カテゴリ: 雑記・よしなし事

いつもブログやミニコミを拝見頂いてる方、またテレビ見て初めてコチラまで辿り着いた方、お見苦しい姿を晒してしまいましたが、見て下さって感謝の言葉もありません。
★有料ですが【YOUTUBEで公式の放送】が見れます。↓は予告です。

@HANAMOROさんがtogetterにまとめて下さいました。放送見た気分になれます。
 →「TBS『マツコの知らない世界・板橋チャーハンの世界』に..」


お陰様で放送で取り上げて頂いたお店以外にも町の中華屋が混みあい、チャーハンの売切れも出ているという報告を頂いています。
■この際なので、御存知のしっとりチャーハンや町中華情報を交換しませんか?
ツイッターでハッシュタグ #しっとりチャーハン #町中華 を付けて、出来れば画像付きでの投稿をお願いします。なるべく1日1回はウォッチするようにしてますので、フツーの町の中華屋さんを活性化していきましょう。

街道チャーハン冒頭で取り上げられた拙ミニコミ誌が、今回の企画の起点となりました。
■デウスエクスマキな食堂14年冬『街道deチャーハンを食う』
書泉ジュンク等大型書店・とらZIN等同人書店・タコシェ模索舎ミニコミ専門店でも扱っています。
※Amazonと直通販分は売切れました。他はまだありそうです。
【委託先一覧】からご確認、問い合わせ下さい。


また、今回登場して頂いた町中華5軒を食べログまとめでまとめました。
■マツコの知らない板橋チャーハンの世界に登場した、まったり過ごせる町の中華屋さん5軒
チャーハン以外のメニューも色々あって美味しいので、Spotlightでまとめました。
■マツコの知らない板橋チャーハンの世界に登場した中華屋さんには、炒飯以外の人気メニューもあった!
※放送の中で、“板橋にある殆どの中華屋さんを制覇”とありましたが、演出過多な表現で、現実そんなに回れるわけがなく、お店の中には「あんなヤツ、ウチに来てねーぞ!」と思われた方もいたかと思います。
その内、区内全軒制覇するつもりでいますので、訪問した際はどうか向かい入れて頂けましたら幸いです。

諸事情で本名:山本晋で出演しましたが、普段は「刈部山本」という名で活動しています。
チャーハンの他、ラーメンをメインに立ち蕎麦・地うどん・大衆酒場・駄菓子もんじゃ・公営ギャンブ場など、B級グルメ(という言い方は好きではないので余り使いませんが分かりやすく言うとそんなジャンル)なら大抵なんでも食べ歩いてます。
というより、東京でも下町や場末の路地裏など、裏へ裏へと散策しては、その町らしい店に入って、どういうものが食べられ、どういうふうに土地の人が過ごしているのか、そこから現在の人々の姿や町・社会の抱えるリアルな問題を切り取って提示し、見てくれた人にとって何か想うヒントになってくれたらなぁと活動しています。
興味持って頂けたら当ブログや発行ミニコミ【刈部山本@ガキ帝国】にて、色々潜って頂けたら幸いです。

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千葉の逆襲
  • 谷村昌平
  • 言視舎
  • 980円
Amazonで購入
書評


参加させてもらっている書評サイト『本が好き!』の献本が久々に当選した(このところ余り応募していなかったというのもあるが落選も続いていたので)。その久々というのがバーチ本というのも、なんともはや。
さて、バーチをどういった視点でエグるのか、非常に興味深く読み進めたのだが…

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昨年、神宮球場の外野スタンドの飯処はエライことになっていたと報告させてもらったが【[特別企画]球場メシ:青空のもと焼き鳥@神宮&エッグを喰らう@東京D】、その時にありつけず後日コメントにて情報頂いたものなどをつい昨日リベンジしてきた。
だいぶ日が長くなったもので、18じ近くで青空が広がっていたが、やはりスタジアムのこの雰囲気は格別。
神宮全景
しかし近年稀に見る寒さで、覚悟してジャンパーを着込んで行っても寒くてエライ事になってしまった。オマケに試合もお寒いことこの上なく、我が中日ドラゴンズは借金9にまで膨らんでしまった。ブッチギリの最下位ですわ。
今年、自分が行けそうな神宮の試合はこの日が最後で、せめて点が入って燃えよドラゴンズを熱唱したかったが、試合は水物、しゃーないってことで。いとうまい子を見習わなければ!【Y!ニュース|中日ああ最下位…いとうまい子“ダメ竜の母になります”】
せめて井端ファンファーレぐらいは立って頑張ります!
井端ファンファーレ
でもまぁ久々に生で試合観戦して、プロ野球ニュースのダイジェストやYahoo!のデータだけでは分からない細かなプレーが見られたので、生で見れてよかったッス(アラキさんのライトフライは犠飛で柳田のタッチアップは行けたとかね)。

