショの堀切店がプチ移転したことを紹介してなかったと思い出し、メシ通で記事にしたその後をまとめておきたい。

場所は京成の堀切菖蒲園駅と綾瀬駅の中間(綾瀬のほうが近い)というのは変わらず。前の店からほんのチョット堀切菖蒲園駅に近い、同じ川の手通り沿いの並びの物件に、昨年10月1日付けで移転した。
川の手通り
看板は相変わらず、うまいラーメンショップうまいで、加盟店募集の電話番号も変わらないのが有り難い。

看板
ラーメンショップ 堀切店【食べログ】 ★★★★★ 4.8
所在地:東京都葛飾区堀切7-3-1
公式サイト:mbsp.jp/tonkotsu/

前は奥に長い作りだったが、道路に面して横に長い作りになっている。
正面
以前のほうが面積的には広かったが、今のほうがロードサイドのラーショっぽ感じ。
ご家族でこれまでと変わらぬご様子で営業されていた。
店内
メニューはアルコール類の提供が一時できないようだが、それ以外は増税分程度が少し値上げしたくらいで変わらずというのも嬉しい。
メニュー
▲クリックすると別ウインドウで拡大します
営業時間は少し短縮したが、朝から夕方くらいまで通し営業なので、ハンパな時間でもサッと手繰れる感じも健在。

で、頂いたのはまず、ねぎラーメン並¥850でしょ。
ねぎラーメン
味玉がデフォで入ってて、見た目に豪勢な感じが堀切ラーショらしさ。
伺ったのは10/7で、まだスープが馴染んでないとのことで、この日は乳化がユルかった。以前から日によって乳化具合に波があって、それがスープを店で炊いている良さでもあった。
だからといってスープに薄さがあるわけではなく、しっかりコク深いまろやかさがある。この日は背脂も散見でき、それでこってり感もバランスが取れている気がした。
ラーメンUP
麺はぷるんとしていて、スープを乗せすぎないので食べててクドくならない。
具のラーショ特有のネギは変わらず甘辛旨い。チャーシューはこれまでよりトロトロで、できたてみたいにホロッとトロける感じなのはたまたまか、何にせよこれはこれでHIT!!

日が経てばこれまでのような白濁こってり豚骨スープの日でも出てくるだろうし、ともあれ、堀切ラーショがこれまでもこのクオリティで続いてくれることが、なにより有り難かった。
この日から半年弱、そう遠くないうちに再訪して、現状のラーメンをまた味わってみたい。
というわけで、ウマウマシ!!! ごちそうさまでした!

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