不振はともあれ、くいもんでも喰って身体の中から暖かくなるしかあるめぇ。
というわけで、今回狙っていた1つは山盛りウインナー。トレーに溢れんばかりのウインナーを手に目の前を行き来する人が前から気になっていたのだ。どこで売ってるんだろうとスタンドインする前に売店をチェックしたのだが、どこにもそれらしき店はない。まさかと思い、ホーム応援側のライトスタンドへ行ってみるとスグに分かった。

ルウジャパンルウジャパン【食べログ】 ★★★★☆ 4.5
所在地:東京都新宿区霞ヶ丘町3-1
公式サイト:神宮球場グルメガイド外野ライト
※写真は公式サイトより※

メニューは通常の盛り合わせ¥500他、メガ¥700があり、どうも自分がみたのはメガの方らしく、大抵の人はこのメガを複数人でシェアしてるっぽい。流石に一人でウインナに700円はキツイ。あぁ、こういう時単身が悔やまれるなぁ。
仕方なく普通盛りに。売り場の隣には巨大なケチャップとマスタードのチューブが何本も吊り下げられており、レバーをひねってニュっと掛けられるようになっている。あまり濃い味付けをしたくなかったので、テキトーにさっとかけてスタンドへ戻る。
今回持ち込んだのは角ハイボールの缶。居酒屋でよく飲むものだが缶は初めて。
角ハイボールとウインナ
実は最近店で飲んでもどうもイマヒトツなことが多くて、本家の製品はどうなのか確かめたかったのだ。で、どうだったのかというと、イマヒトツに感じた店が悪いのではなく、マイ・ベスト酒場の一つ、金町「ゑびす」の角ハイボールのレベルが高すぎて、これを基準にしていたと分かった。
にしても、こういうキツめの炭酸にドライ感のあるアルコールにはウインナがよく合う!
ウインナ盛り合わせ
よくみると数種類のウインナが存在していることに気づく。炒め自体はそんなにハードではなく、寧ろゆであげの食感に近い。なのであまり皮のパリっと感は弱く、肉汁がプシュッとスパークはしないのだが、しっとりと優しくお汁が口中に浸透する感じで、これがサワー系の炭酸とビター感に馴染むのだ。なので皮にシワの寄ったハード系のものより、通常の薄皮めで長いもの、もしくは1つしかなかったが極太の薄灰色のヤツ(白ソーセージ=ヴァイスヴルストとかいうやつなのかな?香草の感じはしかなったが)のムニュッとした食感が似合っていた。
これという特別感はないものの、やはり青空の下食べているからか、どうにも旨くて仕方がない。

お次は試合の中盤に差し掛かった頃に、前回やきとりがHITだったお店へ。

メニュー@戎後楽【梅造イズム】 ★★★★☆ 4.5
所在地:東京都新宿区霞ヶ丘町3-1
公式サイト:神宮球場グルメガイド外野センター

いわしげんこつ揚げがコッソリ売ってると教えて頂いたが、よく見ると店舗上部のメニューに載っていた。まぁ知ってて落ち着いて眺めたから分かったのだろうが、店頭に並んでる様子が見えにくいので、確かにコッソリ感が高い。
恐る恐る店員に聞いてみると、サッと出してくれた。
いわしげんこつ揚げ
これがゲンコツほどの大きさで、しかも球場で売ってるものとしては破格の150円!
いわしげんこつ揚げ中身
これがかなりホクホクで、いわしのすり身独特のジャリジャリ感やエグみは皆無。でもしっかりいわしの香りがして、ハードめに揚がった表面の香ばしさとすり身のナチュラルな甘味とのコントラストがタマラナイ! いや〜これ150円はお得すぎる。隠れてるのが勿体ない。2〜3個は食べたい気持ち。

というわけで、胃袋は温まったのだが、外気の寒さには敵わず、8回裏、ミレッジのホームランで気持ちが切れギブアップ。球場を後にして前回同様ホープ軒に向かうのだった。
【前回記事:ホープ軒@千駄ヶ谷〜シャバシャバを楽しんでこそ大人!】
今日こそ脂多めを頼むと決め、完遂。目の前で社長が麺あげしててビビったが、こちらの豚骨醤油ラーメンは脂多めにして初めて本来の姿を見せるのだと知った。固形背脂と透明油のダブルパンチでこれぞ豚骨醤油といった味わいに出来上がる。
この詳細は、夏に上梓する予定の拙ミニコミ同人誌の背脂本にて。

ともあれ、極寒のGW明けに体の芯から温めてくれた脂多めとなった。球場内のメシ含め、このジャンクさとダイナミズムこそ、昭和からの娯楽と食の醍醐味といえよう。改めて参った!

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ブログネタ
ハンバーガー に参加中!
前回ホープ軒をUPしたが【過去記事】、その前によった神宮球場と、つい先日今季の戦いを終えたドラ戦士への健闘を祝し、球場メシを並べてみたい。

8月の最終日、数年ぶりとなる神宮球場。
神宮外観
そして久々のプレイボール前の入場。
元々外野スタンドもそんなにギュウギュウにお客さんでいっぱいになるわけではないが、金曜とはいえ平日とあって、ノホホンとしている。
レフトスタンド@神宮
夏とあって18時前ではまだ明るい。空が抜けてとても気持ちいい。
球場全景@神宮
この日は復刻ユニフォームで、自分が子供だった自分のデザインがなんとも懐かしい。
復興ユニ@神宮
谷沢とか大島・平野・宇野が来てたイメージが強い。他球団もそうだが、このカラーリングは子供っぽく写るね。

試合開始までの間、外野スタンドのフードスペースを覗きに行く事に。
フードコート@神宮
ここ数年でリニューアルし、以前の薄暗くてコ汚い雰囲気が変わったとは聞いていたが、一端のショッピングモールのフードコートよろしく、ケンタッキーや銀だこ、ピザーラまで入っている(席までお届けしてくれるわけではない)【公式サイト】
これまでのままでは、女性筆頭に最近のお客さんに受け入れてもらえないので、その努力は認めるが、球場のあのコ汚い(くどいってw)ダークな感じが味わえなくなるのはなんとも残念でならない。昭和の高速のPAやSAと同じ空気を持っていたが、これらがフードコート化したからって球場も合わせなくったっていいのに。
旧売店@神宮
とはいえ、つぶさに見てみると、外野中央の出入口そば通路にあった立ちそばとか売ってる売店は健在だった。
メニュー@神宮
それと、スタンド入った脇の売店も健在。
ライト側売店@神宮
ホーム側とアウェイ側で売ってるもんが違うので、ちょっとライト側にお邪魔しまして。。。

焼き鳥¥300!
焼き鳥UP@神宮
焼き鳥+酎ハイ@神宮この手の施設の中のもんとしては相当安い。来る途中に調達した缶酎ハイで乾杯。
焼き鳥自体は特別どうというものではないが、キチンと香ばしい匂いがして、ホクホクとはいかなくとも肉肉しい食感が生きている。タレも異様にドロっとしておらず、適度なしょっぱさで十分食べられる。こういうシチュエーションでこれだけのものが食べられればもう大満足。屋根のない球場で食べると、こうも身にしみてウマいものかと。

さて次は何を食おうか、先ほどの売店のレフト側、宮崎地鶏鉄板焼き¥500が妙に気になる。ご当時B級グルメ当て込んだ便乗メニューは地雷の可能性大がだが、本物の宮崎地鶏使ってればマズイことなかんべぇというわけで、もつ煮やらを諦めてトライ!
宮崎地鶏鉄板焼き@神宮
ってこれだけかい!! 味は先の焼き鳥に比べホクホク気味だし、臭みはない。悪くない質だと思うが、これで500円は寂しかろう。色気出しちゃったなぁおい。
野球の展開と一緒で、調子よく先制したものの終盤に追いつかれる始末。ツメが甘いんだよなぁ。
実は、いわしのゲンコツ揚げというのが気になっていたのに見つけられなかった。野球観戦も終盤にさしさかかったその時、目の前をいわしのゲンコツ揚げを持って横切るオッサンの姿が。どこで買ったか流石に聞けなかったが、どこかにあることは間違いない。
他にも、山盛りのソーセージなど枚挙に暇がない程、神宮は球場グルメの宝庫なので全然食べ足りない。しばらく観戦に来ても食べつくせなさそうだ。


ここからは東京ドーム編。
つい先週のこと、クライマックスシリーズ・ファイナルステージの2戦目に行ってきた。
仕事終わりなので着いたのは19時半近く。幸いチケットぴあでビジター応援席が取れたので席は確保されている(ここ何年かはずっと立見席だった)。余裕を持って来たが、改めて奇跡的にゲットできた前から2列目という席の良さに驚かされる。
東京ドーム
外野席は席がビッチビチで、フツーに座っているだけでデブでもないのに両隣の人と方が触れ合うほど。神宮とは大違い。
スタンドの様子@東京ドーム
ドームなのでどことなく息苦しいし。でも逆に、応援席では一体感が生まれるので嫌いではないが、トイレや買い物にとても行きづらい。
攻撃回が終わり、周りが動いたのを見計らって自分も席を外す。
東京ドームはそもそも売店が少なく、ファストフードのようなレジカウンターの店舗のみ。一部ケンタッキーとか大手FCチェーンが入っているが、球場メシ食うぞっていうテンションが上がらず、これまでも球場内で買うことが殆ど無かった。大抵はコンビニでプロ野球チップスとコーヒー牛乳の組み合わせ。
11年チップス
11年立ち見
(↑11年CSの立ち見&チップスの様子ね)しかしこの日はどーしても試合に勝って欲しかったので、コーヒー牛乳だけ事前に調達し、東京ドームを喰らうという意味で…

ドームエッグバーガー¥350を予てより、狙い打ちぃ〜♪
ハンバーガー@東京ドーム
売店のオネェちゃんに徐にゴツッと出されたソレは、昭和な銀の包みに入れられ、イベントのホットドック露天でウォーマーの中で売られているような代物を思い出した。最近こういうのないようなぁ。
文句言ってもしょうがないので食べてみると、これが意外にイケる。
ハンバーガーUP@東京ドーム
ドームを模した目玉焼きは白身こそ完全に火が通っているが、黄身は辛うじて半熟加減を保っている。
ハンバーガー割ってみた@東京ドーム
パティはややモソモソでドライブイン的な仕上がりながら、臭みはないし噛むと肉肉しさも感じられて悪くない。
バンズは水っけはないものの、パサつかず、口の中にへばりつかない。しっかり厚みがあってパンの甘みも感じられ、これはなかなかに秀逸。ケチャップはただのケチャップだが、黄身とパティとバンズをキレイに繋いでくれて、1コのハンバーガーとしての食べ応えが十分にある。値段が違うが、どこぞのピエロのフニャフニャのより個人的に好きだなぁ。

ゲン担ぎが功を奏したのか、この日は巨人に解消し、翌日には3連勝と日本シリーズに王手をかけたが、御存知の通り3連覇を喫し、逆転優勝を逃した。でもまぁこの時期まで野球を楽しませてくれて、こうしてハンバーガーも食べられて、十分満足できた1年だった。

さて、来年こそリーグ優勝して日本一、神宮ももうちょっと足を運んで、モツ煮に串カツ・揚げ餃子などなど、ガッツリこちらも制覇といきたい!

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ブログネタ
大衆食堂 に参加中!
かながわ定食紀行おかわりかながわ定食紀行おかわり【⇒amazon】
著者:今 柊二
価格:798円(税込)
かもめ文庫 神奈川新聞社

今年の頭に読み始めてソッコー読了しているのだが、ブログにUPするタイミングを逸したまま今日を迎えてしまった。
本を取り上げた記事は5月のミニコミ誌『HB』以来だが【該当記事:HBというミニコミ雑誌について】、実は本著の記事を書く前フリ的な意味合いもあって『HB』に触れたのだが、その時も色々あってUPできずじまい。
でもまぁ、そんな勿体ぶった記事じゃないんスよ、これから書くことは(著者に失礼!)。本著同様、気軽な話。

かながわ定食紀行タイトルに「おかわり」とあるように、本著は『かながわ定食紀行』【過去記事】の続編となる。そもそもの連載が神奈川新聞の日曜版とあって、神奈川県内の定食屋さんの紹介記事をまとめたものとあって、まぁそう堅苦しい文章ではない。原則、淡々と町場の定食屋が羅列されるのみだが、神奈川には殆ど縁のない自分でも十分に楽しめる。
自分もB級グルメ&町歩きのミニコミをやってて思うのだが、取り扱うエリアが居住もしくは在勤でないと、途端に手にとってもらえなくなるというのは、即売会で売り子をしていて直接読者の反応を目の当たりにしていると、露骨な反応として返ってくる。なんで川一つ、区境1コ跨ぐだけで興味が削がれるのか、コチラが町として優れてて、アチラが劣ってるなんてことは何一つない。一つ駅が違うだけで、新たな違った顔が、大変興味深い風景が待っていてくれるものだと思うのだが。まぁその町毎の魅力をプレゼンテーションしきれていない自分の腕のなさが一番の要因なのだろうが。
だから、自分が行ったことのない町にどんな特徴や魅力があるのか、とても興味がある。人生、いつ何時どの町とどんな巡り合わせがあるか、わかったもんじゃない。一生縁のないと思っていた駅に仕事でよく向かうようになった、なんてことはよくあるんじゃないだろうか。本著にある洋食屋や中華屋、とんかつ屋は、それぞれの駅の近くに当たり前にある、地域密着型のなんてことのない店ばかりだ。ここに、こだわりも特別な素材も売切れ次第終了もない。地域密着だからってご当地グルメもない。いやあるか、トルコライスが。前回に次いでトルコライスを追う記事が掲載されているが、それだって町おこし的に原っぱのテントで大量に作られたのをプラッチックの嫌に白い皿で食うのじゃなくて(そこに文化はねぇ!)、なんてことない店で昔から当たり前に供されている炒めもんと揚げもんを皿に乗っけた代物だ。
これが、著者の衒ったところがないフツーの読みやすい文章で綴られているのがまたいいのだ。いや、これが本当に難しいんだ。定食の連載だからどーしても書き方(構成・表現)がワンパターンになりやすい(このブログみたいにねww)。飽きさせないようにとか、変化つけるために、どーしても下心が出てくるもんなのだけど、そこを淡々とこなしながら、それでいてワンパターンとして飽きが来ることがない。そうだ、町の定食屋といっしょだ!
定食学入門 (ちくま新書)この本が出る間に、著者はこれまでの飲食店のレポート的な雰囲気とは異なる空気感をもった、『定食学入門』【過去記事】や『定食と文学』(こちらは未読)を著している。食にまつわる造詣の深さ、知識量には驚かされ、氏が名実ともに現在の定食オーソリティであるところを見せつけられた。その上で、改めてオーソドックスな切り口の定食紹介文を読むと、そうした知識に裏打ちされつつも、それをひけらかさず、下駄履きの定食屋の良さそのままに文章を綴れるってのは、こりゃスゲーなと。
定食屋の記事の他に、うどんやお好み焼きをアテにご飯を食べる、つまり定食化することを力説する論考があるのだが、あれだけ定食論(?)をまとめ上げたのに、無駄に熱いというか、飲み屋で酔った勢いで西日本の食文化を関東人に力説するテンションなのがおかしい。もちろん背景に知識があるから、酔っぱらいの説教のいい加減さはないのだが、それでも、本著は本著のノリとして、書き分けられている。まぁ個人的に、関東人ながら炭水化物×炭水化物でも全然OK、寧ろウエルカムな人間としては、ウンウン頷きながら読めたってのがデカいのだけど(たまに当ブログで述べる隠れ四国人説の話もあるが)。
この辺の書き分け方、氏の持つ定食への目線の低さが、巻末の対談だと顕著に露呈する。前作も対談があって同じように思ったが、前回の唐沢俊一や今回のおでん研究家なんかだと、自分のテリトリーに話を持ってっちゃうから、定食の定食たる部分と俄にずれて行ってしまう。藤木TDCとでさえそういう部分がある。その齟齬というか乖離が、却って氏のポジションを浮き彫りにさせて(気ぃ遣ってる部分とかw)面白かったりするんだけど。
立ちそば大全定食以外にも立ちそばの本【過去記事:立ちそば大全】も著しているが、それらとこの神奈川の定食本がビミョ〜に違う点は、氏が若かりし日に白楽に住んでいたコラムをみてもわかるように、前回にも学生の頃に通った横浜の話もあったが、普段の生活の中に当たり前に定食屋で食していた経験、そしてその思い入れが深いところにあるのではないだろうか。なんでもない生活の中で食べた定食、そこで触れた町の空気感。それがホンチョの全体に流れている気がしてならない。その風に誘われて、所用のついでにでもフラっと立ち寄りたくなってしまう本といえよう。やっぱねぇ、本作るために好きでもないもん罰ゲーム的に食ったり、B級グルメブーム貶し前提で遠征したレポートなんかとはもう質がじぇんじぇん違うのだよ…ってそれはもういいって(笑)。

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